今回の実例は、前回見たのと同じ記事から。
記事で報じられていることの背景などについては、前回のエントリの長々しい前置きを参照。今回はサクサクと本題だけ。
記事はこちら:
……と本題に入る前に、さっきたまたま知ったおすすめの電子書籍のセールについて。セール期間はhontoでは今日(9月19日)までで、KoboやKindleでも同じだと思う。
https://t.co/6a3e2B3Otm 早稲田大のバーダマン教授が「日本人は学校で何年も英語を勉強しているのに使えない」だとか「日本人は英語を話す・聞くのは苦手だが書く・読むのは得意」だとかいったおかしな俗説にツッコミを入れ「英語ペラペラ」幻想をぶっ壊している本、今日23:59までhontoで半額で257円
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) September 19, 2019
https://t.co/6a3e2B3Otm 書籍タイトルは「日本人が学校で習う〇〇という表現は死語」みたいなデタラメで人を脅すインチキ本みたいだけど、中身は全然まっとうです(売らんがためのタイトルとはいえ、これは「こうじゃない」感が非常に強くて……)。2
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) September 19, 2019
https://t.co/6a3e2B3Otm 昨今の「大学入試改革」がらみで、英語試験に関するニュースなどを見て、不安になっている将来の受験生の親御さんも多いかと思います。そういう不安をターゲットにした金儲けのためのデタラメにひっかからないためにも、一度読んでおくとよいのではないかという本です。3
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) September 19, 2019
追記: honto以外の電子書籍販売店でも同じく半額(257円かそれ以下)でした。
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) September 19, 2019
楽天KOBO: https://t.co/Kl2OOgTRd8
Amazon Kindle: https://t.co/IkLZsVNZHU (半額よりさらに2円安い)
ご購入の際はお使いの電子書籍リーダー/アプリに応じてどうぞ。
では、以下、本題……。
キャプチャ画像の2番目のパラグラフ:
“The current immigration system is so bad for science that unless we get some real clarity and improvement, talented people will drift away.”
太字にした部分はおなじみの《so ~ that ...》構文。「たいへんに~なので、…だ」の意味である。
ここでは《~》の部分が "bad for science" で「科学にとって(のために)悪い」の意味。なお、scienceは「自然科学」だけでなく「社会科学」や「人文科学」も含む概念で、何かというと「理系か文系か」で二分してから話を始めることが常態化していて、「科学」というと「自然科学」ばかりが大手を振って我が物顔をしている日本では、「科学」というより「学問」としたほうが正確に伝わるかもしれない。
さて、このthat節の中だが、ここは《従属節+主節》の構造になっていて、その従属節は《unless》という接続詞によって導かれている。この節はコンマで区切られているところまで、つまり "unless we get some real clarity and improvement" で1つの節だ。
unlessは、意味としてはif notということで、「~でなければ」。と丸暗記しているだけでは全然使えないので、具体的な例文を覚え、それを応用して自分で英作文をして(&その作業を何度も繰り返して)、完全に使えるようにしておこう。
If it doesn't rain by mid-July, reservoirs may run dry. *1
= Unless it rains by mid-July, reservoirs may run dry. ※3単現のsに注意
(7月半ばまでに雨が降らなければ、貯水池は干上がってしまうかもしれない)
If we don't lose the next match, we'll stay top of the league.
= Unless we lose the next match, we'll stay top of the league.
(次の試合は、負けなければリーグ首位はキープできるからね)
というわけで、今回見た部分の文意は、直訳すれば、「現在のイミグレ制度は科学(学問)にとって大変に悪いものなので、頑として明確化し改善しない限りは、才能ある人々はよそに流れていってしまうだろう」となる。
so ~ that ...構文は非常に基本的な構文のひとつで、定期試験はもちろん実力試験などでも何度も出題されているから「わかっている」と思っている人が大半だろうが、実際に大学入試の長文で文中に出てきたときにそうだと気づかない(気づけない)ということもけっこうある。文法問題として出題されたときは間違えずに得点できるのに、長文で出てくると言われるまで気づかない、という場合は、so ~ that ...構文についての知識の定着が足りていない(うすらぼんやり知ってるくらいでしかない)か、英語の長文を読む絶対量が足りていないかのどちらかだろう。いずれのケースでも、量をこなすこと、正確に読むことでしか対策はできない。長文読解のよい問題集を入手して、1冊最後までやり通そう。
大学入試問題集 関正生の英語長文ポラリス(1 標準レベル) (.)
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