Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

it takes 〈人〉~ to do ...(「オランダで性的虐待を受けた女性が合法的安楽死」という誤報について)

今回の実例はTwitterから。

元々は、今日は前々回前回と同じ「天安門事件から30年」の記事から実例を拾おうと思っていたのだけど、より緊急性の高いトピックに差し替えた。

オランダは、「安楽死」が認められている数少ない国の1つである。そのオランダで、ある女性が安楽死したという話が、ネット上を飛び交っている。日本語圏も例外ではなく、Yahoo! Japanのトップページにはこんな表示がある。

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https://www.yahoo.co.jp/ 2019年6月6日

つまり、「性的虐待を受けた17歳の女性が安楽死した」という話が流布しているのだが、これが全然まったく事実ではないということが指摘されている。

ツイート主は米媒体Politicoの欧州部門で書いているアイルランドのジャーナリストで、かなり長いスレッド(連投)でこの「誤報」について書いているが、当ブログで実例として見るのはスレッドの最初のこの投稿だけにしよう。

大手メディアの無責任な(まともに事実確認をとらない)報道というか「誤報」と、その拡散について関心がある方は、スレッド全体を読んでいただければと思う。

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接続詞のas, 年齢の表し方, 関係副詞, find + O + -ing (中国、天安門事件から30年)

今回も、前回と同じ、中国の天安門事件から30年を迎えて、英BBCの北京特派員、John Sudworth記者が書いた記事から。

記事はこちら: 

www.bbc.com

天安門事件」については、前回のエントリでざっと概要を説明する記事にリンクをはってあるので、どういう「事件」なのかを知らないという方はまずはそちらからどうぞ。

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「~な人々」の意味のthose, 不定詞の完了形, 付帯状況のwith(中国、天安門事件から30年)

今回の実例は、天安門事件についてここ数日の間に英語圏報道機関で出た数多くの記事のひとつから。

1989年5月。ドイツで「ベルリンの壁」が崩壊する半年ほど前のことだった。中国の首都、北京の天安門広場で学生らが民主化要求の座り込みを行っていた。

このころ、東欧のソ連の衛星国などで民主化要求運動が次々と起きていた。東欧諸国では、それはほどなく革命や「ベルリンの壁」の崩壊という形になっていった。しかしアジアでは民主化要求運動は非常に厳しかった。ビルマ(ミャンマー)の「8888運動」は暴力的に鎮圧された。そして中国では、1989年6月4日に「天安門事件」が起きた。

何があったかについては、過去に書いたものがあるのでそちらを参照されたい。

下記「まとめ」の1ページ目(2013年作成): 

matome.naver.jp

 

下記「まとめ」(2014年作成): 

matome.naver.jp

天安門事件」とは何かということについて、要点だけ言えば、天安門広場に座り込んでいた群衆に、政府は武力を向け、暴力的に鎮圧した。死者数ははっきりしていない。数百人単位とも数千人単位ともされている。確実なのは、非武装のデモ隊に対し軍事力が行使され、大勢が落命したということだ。

 

現在の中国政府が「天安門」という言葉や「64」という数字、また天安門事件に関する連想を引き起こす数々の言葉に対し規制をかけているということは、日本語圏でも広く報じられ、語られている通りである。

 

今回の記事は、BBC Newsの北京駐在記者が、そのように「語られてはならないもの」として扱われている天安門事件について、30年前のことを知らない人にも伝わるように、事件犠牲者(大学生)のお母さんを取材するという経験(取材の中身そのものというより)などもまじえて書いた長文記事である。単に分量的にも読むのはしんどいかもしれないが、ご一読をおすすめしたい。

www.bbc.com

見出しの "forgettance" はremembranceの対義語で、Wiktionaryによるとめったに使われない語だそうだ。「忘れるということ」という意味。

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時制の一致、間接話法、〈婉曲〉のwould、前置詞+-ing【再掲】

以下は以前アップした記事の再掲である。間接話法と時制の一致について、基本を確認できるよい実例を扱っているので、そこでミスすることが多いという方にはぜひ読んでいただきたいと思う。

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今回の実例も、イギリスのEU離脱に関する報道記事より。1月15日にメイ首相の協定案が英国会で歴史的大差で否決されたあと、「これからどうなる」ということが関心事となっていたときのロイターの記事である。

uk.reuters.com

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関係代名詞(主格)、助動詞+完了形(助動詞 + have + 過去分詞)、助動詞のmight【再掲】

以下は2月上旬のエントリの再掲である。《助動詞+完了形》について基礎から説明してあるので、この点確認しておきたい方にはぜひご一読いただきたいと思う。

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今日の実例も、イギリスのEU離脱に際し、イギリスのテリーザ・メイ首相がEUとの間で交渉して取り付けた合意案についてイギリスの国会下院で1月15日(現地の日付)に行なわれた採決に関する報道から。

日本時間で日付が16日に変わってすぐの時点で、イギリスの新聞The Guardianのアプリを立ち上げたときの画面が下記*1。今日の実例は、一番上の(一番大きな扱いの)記事の見出しである。

 

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2019年1月16日、the Guardian

*1:ちなみに、私はこのアプリを「UK」に設定して使用しているのでガーディアンのUK版が表示される。この新聞にはほかに、アメリカ版、オーストラリア版、インターナショナル版があり、それぞれでトップページの構成が異なる。

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仮定法過去完了(ロシア介入疑惑、ロバート・マラー特別検察官退任に際する声明)

今回の実例は、米国のロバート・マラー*1特別検察官が退任したときのTwitterでのニュースフィードから。

マラー氏が2016年11月の米大統領選挙におけるロシアからの干渉について調べる特別検察官に任命されたのが2017年5月。その後、調査を進めながら、選挙戦でトランプ陣営で仕事をしていた人たちやロシア人などを次々と起訴、その過程でトランプの弁護士だったマイケル・コーエンから「うひょう」としか反応のしようのない暴露が出たり、銃ロビーのRNAに食い込んでいたロシア人スパイが有罪判決を受けたりしてきたが、最終的に2019年3月22日にマラー特別検察官からウィリアム・バー司法長官に「最終報告書」が提出されて、捜査は終結した。

この「最終報告書」は当初、司法長官がまとめたものしか世間に公表されなかったのだが(特別検察官が司法長官に提出して数日後に「まとめ」が公表された)、その「まとめ」の中身があまりにおかしかったので、いろいろあった末に、提出から約1か月後の4月18日に、報告書全文が一部情報を伏字にした状態で公開された(文章量にして1割強が伏せられている)。そういった経緯は英語版ウィキペディアに詳しく出ているので、関心がある方はそちらを参照されたい。

en.wikipedia.org

そしてこの報告書(ほぼ)全体の公開から1か月強が過ぎた5月29日、司法省において自身の退任と特別検察官事務所の閉鎖を宣言する声明を発表した。マラー特別検察官がしゃべっている映像を見たのは、私はこれが初めてではないかと思う。

特別検察官は「司法省の方針により、在任中の大統領は連邦法での違法行為で訴追することができない」と説明し、「したがって、大統領の起訴という選択肢は、特別検察官事務所にはなかった」と述べた。バー司法長官やトランプ大統領自身が「(ありもしない疑惑なのだから当然のことだが)証拠不十分だ」「ロシアとの結託関係などなかった」と繰り返しているのとは、まったく話が違う。

特別検察官には大統領を起訴する権限はなかったということは、既に公開されていた最終報告書でわかっていたことだが、マラー氏自身の肉声で語られるのは初めてだ。

今回の実例は、そのくだりから、お手本のような仮定法過去完了の実例。

*1:英語での綴りはRobert Muellerで、日本語の報道などでは「マラー」「モラー」「ムラー」「ミュラー」など激しく表記ゆれしていて、「ムラー」や「モラー」をよく見るのだが、現地では「マラー」と読む。 https://en.wikipedia.org/wiki/Robert_Mueller を参照。

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助動詞+完了形、not A but B, lie (lay) in ~(アンネ・フランクの同級生が読む「アンネの日記」)

今回も、前々回、および前回と同じく、アンネ・フランクの日記の増補改訂・新訳版が英国で出版されることを受けての記事から。

今回は、前回見たパラグラフの後半部分を見ていこう。

記事はこちら: 

www.theguardian.com

 

 

 

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挿入、間接疑問文、時制の一致をあえてしない場合(アンネ・フランクの同級生)

今回も、前回と同じく、アンネ・フランクの日記の増補改訂・新訳版が英国で出版されることを受けての記事から。

アンネ・フランクについての説明は不要と思われるが、前回少し書いておいたので、「名前だけは知っている」という方はそちらをご参照のほど。

記事はこちら: 

www.theguardian.com

前回は、記事の冒頭で、『アンネの日記』でユダヤ人学校の同級生として一言だけ言及されているアルバート・ゴメス・デ・メスクィタさんは、今もご存命であるということが書かれている箇所を見た。

今回見るのは、その少し先の部分。世界で最も有名な本の一冊である『アンネの日記』(60の言語に翻訳され、3000万部が売れている)に(一瞬だけとはいえ)出てくる人物であるアルバート・ゴメス・デ・メスクィタさんに、この記事の筆者(オランダ出身のオックスフォード大学英語教授で、アンネ・フランクと同じようにオランダで潜伏生活を送っていたユダヤ人についての著書でコスタ賞を受賞した文筆家でもある)が話を聞いているくだりである。

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完了不定詞、関係副詞の非制限用法、関係詞の先行詞が離れている場合(アンネ・フランクの同級生)

今回の実例は、「歴史の生き証人」の活動についての文章から。

アンネ・フランクという少女の名前を聞いたことのない人はまずいないだろう。ドイツの都市フランクフルトのユダヤ人の家にアンネが生まれたのは1929年だったが、1933年1月にアドルフ・ヒトラーが首相となってからほどなく、一家はドイツを脱出してオランダのアムステルダムに逃れた。そこでアンネは幼稚園に上がり、モンテッソーリ学校で明るく楽しく子供時代を過ごしていたが、1939年9月にドイツがポーランドに侵攻して第二次世界大戦が始まると雲行きが変わる。

1940年5月にはドイツ軍がオランダに侵攻。それから1週間もしないうちにオランダはドイツ軍に占領されていた。以降、オランダのユダヤ人たちはじわじわと、ナチス・ドイツの「反ユダヤ主義」にさらされ、しめつけられていく。子供たちはユダヤ人学校に通わされることになり、アンネたちはモンテッソーリ学校には通えなくなった。

そしてついに、ドイツ支配下にある国・地域で「ユダヤ人狩り」(絶滅作戦)が始まると、アンネの父親は経営していた会社が入っている建物に「隠れ家」を準備して、元のように暮らせる日々まで潜伏して待つことにした。そして、1942年7月にアンネたちフランク家の人々と、その友人のファン・ペルス一家の人々など8人が、建物の外には一切出ず、それどころかそこに人が住んでいる気配を見せることもせずに潜伏生活を始めることになったのである。

そのような日々のなか、10代前半となったアンネが書いた日記は、これまでに世界の60の言語に翻訳され、3000万部以上が売れている

増補新訂版 アンネの日記 (文春文庫)

増補新訂版 アンネの日記 (文春文庫)

 
完全版 アンネの日記 (文春文庫)

完全版 アンネの日記 (文春文庫)

 

彼女の日記は、何度か改訂され増補されるなどして、読み継がれつつ内容を充実させてきたが、2019年5月にCollected Worksとして英語の新訳が出たとのことで、今回見ているガーディアンの記事が出たわけだ。 

Anne Frank: The Collected Works

Anne Frank: The Collected Works

 

 記事はこちら: 

www.theguardian.com

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「結論が先」の英語の書き方、分詞の後置修飾の二重限定、形式主語、挿入、助動詞+完了形(エベレストの大混雑)

今回の実例は、エベレストの大混雑についての報道記事から。

ここ数日、見事な青空をバックにしたエベレストの白い稜線に登山家(登山者)たちが列をなしている衝撃的な写真が話題になっている。この写真は元英軍人(それも特殊部隊SBS)でMBE持ちのNirmal Purjaさんが、Facebookにアップした写真だ。彼は現在は冒険家として活動しており、現在は7か月の間に14の高山に登頂するという "Project Possible - 14/7" を行なっている。そのプロジェクトのためにエベレストに行っていて、見たまま、ありのままを撮影した。詳細はNirmal PurjaさんのFB投稿を参照(2019年5月22日付)。 

www.facebook.com

今回見る記事は、この「過酷な環境下での長蛇の列」という状況の中で、何人もの登山者が命を落としているということを報じる記事である。

www.theguardian.com

記事の最初の文で、このようなことが起きている背景について、"in a season marred by poor weather and overcrowding on the world’s highest mountain" とざっくり説明している。英語で文を書くときは「結論を先」というルールがあるが、このように最初にざっくり説明をしておいて、具体的なことはおいおい述べる、という形を取るわけだ。この記事はその例としても大変優れているので、全文のご一読をお勧めしたい。

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so ~ that ... 構文, 英国内の言語的多様性, さまざまな貼り紙の英語(欧州議会議員選挙での投票所 #DogsAtPollingStations )

今回の実例は、5月23日、欧州議会議員選挙投票日のTwitterから。

今年の欧州議会議員選挙はEU加盟各国で23日から26日にかけて投票が行われ、26日の投票締め切りをもって開票が始まった。投票日が早かった英国では26日深夜(日本時間では27日朝6時ごろ)まで報道に制限が課せられており、出口調査結果も出されていなかったが、現地で日付が変わるころ(日本時間27日朝8時ごろ)にはブリテンの大方の結果は出ていた。この選挙に興味がある方は、ガーディアンの開票速報live blogが要領よくまとめられていると思うので、そちらをご参照のほど。

今回、当ブログで参照するのは、選挙そのものについての記事ではなく、選挙に付随的に発生するTwitterハッシュタグ。これが、ツイート本文での言語情報は少ないのだが、写真からいろいろなことを読み取るのが楽しいという人にはめっぽう楽しいはずだ。

まずはこちら: 

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倍数表現 (as many ~ as ...) 【再掲】

今回の記事は以前投稿したものの再掲である。倍数表現は、大学入試や検定試験などのマーク式の試験での整序英作文でも、和文英訳でもよく問われる一方で、語順をうろ覚えにしているままの人もけっこう多い。「旅行で英会話ができればいいかな」程度ならうろ覚えでもよいが、まともに英語を使いたいならそうはいかない。「通じればいいんだ」と開き直るのではなく、なるべく早い段階で正確な語順を頭の中に定着させておきたい。

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今回の実例は、2019年1月15日、イギリスの国会下院でテリーザ・メイ首相がEU欧州連合)との交渉の末に取り付けてきた協定案が採決にかけられ、歴史的大差で否決されたときのBBC政治記者のツイートから。

 

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分詞構文(特盛り)【再掲】

この記事は以前投稿したものの再掲である。分詞構文は特に長文多読をする場合などに頻繁に遭遇するはずだが、軽く読み流せるようになるまではわりと丁寧に意味を考えながら、例えば主語を取り違えて解釈したりしないように練習を重ねていきたい。学校でやるような「接続詞を使った文(複文)を分詞構文(単文)に書き換えなさい」みたいな練習をしなくなると、けっこう自分でもびっくりするくらい読めなくなってしまうので、大学受験ではそれなりに英語やったけど、大学に入ったあとは遠ざかってるな……という場合は特に重点的にみたほうがよいかもしれない。

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今日もまた同じ出典から。(この記事は文法事項が実際の報道記事の中でどう出てくるかという点で非常に見所が多かった。)

www.theguardian.com

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some ~, others ...の構文, another, if節のない仮定法(ジョージ・ベストの銅像が似てなさすぎる件)

今回の実例は、文法項目としてはほんの3日前に取り上げたものとカブる。

もう笑い転げてしまって、トピックの背景解説どころではないので、記事はこちら: 

www.theguardian.com

 

……とはいえ、多少は解説を書いておかないと何のことかわからない方々も多くいらっしゃるだろう。

ジョージ・ベストは往年の名フットボーラー。北アイルランドベルファスト出身で、身体が細くて弱々しく見えるタイプで、「あんな子がプロの世界でやっていけるはずがない」的に扱われていたが*1、実際には、「ミュンヘンの悲劇」で多くのプレイヤーを亡くしたマンチェスター・ユナイテッド (MUFC) でスター・プレイヤーとなり、MUFCを欧州の強豪の地位に引き上げた立役者となった。詳しくは、川端康雄先生の新書をお勧めしたい。 

新書524ジョージ・ベストがいた (平凡社新書)

新書524ジョージ・ベストがいた (平凡社新書)

 

ベストはフットボーラーとしても抜きんでた存在だったが、とにかくルックスと派手なライフスタイルで注目された。ハンサムとしか言いようのない顔立ちをして、髪を長めにしたりしていて、まるでザ・ビートルズのメンバーのようなスターだということで「5人目のビートル」との異名をとった。ベストはキャリアを終えるころには酒などで身を持ち崩していて、私はマンチェスターのMUFCのサポの人から「悲しくなるから彼の名前は口にしないでくれ」と言われたこともあるのだが、最終的には酒で肝臓を悪くして、2005年に59歳の若さで他界した。

 

Embed from Getty Images

 

そのジョージ・ベストは、出身地のベルファストでは「スポーツ界のヒーロー」としてプロテスタントカトリックの区別なく敬愛される存在で*2、近距離便が利用するベルファストのシティ空港は2006年に「ベルファストジョージ・ベスト・シティ空港」と改称したし、記念紙幣も作られたし、MUFCのホーム・スタジアムの外周部にはベストを含む3人の同時代の名選手の銅像が建てられた。下の写真の一番左がベストである。

 

Manchester The United trinity.jpg
By Paul Hermans - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link

 

このジョージ・ベストの新たな銅像が、今回、ベストもプレイしていた北アイルランド代表のホームであるベルファストウィンザー・パーク・スタジアムの近くに建てられ、除幕式が行われた、というのが2019年5月23日のニュースだった。

そしてその銅像が……端的に言えば「誰っすか、これ」というクオリティで、英メディアが笑いをこらえながら(あるいは爆笑しながら)記事にしているわけだ。

今回の実例はそれらの記事のひとつから。

*1:関係ないが、今年引退した野球のイチロー選手が米大リーグに移籍したとき、日本では「あんな細いのが、ムキムキマンばかりのMLBでやっていけるはずがない」という意見が特に年長者の間で非常に強くあった。

*2:ベスト自身はガチのプロテスタント労働者階級の出である。

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報道記事の見出し(未来のことはto不定詞で表す), be to do ~(マンチェスター・シティ主将の退団)

今回の実例は、日本の学校教育では習ったことがない人が多いかもしれない項目について。報道記事の見出しだ。

報道記事の見出しは長さに制限があるので、いろんなものが省略される。日本語では元から語順が持つ意味上の重要性が低いところに持ってきて、意味を確定する助詞が省略され、結果として体言の羅列になりがちで、何を言っているのかわからなくなることもしばしばであるが、英語では見出しにおける省略には一定のルールがあり、さらに語順によって意味が決まる部分が大きいので、慣れてしまえばさほど難しくはない。

学校教育では、その英語の報道記事の見出しのルールは体系的には教わらないかもしれないが、ビジネスパーソン向けの英語参考書や時事系英語雑誌ではよく取り上げられているし、ネット上にもある程度まとまった解説がある。例えば下記のようなページだ。

rnnnews.jp

個別の見出しを見れば何となく意味が把握できていると思うが、体系だった理解ができているかどうか不安、という場合は、上記ページを一度ざっと読むだけで頭の中が整理されて有益だろう。

さて、今回の実例は、元記事のURLが上書き更新されて見出しが変わってしまっているのでいきなりキャプチャ画像:

f:id:nofrills:20190523060741j:plain

2019年5月19日、BBC Sport
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