Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

前置詞+関係代名詞、現在分詞の後置修飾、助動詞のcan、those who ~(反ワクチン運動の広まり)

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今回の実例、前々回および前回と同じ記事から。記事の内容に関する解説など前置き的なものは前々回のエントリをご参照のほど。

参照する記事はこちら: 

www.theguardian.com

今回は前回読んだ部分の続き: 

f:id:nofrills:20190516080441j:plain

2019年4月27日、the Guardian

Now we have access to a vast world of semi-coherent Facebook threads, YouTube clips and assorted online quackery, in which anxious people seeking reassurance can all too easily stumble across those who don’t have children’s best interests at heart.

文法項目は3つ入っている。

現在分詞の後置修飾

上記引用部分で下線部で示した "seeking" は、《現在分詞の後置修飾》になっている。"anxious people" を "seeking assurance" が後ろから修飾し、「assurance (保証、大丈夫ですよという確証) を求める、不安にさいなまれた人々」の意味。

 

前置詞+関係代名詞

2か所太字で示した部分の最初の1つは、《前置詞+関係代名詞》の構造になっている。この関係代名詞の先行詞は、"a vast world of semi-coherent Facebook threads, YouTube clips and assorted online quackery" である。

つまり「一貫性が中途半端なフェイスブックのスレッドや、YouTubeの映像クリップ、そのほかもろもろ詰め合わせ状態のネット上のトンデモ情報から成る (of) 広大な世界」が先行詞で、その「広大な世界」の中で、上述した「保証を求める、不安にさいなまれた人々」が、"can all too easily stumble across" する、と述べているわけだ。

助動詞のcan

この "can all too easily stumble across" の can は「~できる」(つまり「~する能力がある」)ではなく、「~しうる」(「~する可能性がある」)。

  The false rumour can lead to a tragedy.

  (その誤った噂は、悲劇につながりうる)

 

"all too easily" の all は too を強める語で、訳出しろと言われても困ってしまうのだが、「あまりにも簡単に」という意味になる。

文意はつまり、上述したように「広大な世界の中で、保証を求め、不安にさいなまれている人々が、あまりに簡単に、~と出くわしてしまう可能性がある」。

 

those who ~

those who don’t have children’s best interests at heart.

《those who ~》は、以前にも説明したが、「~する人々」の意味。前回の説明から再掲しておくと: 

伝統的に、文法書などでよくみられる例文に、"Heaven helps those who help themselves." というものがある。「天は自らを助くるものを助く」という文語調の対訳が紹介されていると思うが、この英語の文は古めかしい格言なので、わかりづらくてもこの対訳は適訳ということになる。かみ砕いて言えば「自助努力」の重要性を言う格言で、「自分で自分のことを何とかしようとする人には、神様のご加護がある」ということ(逆に言えば、「自分で何もしない人は天も味方してくれない」ということになる)。

to不定詞の副詞的用法, 関係代名詞のwhat, try to do ~, those who ~(北アイルランド和平合意から21年) - Hoarding Examples (英語例文等集積所)

 

ここでは、"those who don’t have children’s best interests at heart" は、「子供たちの最善の利益を念頭に置いているわけではない人々」。

子供の健康に関して、不安にさいなまれてどうすれば安心なのか、確証を得たいと思っている親たちが、ママ友の噂話やYouTube動画やネット上の記述などにさらされているうちに、子供たちのことなど実はあんまり考えていないような連中に遭遇する可能性はある、ということだ。

 

実際、「子供を守れ」と言いながら、真の目的は子供を守ることではなく、自分の開発したサプリをたくさん売ることだった、そのサプリが子供を守ることにつながるかどうか、特に根拠らしい根拠はない、といったケースは、世界各地でありふれた「よくある話」でしかない。単に毒にも薬にもならないサプリを買わされるだけならまだよいが、それを売るために「みなさんが常識だと思っていることは実は間違っている」「それが間違っているという事実が隠蔽されているのは、大企業の陰謀だ」などというホラを吹く輩がかなり多い。それが、例えば自分一人の美顔術などならまだ被害は軽くて済むかもしれないが、家族がいる場合は深刻な影響が出かねない。トンデモにひっかかりたくなければ、騙されないようにしておく必要がある。

 

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