今回の実例はTwitterから。ある人の発言に対する別の人の肯定的なリプライで、「あなたがそれを認めるのはよいことだ」という表現に、中学で《to不定詞の意味上の主語》の《例外》として教わるもの(でも覚えてしまえば何でもないもの)が出てきている。
Good of you to admit this
— Richard Thompson #FBPE #facciamorete #FPHD (@RichardPTh) February 28, 2019
Richard ThompsonさんがリプライをつけたChris Aさんは、「自分はEU離脱に投票した。それにはこういう理由があった。しかし離脱を主導した人々は嘘の約束を使って人を引きつけ、離脱の中でも最も過激で極端な形を実現するために、そういう過激な考えを共有していない離脱支持者の票を利用している。つまり、離脱票は過激派に乗っ取られたのだ」ということを3つのツイートに分けて連続で投稿している。Richardさんはその連ツイに対し、「あなたがこれを認めるのはよいことだ」、「これを認めるとは、あなたは立派だ」という肯定的な反応を寄せている。
Richardさんの発言、"Good of you to admit this" は手紙文体というか口語の表現で、しっかりとした英文で書けば、 "It is good of you to admit this." となる。
"to admit this" という不定詞の意味上の主語(誰がadmitするのか、ということ)が、to不定詞の前に置かれているわけだ。
《to不定詞の意味上の主語》はだいたい "for ~" という形で表すものだが、ときどき "of ~" が使われる。それがどういう場合かというと、その前にある形容詞(ここでは good)が「その人の性質などを表す場合」で、中学では下記のような例文で習うはずだ。
It was kind of you to help me.
(あなたは親切にも私を手伝ってくださった)
It was nice of him to say so.
(そう言ってくれたのは彼の優しさだった)
一方、「その人の性質など」とは関係のない形容詞の場合は、 "for ~" が使われる。
It was important for me to try and speak in English.
(英語で話をしてみるということが、私には重要だった)
It is dangerous for small children to swim in this river.
(この川で小さな子供たちが泳ぐのは危険だ)
さて、今回の実例のgoodだが、これはkindなどとは違い、「この単語ならofを使う」とは言い切れない。実例では「あなたの善なる性質」を言っているのでofだが、下記のように単に「~にとってよい(益をなす)」という意味の場合はofではなくforを用いる。
It is good for you to eat a lot of vegetables.
(たくさん野菜を食べることは、あなたにとってよいことです)
※補足
この表現、実際の英語(英会話)ではお礼を言うときに、Thank you. やThanks. などに続けて使うことがよくある。
(It's) sweet of you to say so.
(そう言ってくれるなんて、優しい)
Thanks, it's very kind of you.
(ご親切に、どうもありがとうございます)
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