今回の実例は、真の意味での「クイーンズ・イングリッシュ」から。といっても何か特別な言い回しがあったりするわけではない(と強調しておくのは、とにかく英文そのものを読んでもらいたいからだ)。
言うまでもないかもしれないが、今の英国(イギリス)の国家元首はエリザベス女王で、次の国王となるのが息子(長男)のチャールズ皇太子、その次の国王となるのはその息子(長男)のウィリアム王子(ケンブリッジ公)である。なお、子供がたまたま男ばかりだが、英国の場合は(日本の皇室と違って)女性でも王位に就くことを邪魔されない(エリザベス女王を見ればわかる通り)。
ウィリアム王子にも子供(息子)がいるので、チャールズ皇太子やウィリアム王子の弟・妹たちは王位継承権という点では下位に位置する。つまり、将来英国王となる可能性は極めて低いという立場の王族たちだ。
チャールズ皇太子の弟が、昨今性犯罪が注目されているアンドルー王子(ヨーク公)と、エドワード王子(ウェセックス伯)。ウィリアム王子の弟がハリー王子(サセックス公ヘンリー)である。
そのハリー王子が、王族のシニア・メンバーの地位を下りると突然宣言したのが1月8日。以降、英国のメディアは連日(イラン情勢やオーストラリアの火災といったニュースと同時に)その話をしている状態で、ノイズも根拠不明なゴシップもとても多いようだ(あんまり見てないからよく知らない)。
そういう感じで何日か過ぎたあと、1月13日に王室のシニア・メンバーたち(つまり女王、皇太子、ウィリアム王子)とハリー王子が直接、女王の私邸であるサンドリンガム・ハウス(イングランド、ノーフォーク州)で会って話し合いをした。その話し合いが終わったところで、エリザベス女王がステートメントを出した。今回の実例はそこから。記事はこちら:
「上流階級調のイギリス英語」のことを俗に「クイーンズ・イングリッシュ」と言うが、今回のこのステートメントは女王名義なので、文字通りのクイーンズ・イングリッシュである。
といっても、特に何か特徴的な言い回しがあるわけではない(大事なことなので二度言いました)。普通に大学受験生が知っているような文法の知識で読める英文である。
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