Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

【インターネット・情報】

事実ではないことを言いふらす人たちから自分の身を守るために、英語を使うことは必要だ。(2)

今回は、前回の続きで、「国際的には、ヒトラーに重ね合わす批判はご法度」「欧米では、どんなにろくでもない政治家や政党でも、ヒトラーやナチスになぞらえてはいけないという不文律がある」といった言説が虚偽であること、つまり、日本語圏で「海外」だと…

事実ではないことを言いふらす人たちから自分の身を守るために、英語を使うことは必要だ。(1)

今回も、少し趣向を変えて、英語での調べものの話。 私は自分で見るネット画面(特にTwitter)の半分以上は、日本国外のことを英語で伝えてくるもの、という環境を構築しているが、ここ数日、その環境にも日本語でのデマが次々と流れ込んできている。あまり…

英語での略語について(IT分野の "pen test" は筆記用具の書き味とは関係ない)

今回の実例は、少しイレギュラーな感じになるが、略語について。 日本語でも英語でも、頻繁に使われる語がある程度の長さがあるときは、何らかの形で省略された「略語」として日常の会話や新聞記事などに出てくることが多い。 例えば「東京証券取引所」は「…

"New phone, who dis?" というスラングについて、意味と用法、背景などを調べてみる。

今回の実例は、Twitterから、ものすごい口語表現を。 数日前、Twitterでアメリカ在住の日本人の方から "Get out of here!" が「お礼されるほどのことじゃないよ」という場面で使われてて面食らった、という報告があったのが話題になっているのだが、そういう…

再帰代名詞を使った定番表現, 《挿入》に際するコンマの省略, 等位接続詞で書き始められた文, など(Twitterジャック・ドーシーCEO退任)

今回の実例は、報道記事から。加えて、さっき設定を見たときに気づいたTwitterがユーザーの何をどこまでどういうふうに見ているのかということも書く。 大きく報道されているように、2006年にTwitterを設立したメンバーの主要な1人で、紆余曲折ありつつ長年…

日本語で「Twitter Pro」とされているものは、英語では "Twitter for Professionals" (職業人のためのツイッター)である件。

今回の実例は、Twitterから。といってもいつものように誰かがTwitterに投稿した文面ではなく、Twitter社が提供しているサービス名について。 Twitterで、新機能「Twitter Pro」が導入されたということが、昨日(11月3日)から話題になってきた。どういうふう…

意味を知らなくても推測可能な単語と、意味を知らなかったら詰んでしまう単語(討論番組に出演してネットで暴言を浴びせられたコメディアン)

今回の実例は、Twitterから、「英文法」というより「これが下線部和訳で出題されたらどうする?」というトピックで。 英BBC(テレビ)に、Question Timeという番組がある。英国では国会(下院)で平議員と総理大臣を含む閣僚とが直接質疑応答を行う question …

「新幹線 shinkansen」をshinkと略すかどうか、それを「新幹線に乗る」という動詞として使うかどうか。

今回の実例は、英文法の実例というより、非常に興味深い語法の例。 月曜日の未明、Twitterを見ていたら次のようなツイートが流れてきた。まさに「その発想はなかった」と反応せざるを得ない内容だ。 Two questions for English speakers in Japan:1. Do you …

あの日、誰かから「テレビをつけて」と言われた人たちの、20年後の言葉。

今回の実例は、Twitterから。というか、一緒にTwitterを見てみてほしい。 2021年9月11日、ここ東京で夜9時を過ぎたころにTwitterをチェックすると、とても多くの人が、「あの日、姉(または息子、または母、または友達、または……)からの電話で『テレビをつ…

「マイナス記号」が「ダッシュ」「ハイフン」と混同されている実例(Google検索の便利なやり方)

今回の実例は、Twitterから。 暑くて疲弊しているので、「実例」というより「小ネタ」です。 昨日、英語圏で話題になっていたこちらのスレッド(連続ツイート): If you use it right, Google is the most powerful tool in the world.But the truth is most…

thatが省略されたso that ~, 等位接続詞andによる接続が延々と続いている形, thatの判別, など(イングランドのサッカー協会のステートメント)

今回の実例は、前回の続きで、イングランドのフットボール(サッカー)協会 (the Football Association: the FA) のステートメントから。このステートメントが出された経緯や文脈などは前回のエントリをご参照いただきたい。 この文面は、FAのような組織から…

could not be+比較級, be clear that ~, anyの用法, 過去分詞単独での後置修飾, など(イングランド・フットボール協会がサポーターの中のレイシズムに立ち向かう声明を出した))

今回の実例は、スポーツの競技団体のステートメントから。 日本語圏でもとっくに大きく報じられているが、欧州でのサッカーの国際大会「欧州選手権 (EURO)」*1の決勝でイングランドとイタリアが対戦し、PK戦でイタリアが3-2で勝利した。PK戦で蹴る5人のうち…

時制(過去と過去完了), 関係代名詞 (スエズ運河コンテナ船座礁と、ある女性に対するフェイクニュース)

今回の実例は、報道記事から。 3月23日、エジプトのスエズ運河を航行中の巨大な(東京ドーム2個分の長さがある)コンテナ船が運河を斜めにふさぐようにして座礁し、スエズ運河の機能が停止してしまうということが起きた。座礁した船は、ネット上でミーム化し…

省略, 使役動詞makeの構文, 現在進行形, ぱっと見はtoo ~ to ...構文に見える形式主語の構文, など(ティエリ・アンリがSNSを離れた)

今回の実例は、前回の続きで、SNSと距離を取ることにしたティエリ・アンリのインタビューでの発言より。アンリがどういう人かなどの説明は、前回のエントリをご参照のほど。今回はさっそく本題に入ろう。記事はこちら: www.bbc.com なお、今回はぜひ、この記…

年齢の表現, ひとまとまりの文章の中で繰り返しを避けるための言い換え表現, too ~ to ...構文, など(ティエリ・アンリがSNSを離れた)

今回の実例は、インタビューでの発言から。 ティエリ・アンリといえば、1990年代終盤から2000年代にかけてのサッカー界のスーパースターのひとりである。2014年に現役引退したが、フットボーラーとして一番の時期に在籍していたイングランドのアーセナルでは…

倒置, 「~したものだった」のwould, andによる接続(カズオ・イシグロの最新作を英語で読んでみよう)

今回の実例は、話題の本から。 これ。 クララとお日さま 作者:カズオ イシグロ 発売日: 2021/03/02 メディア: Kindle版 英語版も日本語版(を含む各国語版)も同じ日、3月2日に発売となったこの作品、英語版は言うまでもなく日本語版も紙の書籍と同時に電子…

セント・パトリックス・デーのオンライン・イベントに登録してみよう

今回は、変則的だけどいつもの時刻よりちょっと早めに出します。といっても思いついたのが遅かったので今から間に合うかどうか……。 今日3月17日はアイルランドの守護聖人セント・パトリックの日で、アイルランドでは国民の祝祭の日となります。普段なら各都…

(特に英語圏で起きていることについて)英語で情報が入ってくるかどうかがもたらす、泣きたくなるようなギャップについて

今回も英文法はお休みで、前々回と前回の関連で書く。(「英文法お休み」と言いつつ、書いてる間に何か出てきたら突然文法解説始めるかもしれないけど、そうなってたら「あらあらうふふ」とほほ笑んで見守ってください。) 前々回のは300件以上のブクマを集…

極右勢力が使っている北欧神話のシンボルについて(議事堂乱入男のタトゥーを読み解く)※今日は英文法はお休み

【追記】本稿には続きがあります。そちらも併せてお読みください。 hoarding-examples.hatenablog.jp 本稿を書いたことで、改めて、英語で情報を入れている人とそうでない人の基本的な了解事項の格差(ギャップ)を知らされました。少しでも埋めたいので、当…

長い文の構造を正確に読む, 現在分詞の後置修飾, 関係代名詞の非制限用法のイレギュラーなケース(「バイデンの息子」のネタ元は偽情報会社)

今回の実例は、報道機関による大きな報道の際のTwitter連続投稿(スレッド)から。 10月に入って以降、Twitterでの私の視野も、体感で半分以上が米大統領選に関する発言で埋め尽くされているのだが、その中に先日少し取り上げたジョー・バイデンの息子、ハン…

挿入, 連鎖関係代名詞, 分詞の後置修飾, 英語の文章は最初のパラグラフが読みづらい(ナスカの地上絵)

今回は前回の続きで、新たに発見されたナスカの地上絵についての英語の報道記事を読んでみよう。 前回は、「ナスカの地上絵」についての英語のニュース記事を探すための下準備として「ナスカの地上絵」を英語でどう書くか(言うか)をウィキペディアを使って…

日本語ウィキペディアを手掛かりに英語の報道記事を探す方法、Google翻訳は辞書の代わりにはならないということ(ナスカの地上絵)

今回の実例は、辞書を引くということについて。 新たにナスカの地上絵が発見されたというニュースは、日本語でも大きく伝えられているので、ご存じの方が多いだろう。 ペルーの文化省は16日、世界遺産の「ナスカの地上絵」の保全作業をしている考古学者らが…

「クソリプ」をめぐる英語表現

今回の実例は、Twitterから。 少し前に、ある話題についてのやり取りを見ているときに、日本語のネットスラングでいう「クソリプ」についての応酬を見かけたのでキャプチャをとっておいた。「リプ」は「リプライ reply」(返信)の略で、「クソリプ」は「く…

freerice.com で、英単語力をつけながら、WFPにお米を寄付しよう(国連世界食糧計画 WFP ノーベル平和賞受賞)

今回は少々趣向を変えて、ノーベル平和賞を受賞した世界食糧計画の活動について。 国連世界食糧計画 (UN World Food Programme: WFP) のノーベル平和賞受賞のニュースは、日本語圏でも結構大きく報じられている。例えば日本経済新聞: 【ロンドン=佐竹実】ノ…

祝・イグノーベル平和賞! インドとパキスタンの「外交官たちの真夜中ピンポンダッシュ」について調べてみた。

今回は、いつもとは少し趣向を変えて、報道記事ではわからない詳しい話をネット上で見つけた過程の記録を。 今年も「イグノーベル賞」の季節となった。「イグノーベル Ig Nobel」は、かの「ノーベル賞」のNobelに、《否定》の意味を表す接頭辞のig-をつけた…

「精度の高さ」が売りのウェブ機械翻訳 (DeepL) は、実際どのくらいのものか。

今回は、ちょっと趣向を変えて、ネット上で「精度が高い」という売り込みが完全に定着し既成事実化している、誰でも自由に無料で利用できる機械翻訳についての実証試験的なものを。 といっても、昨日、Twitterに投稿したものをまとめておく、という感じだが…

not only A but also B, やや長い文, to不定詞の形容詞的用法, 同格, など("Rest in power" というフレーズの持つ意味)

今回もまた、前々回と前回の続きで、人が亡くなったときの追悼のことば、 "Rest in peace" の代わりに使われる "Rest in power" というフレーズについての解説記事から。(この記事、かなり読むのが難しいという反応をいただいています。解説記事は報道記事…

not only A but also Bのちょっと変わった形, 先行詞を含む関係代名詞, in terms of ~, 形式主語の構文("Rest in power" というフレーズはどう広まったのか)

今回の実例は、前回の続きで、 "Rest in peace" の代わりに使われる "Rest in power" というフレーズについての解説記事から。 今から20年ほど前にカリフォルニア州オークランドのストリート・アートの界隈で用いられていたのが確認できているというこのフレ…

it was not long after ~ that..., it was not until ~ that... ("Rest in power" というフレーズはいつ、どこから来たのか)

今回の実例は、前回述べた通り、"Rest in power" というフレーズについて。 誰かが亡くなったときに弔意を示す英語の一般的なフレーズは "Rest in peace" である。意味は「安らかにお眠りください」だが、日本語の「ご冥福をお祈りいたします」と同じような…

英語圏報道記事のフィードを要約するなら、訳漏れのないよう正確に、リツイート等も慎重に、というお話(「首相の上級顧問の義父」がなぜか首相人事の話をしているというゴシップの件)

今回の実例も変則的に。 ネット上、特にSNSの日本語圏で、日本以外の国について、人目を引くような断定調の「最新ニュース」に見えるものが広く流れることがある。共同通信や時事通信、NHKや朝日新聞、読売新聞、毎日新聞といった大手報道機関がまったく取り…

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