Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

make + O + 動詞の原形 (使役動詞)、無生物主語

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今しがた、Twitterで見かけたツイートに、《make + O + 動詞の原形》(使役動詞)があった。実際、使役動詞のmakeやletは毎日何度も見かけるのだが、この例はおもしろい。

文中、最初の方にある "rn" は、"right now" を省略した表現。ネットや、昔の携帯電話を使ったSMS(テキストメッセージ)で文字数を少なくするための省略語で、日本語で「あけおめ」と言う(書く)ようなもので、友達同士のような気さくな間柄でなければ使わない俗語表現。普通に接する新聞・雑誌の記事のようなところで見かけることは、誰かの発言の引用でもない限り、ないだろう。

このような略語表現は、大学受験には必要ないが、ついでにどんなものがあるか、見てみたいという人は、下記ウェブページのList of Internet AcronymsとList of Text Messaging & SMS Abbreviationsの2つの表がおすすめ。必要最小限の情報がコンパクトにまとまっていて、高校生でもわかりやすいだろう。(閲覧はスマホではなくパソコンのほうが見やすい。)

https://www.smart-words.org/abbreviations/text.html

 

さて、今回のポイントとなる《使役動詞》が含まれているのは次の箇所。

the height difference makes me uwu

全豪オープンでの錦織圭選手とイヴォ・カロヴィッチ選手との試合に際してのツイートだが、試合内容についてではなく、ネットを挟んで握手する2人の身長差についてのツイート。the height differenceが「身長の差」だ。

ツイート主は、それが "makes me uwu" だと言っている。このmakeが「Oを~させる」の意味の使役動詞である。このmakeは、学校の教科書などでは人を主語にした例文で教わることが多いと思うが(My mother made me clean my room. のように)、実際の英語では、人ではなく状況が主語になったり、抽象概念が主語になったりすることが多い(無生物主語)。そういうのが「英語らしい表現」で、この文もその一例である。

 

  What makes you think like that?

  「何があなたにそんなふうに考えさせるのか」

  つまり「なぜあなたはそう考えるのか」

 

で、"the height difference makes me uwu" というツイートの最後にある "uwu" だが、これは別に覚えなくてもいいし、覚えたところで受験に有利になるわけではないが、知っておくと楽しくはなるかもしれない、というネット上の(文字でのコミュニケーションを前提とした)俗語。というか「顔文字」だ。元々はパソコンのキーボードで ^w^ と入力していたものが、uwu と変わったらしい。両端の u は「目」を表し、真ん中の w は「両端の口角が上がった口」ということで、言葉にすれば「ニヤついてしまう」、「フフってなる」というあたりだろう。

つまり、"the height difference makes me uwu" は「身長差が私をニヤつかせる」、つまり「この身長差を見ると、フフってなる」という意味になる。

このような「顔文字」は、果たして《make + O + 動詞の原形》の「動詞の原形」になるのだろうかという疑問も出るかもしれないが、英語は第一に「ことば」なので、実際にはこのような破格的な(型破りの)運用が日常的になされる。だから、普通の人々が日常で行なっているネット上でのやり取りは、私たちのように外国語として英語を学ぶ立場では、かなりハードルが高い。それよりも、一定のルールに従って書かれる新聞・雑誌など報道機関の英文のほうが、英語学習には向いている。

 

ちなみに、試合の方はまさに死闘というべき内容だったそうだ。 

 

試合後のコートサイドでのインタビューでは、錦織選手は観客の笑いを取っていて、それも英語圏で話題になっている。

 

 

以上、TwitterのTrends経由。

https://twitter.com/search?q=Nishikori&src=tren

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