Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

stop ~ from -ing, 分詞構文, 形式主語のit, 不定詞の意味上の主語

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今回の実例は2019年1月下旬のロイターの記事から。トピックは(例によって)Brexitである。

uk.reuters.com

 

f:id:nofrills:20190213095139j:plain

2019年1月24日、Reuters

 

上記キャプチャ画像内、一番上のパラグラフを見てみよう。

“Opposing no-deal will not stop no-deal from happening,” he said, adding it would be necessary for the British to find a majority in favour of another solution to a disorderly exit.

ポイントは3つ。《stop ~ from -ing》と、《分詞構文》、《形式主語のit》だ。

 

stop ~ from -ing

Opposing no-deal will not stop no-deal from happening

《stop[prevent, keep] ~ from -ing》は「~が…することを妨げる」という意味。つまり「~に…させない」だ。動詞はstopでもpreventでもいいし、keepが用いられることもある。

 

この構文はセンター試験頻出。今年(2019年)実施の本試験では出ていなかったが、その前は何年か続けて毎年どこかで出題されていた(直接の設問箇所になっていなくても、長文の中に出てきていたりした)。また、国公立二次試験や私立大学入試での下線部和訳や内容要約でも頻出だし、英作文でこの構文が使えると書きやすくなることも多い。

  The storm stopped them from going out.

  (嵐が、彼らが外出するのを妨げた→嵐のため、彼らは外出できなかった)

  To prevent this from happening, you must always wear a helmet on this site.

  (こうしたことが起こらないようにするため、この敷地内では常にヘルメットを着用してください)

  This net keeps you from being bitten by mosquitoes.

  (このネットを使えば、あなたは蚊に刺されるのを避けることができます)

 

実例の "Opposing no-deal will not stop no-deal from happening" は、「ノー・ディール(合意なし)でのEU離脱に反対することは、ノー・ディールでのEU離脱が発生することを妨げはしない」という意味で、つまり、「反対反対と言っていたって、それだけで抑止力にはなりませんよ」ということ。

 

分詞構文

続いて2つ目のポイントである分詞構文。シンプルな例なので、特に解説はいらないだろう。

... he said, adding it would be necessary for the British to find a majority in favour of another solution to a disorderly exit.

文意は「……と彼は述べ、~と付け加えた」。

ちなみにこのheは、ロイターの記事を見れば確認できるが、英国との交渉に当たってきたEU側の担当者、ミシェル・バルニエ氏である。

 

形式主語のit, 不定詞の意味上の主語

3つ目のポイントは、上で見たadd(ing) の目的語になっているthat節(thatは省略されている)の中。

it would be necessary for the British to find a majority in favour of another solution to a disorderly exit.

《it ~ for ... to do -》の形だ。中学英語の範囲内だが、itはto do以下を受ける形式主語で、そのto do不定詞)の意味上の主語が、for ... の形でto doの前に入っている。

  It is important for all of you to be on time.

  (あなたがた全員が、時間どおりに行動することが重要です)

  It was impossible for Alex to ignore the call for help.

  (アレックスには、助けを求める声を無視することはできなかった)

 

実例の文意は、文の骨格部分(下記下線部)を直訳すれば「イギリスの人々が、マジョリティを見つけることが、必要になるだろう」となるが、それ以上の解釈はそこまでの記事を読まないとなかなか難しい。要は、ここでバルニエ氏は「秩序に欠けた離脱(ノー・ディールでの離脱)に対する別の解決策を考え、それを支持する議員たちを多数派にすることは、我々EU側の仕事ではなく、英国側の仕事だ」と語っている。

it would be necessary for the British to find a majority in favour of another solution to a disorderly exit.

《it ~ for ... to do -》のこの形も、大学受験などでは頻出中の頻出。特に読解ではこの形に即座に気付けるかどうか、正しく解釈できるかどうかが重要だし、整序英作文では与えられた日本語からこの形を思いつくかどうかが成否を分けることになる。たくさんの実例に触れて、十分に慣れておくようにしたい。 

 

現在の学年・年齢を問わず、中学での既習事項に不安がある人は、書店で「中学3年分のまとめ」のような薄い問題集を購入し、一度やってみるとよいだろう。高校の難関校受験対策で「実戦」などと銘打たれた設問形式別の問題集もあるが、文法の確認には、そういったものより、文法項目別に並べられているものがおすすめだ。

  

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