今回の実例は環境問題についての報道記事から。英語圏ではここ数か月、生物多様性の危機についての記事をよく見るが、これもそのひとつで、生物多様性が失われていくことが人間の食糧問題に直結することを指摘している。
分数表現
英語での分数の表し方は、以前も説明したが、《分子の数 + 分母の数の序数詞》になる。《分母》のほうは、分子が2以上の場合は複数形のsをつける。
a third of fishing areas are being overharvested.
上記は「漁場の3分の1が、獲りすぎの状態である」の意味。一方下記の部分では、「~の4分の3」の表現が用いられている。
Pollinators, which provide essential services to three-quarters of the world’s crops, are under threat.
劣勢比較
通常の比較級はmoreや-erの形を使って「~より多く」などの意味を表すが、同じ形でもmoreの代わりにlessを使うと「~より少なく」という意味を表すことができる。これを《劣勢比較》という。
Blueberries are more expensive than strawberries.
(ブルーベリーは、ストロベリーよりも高価だ)
Strawberries are less expensive than blueberries.
(ストロベリーは、ブルーベリーほど高くない)
今回見る記事では:
Many species that are indirectly involved in food production, such as birds that eat crop pests and mangrove trees that help to purify water, are less abundant than in the past
文意は「鳥が作物の害虫を食べたり、マングローブの木が水の浄化の一助となったりするように、間接的に食糧生産に関わっている多くの種が、以前ほど豊富ではなくなっている」。
劣勢比較は慣れないと訳しづらいが、大学受験での英文和訳ではよく出題される。文意を正確に把握し、自然な日本語で表せるように練習しておきたい項目である。
生物多様性 - 「私」から考える進化・遺伝・生態系 (中公新書)
- 作者: 本川達雄
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2015/02/24
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (8件) を見る