※この記事は、2019年1月にこのブログを開設したころにまとめて投稿したいくつかの記事のひとつである。開設時の記事はほとんど閲覧されていないので、重要事項の実例として改めて見ておいていただきたく、ここにコピーして再掲しておこう。
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今日も、Brexitに関するニュース記事からの実例。「Brexitを推進せよ」と訴える集会の現場からの報告だ。
このような「実況」系の文章では、報道では、過去に起きたことであっても現在形で書くのが通例となっている。現在形によって臨場感が出るわけだ。ちなみに、戯曲(演劇の台本)のト書き*1も現在形で書くのがお約束である。
1つ目のポイントは、《ask + 〈人〉 + to do ~》の構文。なお、Ticeは人名。
Tice asks everybody to wave their flags and placards, and to make ...
ここはさっと確認するだけでよいだろう。「タイスは、みんなに、旗やプラカードを振り、makeするようにと頼む」という意味だが、試験のときの長文読解などではいちいち和訳しているヒマなんかないことがほとんどだろうから、こういう簡単な文で、訳さずに意味だけを正確に把握する練習をしておきたいところだ。
2つ目のポイントは《as ~ as possible》の構文。多くの場合、《~》の部分が1語の副詞だが(例えば I ran as fast as possible. のように)、ここでは《~》の部分が《形容詞+名詞》になっていて、さらにその名詞につける必要のある不定冠詞も入っているために《as + 形容詞 + 不定冠詞 + 名詞 + as possible》という形になっている。
... make as big a noise as possible
意味としては「なるべく大きな音を立てる」(これも、いちいち訳さずに意味だけ正確に取る練習をしたい)。
この構文は、整序英作文に出たときに正確に解答できるようにしておきたい。下記2文を比較してみよう。
I made the noise as loud as possible.
「私は、その物音を、できるだけ大きくした」(SVOCの構文)
I made as loud a noise as possible.
「私は、できるだけ大きな物音を立てた」(SVOの構文)
なお、大学入試に出がちな「日本文が添えられていない整序英作文」では、与えられている選択肢(語句)を見て、全部の選択肢を指示通りに使うには、どちらのパターンで文を組み立てればうまくいくかを考えることになるだろう。
次のポイントは、《let + O + 動詞の原形》の《使役》。
let the world see that we believe in Britain
letは、以前にも説明しているが、「~させる」の意味ではあるものの《強制的に~させる》という意味は表さない。ここでは「私たちが英国を信じているということを、世界に見せよう」、つまり日本語を言い換えると「私たちは英国を信じている、それを世界に示そう」くらいの意味だ。
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*1:状況、情景や俳優の動きを指示する文章。「夕日に染まる海辺に、大きな犬を連れた男が歩いてくる」のようなもの。