新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
このエントリは、2019年5月にアップしたものの再掲です。お正月でリラックスした頭にも溶け込みやすい題材です。英語は筋トレや楽器の練習と同じで、1日休んでしまうと感覚が鈍ってしまいます。受験生だって元日くらい休んでもいいと私は思いますが、休むなら、こういうユルい素材でもいいから、英語と接する時間を少しでも持つようにしてください。
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今回は、連休中なので省力モード。「インターネット・ミーム」に出てくる英文法を見てみよう。
「インターネット・ミーム」、または単に「ミーム meme」とは、「ネット上で人から人へと伝わって流行するおもしろネタ」のことで、特に画像のことを言う。日本語での解説はこちらがわかりやすいが、要するに「ネタ画像」だ。
その「ミーム」の画像は、ネット掲示板などで誰かがばかげたことを発言したときに、言葉を使わずに画像だけを貼り付ける、というような形で用いられることが多い。LINEのスタンプみたいなものとイメージするとわかりやすいかもしれないが、ミームの場合はコミュニケーションというより揶揄、煽りが目的の場合もあったりする。
その「ミーム」、ネット上では流行り廃りも激しいし、文化圏(クラスタ)が違えば通じないこともあり、英語圏には解説サイトもある。その代表的なものが、Know Your Memeだ。
さて、今回の実例はこのサイトでも解説されている下記のミームから。
If the earth was flat, cats would have pushed everything off it by now.
見ればわかるくらいはっきりした《仮定法》の文である。
If節は、たいへんスッキリした《仮定法過去》で、「もしも地球が平らならば」。
主節は《助動詞 + have + 過去分詞》の形なので《仮定法過去完了》(仮定法でなければ過去形で書かれている部分がこの形になる)のようにも見えるが、ここは、末尾のby nowからわかる通り、仮定法でなければ現在完了形。「今ごろは猫たちが、すべてのものを端っこから落としてしまっていることだろう」。
(笑)
資料映像でご確認いただきたい。
もちろん、実際には地球は平らではないが、世間は広いので、この現代社会で大真面目に「地球は平らである」と信じている人々がいて(そういった人々のことをflat-earthersと呼ぶ)、このミーム画像は、そういった人々の主張をおちょくるときに用いられるものだ。
あるいは猫を讃えるときに……。
追記:
このエントリを書き上げて下書きで保存したあとに、BBCで次のような映像が出ていた。ここでは言及せずにいた「ミーム」とはそもそも何のことか(ネットではその概念が転用されている)というところから解説する、なかなかに刺激的な内容だ。連休中にどうぞ。
How memes spread (and why we can't stop them) https://t.co/4qhPrrQgWB 英語ブログでネットミームを題材にエントリ下書きして保存したら(水曜日公開分)、BBCにこんなのが上がっていた。これも題材にしよう。
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) April 29, 2019
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