Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

接続詞のas, 動詞のend, 同格とコンマ, 仮定法過去, 時制の一致の例外(ウェールズで初の独立要求デモ)

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今回の実例も、前回と同じ、ウェールズで初めて行われた独立要求デモについての報道記事から。

 

背景的な話は前回のを見ていただくとして、記事はこちら: 

www.theguardian.com

 

f:id:nofrills:20190521044226j:plain

2019年5月11日、the Guardian

前回はキャプチャ画像の上の方のパラグラフを見たが、今回は下の方。

As the march ended with a rendition of the Welsh national anthem, Hen Wlad Fy Nhadau, Adam Price, leader of nationalist party Plaid Cymru, said that Welsh problems could be more easily solved if decisions were taken within the nation.

まず、冒頭の "As" は接続詞で、ややふわっとした感じで《時》を表す用法である。ここでasではなく例えばwhenが用いられていたら「歌が終わったそのときに、スピーチが始まった」と、何かかちっとした感じになるが、asを使うことでもう少しゆるやかな流れが感じられる。日本語にするなら「歌が終わり、スピーチが始まった」というような雰囲気になるだろう。

このasの節内の動詞はendで、これは自動詞で「終了する」の意味。「~を以て終了する」というときには、end with ~と、前置詞はwithを用いる。Googleで "the show ended with" でフレーズ検索すれば、「スタンディング・オベーションで終わった」、「全員がステージに出てきて終了した」などの具体的な例文がたくさん見つかるので、チェックしてみてほしい(こういう検索技術についても、そのうち書ければと思う。案外一筋縄ではいかない場合がけっこうあるので。今回のこの例では単にフレーズ検索するだけで正確な結果が得られるが)。

 

続く箇所では、コンマでつないだ《同格》の表現が2つ連続で出てきている。「コンマでつないだ《同格》」とは、"the two-time Wimbledon champion in the 1980s, Boris Becker" (「1980年代に2度ウィンブルドン覇者となったボリス・ベッカー」) とか、"Huawei, the controversial Chinese tech giant" (「議論を呼んでいる中国のテック企業調大手、ファーウェイ」)  といったもの。

今回の実例の中では、「ウェールズの国歌であるHen Wlad Fy Nhadau (the Welsh national anthem, Hen Wlad Fy Nhadau)」と、「ナショナリストの政党プライド・カムリの党首であるアダム・プライス (Adam Price, leader of nationalist party Plaid Cymru)」が連続しているので、やたらとコンマでぶつ切りになっているように見えていて読みづらかったかもしれない。Adam Priceの前のコンマはAsの節と主節の区切り目のコンマである。

 

さて、その節の区切り目のあとの部分: 

Adam Price, leader of nationalist party Plaid Cymru, said that Welsh problems could be more easily solved if decisions were taken within the nation.

ここの部分は《主節+that節》という構造になっているが、主節の部分(上で文字をグレーにした部分)は上で述べた《同格》にさえ注意すれば何も問題ない。

 

一方、従属節の部分(that節の中)は、《仮定法過去》である。

Welsh problems could be more easily solved if decisions were taken within the nation.

これ自体は何の問題もないような、すっきりしたお手本通りの仮定法過去の文なので、特に解説は不要だろう。「その国(ウェールズ)の内部で決定が下されれば、ウェールズの問題はより簡単に解決され得るだろう」という意味だ。

 

さて、ここではこのthat節は、Adam Price said that ... という文の中では従属節である。そして従属節のthat節では通例《時制の一致》が起きる。主節の動詞の時制に合わせて、that節内の動詞の時制をずらすことが必須で、具体的には次のようになるわけだ。

  "The work can be done in an hour", said the man. 

  → The man said the work could be done in an hour. 

  (その作業は1時間で終わらせられるだろうとその人は言った)

 

しかしこの《時制の一致》には《例外》がある……という言い方を参考書などではするのだが、これがわかりづらいようで、「《時制の一致》をしないことがある」とか「《時制の一致》の適用外になる場合がある」と言ったほうが通りがよさそうだ。

ともあれ、その《時制の一致の例外》のひとつが、《仮定法》である。that節の中が仮定法の場合は、《時制の一致》は起きない。つまり主節の時制に合わせてthat節内の時制を変える必要がない(というか、変えない)。

  "The work could be done in an hour if we had the tool box," said the man. 

  → The man said the work could be done in an hour if they had the tool box.

  (道具箱を持っていたら、作業は1時間もあれば終わるだろうに、とその人は言った)

 

 

なお、ウェールズの独立というトピックに関してだが、ウェールズにおいてそれを主張する人々は常にいたが、政治的には、また政治勢力としては、前回見たように決して多数派ではなかった。

さらに、2016年6月の「英国のEUメンバーシップの可否を問うレファレンダム」では、ウェールズは52.53%対47.47%で「離脱」を支持している。正式な集計結果は「UK全体」で出され、イングランドウェールズスコットランド北アイルランドの4ネイションでの集計結果はUK全体の方針と一致しない場合があって、全体が「離脱」なのに個別には「残留」という結果になったスコットランド北アイルランドでは「私たちはEU離脱を望んでいない」という声がかなり大きいのだが、ウェールズはそうではない。私は「ウェールズなんかEU補助金がなくなったら干上がってしまうのに何を考えてるんだ」と思いながら開票を見ていたが、その前の2016年5月の自治議会選挙で「エリートへの怒り」云々が燃え上がって結果がかなりややこしいことになっていたことも思い出して(プライド・カムリが、過半数に1議席を欠く結果となった労働党ではなくUKIPと組むと言い出して、Twitterでは「エリート」の労働党に対するすさまじい攻撃が行われていた)、非常に微妙な心持になっていた。ポピュリズムとはこういうものなのだろう。

 

 

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