Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

the + 比較級 ~, the + 比較級 …と劣勢比較の合わせ技、「時間がかかる」の表現、to不定詞の形容詞的用法(いつまで続く、Brexit騒動)【再掲】

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このエントリは、今年4月にアップしたものの再掲である。「定番」といえる構文が次々と出てくる記事を取り上げているので、「これ、学校で習った!」と実感しながら読み進めてもらえるのではないかと思う。(学校で習った構文が、学校の教科書や教材以外の場所で出てくるのに遭遇すると、何となくうれしくなったりするものだ。)

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今回の実例は、そろそろ「300年が経過してもまだやってるんじゃないか」と思われるようになってきたBrexitについてのニュースから、文法項目はつい2日前に見たのと同じ比較級の構文と、さらにその数日前に見た劣勢比較の合わせ技。

この合わせ技を使いこなせるようにしておくと、英作文のときも自由度がぐんと高まる。

というのは、ジョージ・オーウェル1984年』の「ニュースピーク」ではないが、ある形容詞・副詞の対義語を知らなくても否定語をつければ反対の意味を表せる(例えば「ハーゲンダッツのアイスクリームを2割引の日に買わなかったというささいなことが彼を激怒させた」の「ささいな」を知らなくても、「重要でない」と言えば、言いたいことは伝わる)わけで、劣勢比較のlessを使えば、適切な単語を知らない場合でも「~すればするほどますます…でなくなる」と表現することができるからだ。実際、大学入試の自由英作文で「住民が増えれば増えるほど、ひとりひとりの一票の重要性が減る」といったことを表現する必要が出てくることは多くあり、そのときに今回見るような表現を自分で使えるようにしておくことは非常に大きな助けになるだろう。

 

記事はこちら。記事の見出しは普通の《the + 比較級 ~, the + 比較級 …》だが、リード文(見出しの下にある部分)に劣勢比較との合わせ技が出てきている: 

uk.reuters.com

 

f:id:nofrills:20190410114537j:plain

2019年4月7日、Reuters

 

the longer it takes to find a compromise with the opposition Labour Party to secure a parliamentary majority for a Brexit deal, the less likely it is that Britain will leave the European Union.

この 《the + 比較級 ~, the + 比較級 …》の前半は、longの比較級が入った形で、the longer ~となっている。

また、下線を補った "it takes to find ..." の部分は、《it takes  ~ to do ...》の「…するには~(という時間)がかかる」の構文である。"~" の部分が、この場合はlongerで、《the + 比較級 ~, the + 比較級 …》の構文を使わない形に戻すと、"it takes longer to find ..." となる。

つまり、前半部分は、ざっくりと「野党労働党との妥協策を見つけるのに時間が長くかかればかかるほど」の意味。

そして、"to secure a parliamentary majority for a Brexit deal" の部分は、(少し離れているが)先行のa compromiseを修飾する《to不定詞の形容詞的用法》である。下図のような構造になっていることを一度読んだだけで把握できるようにしよう。

  a compromise 

    ├─ with the opposition Labour Party

    └─ to secure a parliamentary majority for a Brexit deal

 

続いて文の後半部。ここで《劣勢比較》が出てきている。

the less likely it is that Britain will leave the European Union.

これを《the + 比較級 ~, the + 比較級 …》の構文を使わない形に戻すと、it is less likely that Britain will leave the European Union となる。

意味は「英国が欧州連合を離脱する可能性はますます小さくなる」 。

 

……というわけで、「あー、こりゃ300年経ってもやってるな」という感想を多くの人が抱いたことは想像に難くないニュースで、それなりに強烈なインパクトを持っているので、この機会にこのインパクトとともにがっつりと覚えてしまってもらいたい。

300年経っても忘れないレベルでがっつりと。

 

なお、早川書房から邦訳(新訳)が出ているオーウェルの『1984年』は、電子書籍で手軽に読めるようになっているが、電子書籍は巻末のトマス・ピンチョンによる優れた解説がカットされているので、紙で買ったほうがよいかもしれない。

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

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トマス・ピンチョン (現代作家ガイド)

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英文法解説

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徹底例解ロイヤル英文法 改訂新版

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