Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

2019年センター試験・英語、来年受験する人のためのポイント解説(前半)

↑↑↑ここ↑↑↑に表示されているハッシュタグ状の項目(カテゴリー名)をクリック/タップすると、その文法項目についての過去記事が一覧できます。

【おことわり】当ブログはAmazon.co.jpのアソシエイト・プログラムに参加しています。筆者が参照している参考書・辞書を例示する際、また記事の関連書籍などをご紹介する際、Amazon.co.jpのリンクを利用しています。

今年実施のセンター試験(2019年1月)、英語はリスニングが話題ですが、まずは筆記試験から見ていきましょう。

その前に問題を入手しなければなりませんね。問題は、昨日20日の新聞各紙朝刊にも掲載されていますが、ネットでPDFでダウンロードするのが手っ取り早いでしょう(無料)。スマホでも閲覧はできますが、PCのほうが圧倒的に見やすいのでPCで見てみましょう。

東進: https://www.toshin.com/center/

朝日新聞http://www.asahi.com/edu/center-exam/shiken2019/

毎日新聞https://mainichi.jp/exam/center-2019

朝日新聞は中身は東進、毎日新聞駿台です。個人的には毎日新聞のサイトで見ると1ヵ所にいろいろまとまってて便利かなと思います。

 

PDFは、紙に印刷したほうが書き込みもできて解きやすいと思います。解答は直接書き込まず、解答用紙を自作しましょう。ルーズリーフでも白いメモ用紙でも何でもよいので、下記のように、問題の区切り(「第2問 A」など)と、設問文で四角い枠に入っている番号を書いておけばOKです。整序英作文で英語を書けるスペースも確保しておくと便利です。

f:id:nofrills:20190121172916j:plain

 

では、以下で試験の中身を見ていきます。

 

目次:

時間内に終わらせるのが大変

センターにはいつものことですが (難関と言われる大学を受けたいと考えている人は、こういう「いかにも」な日本語文を見たら、頭の中で "As is usual with the Center Test" と瞬間英訳する習慣をつけておくと役立ちます)、難易度はさほどでもないにせよ、とにかく時間内に終わらせることが大変な試験だという印象でした。

制限時間は80分ですが、私が(変なテクニックなどは使わず、自分が受験生になったつもりで)やって、55分ほどかかりました*1

 「あとから見直す」のではなく「最初から正確に」

テスト問題にはいろいろな意味で慣れている私がやってこれだけかかるということは、受験生のみなさんの多くにとっては、80分ではマークシートに記した答えの見直しの時間が取れるか取れないかぎりぎり、ということになるでしょう。

そのため、センター試験の英語では、「あとから見直す」ことを前提とせず、最初から正確にマークシートを塗っていくことが重要になります。設問の四角い枠内に書いてある番号と解答欄を正確に照らし合わせて解答を進めましょう。

自分のやりやすい順番で

センター試験は第1問から第6問の6つの大問と、それぞれA, B, Cといった小問から構成されていますが、言うまでもなく (これは英語ではIt goes without saying that ...と言います)、第1問から順番に解いていく必要はありません(you don't have[need] to ...とか)。

大まかには、第1問が発音・アクセント、第2問が文法・語法、第3問が段落単位で読む長文というか中文程度の問題で、第4問以降がページ単位で読む長文問題です。

試験監督に「始め」と言われて問題冊子を開いたら、最初にページの抜けや印刷の不具合(読めないところ)などがないかどうかを確認しますが、そのときに、自分でやりやすそうなのはどこかを探してしまいましょう。例えば第2問の文法で「これは問題集でやったな」というのが目に入ったらそこからやるとか、第5問の物語文が読みやすそうだと感じたらそこからやるとか。

そのように、順番をシャッフルして解答する場合は、解答欄を間違えずにマークシートを塗るよう、より慎重になる必要がありますが(必ず、設問の四角い枠に入っている数字を確認するようにしましょう)、第1問から順番にやっていくよりも、解きやすいところからやっていくほうが、時間が効率よく使えるのではないかと思います。

第1問: 発音・アクセント(配点: 各2点)

第1問のAは発音、Bはアクセントの問題で、どちらも単に知ってるか知らないかを問われるだけ。知ってれば数秒で解答できますが、知らなければ、どんなに考えても答えにはたどり着きません。深追いは時間の無駄です。ほんとにわからなかったら、「選択肢は4つ、どれを選んでも25%の確率で正解だ」と割り切ってしまいましょう。

ただ、設問で問われている単語そのものを知らなくても、何らかの規則性がある語であれば、解答を考えることは無駄にはなりません。例えば generate という単語が出題されている場合、「 -ate で終わる動詞は、その2つ前の母音にアクセント(語強勢)がある」というルールに基づけば、generateという単語を知らなくても、アクセントは generate だと判断できます。

 

センター英語〔発音・アクセント・文法〕 満点のコツ (満点のコツシリーズ)

センター英語〔発音・アクセント・文法〕 満点のコツ (満点のコツシリーズ)

 

 

第2問: 文法・語法など(配点: Aは各2点、Bは各4点、Cは各5点)

第2問のA

第2問のAは空所補充。問1から10の10問で、問8以降の3問は1文に空所が2ケ所あり、答えの組み合わせとして正しいものを選ぶというパターンです。問1から問7が語彙・熟語や前置詞など単なる知識を問う傾向が強い問題で、問8から問10は文法の知識が必要なものが多いです(現在分詞と過去分詞の使い分けなど)。でも内容は標準的、または平易と言えるものがほとんどなので、塾や自主学習で文法演習の問題集を数多くこなしてきた受験生は、この第2問のAが一番やりやすいと感じるかもしれません。

第2問のB

第2問のBは整序英作文(並べ替え)。内容は標準的、または平易と言えるので、これも勉強を重ねてきた受験生にとってはやりやすく感じられるでしょう。「整序英作文」という形式そのものに苦手意識がある人も、落ち着いて考えれば大丈夫ですよ。ただし問題は、ここであまり時間をかけてしまうと、他にしわ寄せが行ってしまうということです。

センター試験対策としては、ふだんの勉強の段階で、整序英作はあまり難しいもの、複雑なものをやるより、標準レベルの問題(問題集の「基礎演習」や「Step A」のような問題)を大量に、1問1問に時間をかけずに解くという練習をしておくのがよいでしょう。1問にかける時間は30秒から長くても1分を目安に、練習を重ねましょう。

第2問のC

第2問のCは、2人の間で交わされる会話が成立するように、2人目の発言を完成させるというパターンで、内容は文法問題です。例えば、「remember to do ~を使うべきか、remember -ingを使うべきか」といったことが問われます。出題形式に惑わされないよう、練習を重ねておくことが必要です。この形式の問題の過去問は、入手できる限り全部やっておきましょう。

 

英文法・語法 最終チェック問題集〔必修レベル編〕 (ランダム総点検)

英文法・語法 最終チェック問題集〔必修レベル編〕 (ランダム総点検)

 

 

第3問: 段落単位で読む文(配点: Aは各5点、Bは各6点)

それぞれの設問に対する配点が大きくなってきましたね。第3問のAは不要文指摘、Bは要約です。いずれも読解力を問う問題ですが、Bはそれに加えて単語力・熟語力も少し要求されます。

第3問のA

Aの不要文指摘は、1つの段落(パラグラフ)の流れの中にはまっていない文を選ぶという問題で、印刷されている文章は全部読まないと解答できないし、考える時間も必要なので、案外時間を食うと思います。これも、受験までに練習を重ねて慣れておく必要があります。

不要だと判断するポイントはこんな感じ――例えば「健康的なお弁当の中身」というトピックの文章で、「栄養のバランスを考える」とか「野菜を多く」とか「例えばほうれん草のごま和えはこんなに栄養価が高い」とかいった文が連なっている中に、「お弁当を持っていくことの利点」が入っていたら、おかしいですね。センター試験の不要文指摘では、このように、わずかにトピずれした文が入っているパターンが多く見られます。

また、「研究者たちが食事と健康についての意識調査を行なった」というトピックの文章なら、最初に「どのような人を対象にしたか」、「どういう内容の質問をしたか」が書かれ、その後で「20代の人々はこのように答えた」、「30代では答えはこうなった」といったことや「高齢者はこのような傾向がある」といったことが書かれる、というのが英語のパターンですが、ここで「20代の人々はこのように答えた」の後に「調査はどこで、何人を対象に行なわれた」といった文が入っていたら、その文が流れから外れています(どうせ書くなら、最初のセクションに入れるべき)。

このようなルールを踏まえて、入手できる限りの過去問などで練習を重ねましょう。

第3問のB

第3問Bは発言の要約です。定番パターンは、ある議題を話し合うディスカッションで、参加者の発言を、司会進行役がどのようにまとめるかを考えるというもの。最初は参加者Aさんの発言内容をまとめ、次は参加者Bさんとそれに賛同するCさんの発言内容をまとめ(2人の発言の共通点を見つける)、最後は参加者DさんとEさんの発言を聞いてそれをまとめた上で、全体の議論を総括する、というもの。処理しなければならない情報が多く、意外と時間がかかると思います。これも、過去問で練習を重ねておく必要があります。

駿台では2019年のこの設問について、「やや難問」と評価し、次のように分析しています。

Bは、退職する恩師への贈り物に関する生徒たちの話し合いについてであった。2名の発言者の共通点を把握する問題や、全員の意見に合う贈り物を判断する問題など、学習指導要領で重視される、議論の場において相互の意見の共通点や相違点を把握する力を意識した出題であった。 

https://dn-sundai.benesse.ne.jp/dn/center/sokuhou/mondai_k/mk_eigohikki_1.html

 

……長くなってきたので、本稿はここまで。第4問から第6問は、次の記事に書きます。(→次の記事はこちら。)

 

なお、センター試験を受ける予定がある人は、過去問はもちろん、何らかの対策問題集をやっておくのがよいでしょう。そういった問題集はたくさん出ているので、自分で書店で中を見て、自分に合っていそうなものを選んで、どんどんやっていきましょう。(その前に今やっている教材で基礎固めをしておくことは、もちろん、とても重要です。) 

センター英語〔発音・アクセント・文法〕 満点のコツ (満点のコツシリーズ)

センター英語〔発音・アクセント・文法〕 満点のコツ (満点のコツシリーズ)

 

 

英文法・語法 最終チェック問題集〔必修レベル編〕 (ランダム総点検)

英文法・語法 最終チェック問題集〔必修レベル編〕 (ランダム総点検)

 

  

大学入試センター試験実戦問題集 英語 2019年版―CD2枚つき

大学入試センター試験実戦問題集 英語 2019年版―CD2枚つき

 

    

2019年用 センター試験実戦模試 (1)英語

2019年用 センター試験実戦模試 (1)英語

 

 

 

センター試験過去問研究 英語 (2019年版センター赤本シリーズ)

センター試験過去問研究 英語 (2019年版センター赤本シリーズ)

 

 

*1:正確な時間計測はしていませんでしたが。

当ブログはAmazon.co.jpのアソシエイト・プログラムに参加しています。筆者が参照している参考書・辞書を例示する際、また記事の関連書籍などをご紹介する際、Amazon.co.jpのリンクを利用しています。