Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

【事務的なご連絡】参考書のリンクについて、またご紹介する参考書について(「4技能」云々)

↑↑↑ここ↑↑↑に表示されているハッシュタグ状の項目(カテゴリー名)をクリック/タップすると、その文法項目についての過去記事が一覧できます。

【おことわり】当ブログはAmazon.co.jpのアソシエイト・プログラムに参加しています。筆者が参照している参考書・辞書を例示する際、また記事の関連書籍などをご紹介する際、Amazon.co.jpのリンクを利用しています。

いつも当ブログをご購読・ご閲覧いただき、ありがとうございます。

私個人がずっと前からはてなIDを持っているので、英語の実例を集積するという趣旨のこのブログは「はてなブログ」を利用して運営していますが、この10月1日に「はてなブログ」の利用ガイドラインが下記のように改められました。

staff.hatenablog.com

これに伴い、10月1日以降、各エントリ内におけるAmazon.co.jpへのリンクを停止していましたが、やはり各エントリで参考書・辞書を具体的に示せないのはやりづらいし、お読みになる方の立場からもわかりづらいと思われるので、10月の最初の週末を迎える前に、当該ガイドラインに沿うよう、《当ブログのaboutのページ》を改訂しました。

これにより、以降、各エントリ内での参考書・辞書などのリンクが復活します。

短期間でしたが、リンクがないことで不自由をおかけしていたことについてお詫び申し上げます。

英語学習を取り巻く環境はしっちゃかめっちゃかですが、日本の文科省界隈で「4技能」だ何だと大騒ぎになろうとも、実用目的で英語を身につけたいと考える学習者が知識として必要とする英文法は基本的に変わりません。その時々で流行りの編集方針があったり、例文が時代とともに古びてしまったりといったことはありますが、定評のある文法書を1冊、いつでも参照できるようにしておくとよいでしょう。値段もそんなにしません。当ブログがよく参照している「ロイヤル」や「江川」は2000円程度です。 

徹底例解ロイヤル英文法 改訂新版

徹底例解ロイヤル英文法 改訂新版

 
英文法解説

英文法解説

 

 

知りたいことをさくっと調べるには、昔学校で使っていたことがあって使い慣れた文法書がよいという方もいらっしゃるかと思いますが、最近の「4技能」ブームにより、何年か前までは誰でも使っていたような高校生向けの文法書(「Forest」など)は、現在では古書でしか手に入らなくなっています。Amazon.co.jpではマーケットプレイスでよく出品されていますが、古書店をチェックしたほうが安く入手できると思います。ブックオフでもわりとよく目にします。 

総合英語Forest 7th Edition

総合英語Forest 7th Edition

 

 

この系統の文法書で新品で(誰かの書き込みなどがない形で)入手可能なものには、「Evergreen」、「Atlas」があります。個人的には「Atlas」がよいと思います(これは手元にあるので、当ブログでもときどき参照しています)。 

総合英語Evergreen

総合英語Evergreen

 
アトラス総合英語 英語のしくみと表現―ATLAS English Grammar and Expressions

アトラス総合英語 英語のしくみと表現―ATLAS English Grammar and Expressions

 

 

ちなみに「4技能」は、ここ10年くらいに突然言われ出したものであるかのような印象操作があるようですが、1980年代、私個人が受験生だったころには既に当たり前のコンセプトでした。ただ「4技能」なる言葉は使っておらず、「読む・書く・聞く・話す」と言っていて、受験生という身分を終えて進んだ先の大学では「購読・ライティング・オーラル・スピーキング」の4分野でそれぞれ授業がありました。「購読」は小説を読む授業(ただ読むのではなく専門的に読むのですが)、「ライティング」は英語で文章を書く練習(パラグラフ・ライティング)、「オーラル」はビデオ教材を使ったリスニングと、その教材の内容を理解しているかどうかを確認する一問一答の口頭試験という形の授業で音声学の基礎も教わりました。「スピーキング」は文字通りスピーキングで、「会話」もあれば「スピーチ」もあるという形の授業でした。TOEFLTOEICのような「ペーパーテスト」的な英語の勉強は、大学ではしませんでした(自分ではやったけど)。このほかにも「英語で学ぶ」という科目もありました(例えば「経済思想史を英語で」なら、アダム・スミスとかケインズとかマルクスとかの著書の抜粋と解説を英語で読んで、英語で理解して……という学習)。

「英語をしっかりやる」系の大学では、基本的にどこでもこういう内容だったと思いますが、「受験が終わったら英語なんか使わない」的な大学(日本の大学の大半)ではそうではなかったようです。

そして昨今の「4技能」ブームは、かつて「英語をしっかりやる」系の大学でやってたようなことを、すべての高校・大学に求めていこうという方針が取られた結果のことです。

しかし、日本の中学・高校で英語のために割り当てられている時間で「4技能」全部満遍なくやれるはずもなく、いろいろと、ぐだぐだです。その点は、バーダマン教授(早稲田大学)が下記の書籍でご指摘の通りです(この本は、書籍タイトルは偉そうに聞こえますが、内容は全然偉そうではなく、とても具体的で親身なアドバイスの本です。特に「英語をやり直したい」と考えている人をやる気にさせてくれる本です)。 

 「4技能」すべての底を支えるのが語彙と文法なのですが、ここ20年くらいは「文法なんかやってる暇があるなら会話をしろ」みたいなおかしなことが言われています。

そういうおかしな言説が想定している「文法」は、英文法そのものではなく、そういうことを言ってる人が知ってる「文法」のこと、つまり「ペーパーテストの文法の問題」(穴埋めとか語形変化とか)のことなのでしょう。そうとしか考えられないというか、そうだと考えれば、ああいう言説も一応つじつまが合ってるように聞こえますから。

しかし「文法」は「穴埋め問題や語形変化問題」ではありません。自分以外の誰かに何かを伝えるために、単語を並べて一つのにするときの則が「文法」です。I tennis play. ではなく、I play tennis. という順番で単語を並べないと、「文」にならないよ、というのが「文法」です。Tom likes the cat. と The cat likes Tom. とでは意味が違うが、Tom the cat likes. や Likes the cat Tom. では文にならない、というのが「文法」です。

今のようにノイズが多いときは、そういった基本中の基本というか大前提を改めて確認しておくことが必要なように思われます。

(なお、「文法なんか知らなくっても英語はできる」という非英語母語話者は確かにいると思います。でもそれは特殊な才能です。特にダンスなんかやったこともないのに、DA PUMPのビデオを見たら次の瞬間にはその通りに踊れちゃう、みたいな才能です。)

当ブログは現に私が毎日読んでいるような一般的な英語の報道記事の中に、私が高校生のときに習った英文法がどういうふうに出てきているかを毎日書いていく、という趣旨で運営しています。文法がいかに基本的な要素であるかを少しでもお伝えすることができればいいなと思います。

というわけで、今後とも当ブログをよろしくお願いします。

 

2019年10月7日

 

※今日はいつもの英文法の実例の記事はお休みとします。

※当ブログもエントリ数が増えてきたので、現在、過去記事にタグ付けの作業を進めるなどしています。作業が終わったら多少検索性が高まるかと思います。

 

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