今回の実例は、報道記事から。
記事についての説明のための前置きは、書いているとその間にブチきれそうになるので省略。記事はこちら:
Japan sets aside $22 million to buff government’s global image amid pandemic struggles https://t.co/htJpvWf9Fz
— The Washington Post (@washingtonpost) 2020年4月15日
この記事については、下記のように連投した通り:
https://t.co/acAF5vZ5h8 このWaPo記事、ぱねぇ。今の安倍政権のめちゃくちゃさに怒ってる高校生や大学生はじめ英語を勉強中の人々は、この記事で英語を読むスピードを体得できると思う。記事が言ってることがわかるだろうから。びゅんびゅん読めるよ。英文多読素材に好適。
— n o f r i l l s /共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) April 16, 2020
ただ、安倍晋三という人がいかに「海外」(英語圏)でよいイメージを振りまいていたかを知らないと、内容が少々わかりづらいところ(というか「どういうこと?」と思うところ)があるかもしれない。
— n o f r i l l s /共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) April 16, 2020
あと、日本語記事では「外務省は」とか「広報は」で済まされるところで、英語記事ではしっかり名前が出てくる(Foreign Ministry spokesman Masato Otaka)という習慣についても知ってもらいたい。これが「アカウンタビリティ」ですよ。
— n o f r i l l s /共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) April 16, 2020
というわけでぜひ全文読んでもらいたいのだが、実例としてはそのほんの一部だけを見る。
But it is Abe’s more recent handling of the coronavirus outbreak within Japan that has really damaged his reputation at home.
《It is ~ that ...》の強調構文である。
It was his second novel that became a national sensation.
(全国的に話題沸騰となったのは、彼の2作目の小説だった)
実例として見ている部分の意味は「しかし、安倍の自国内での評判を本当の意味で害したのは、より最近発生した、日本国内での新型コロナウイルス感染拡大の扱いだった」。
"more recent" はこの記事で先行する部分で述べているダイヤモンド・プリンセス号における感染の蔓延だ。米国など日本国外では、日本とCOVID-19といえばダイヤモンド・プリンセス号という時期が長く続き、それが熱心に報道されていたため、今のこの状況を伝える記事でも、導入部のような扱いで、ダイヤモンド・プリンセス号のことが言及されている。そしてそこでは「外国船籍なのに日本が面倒を見てくれた」的な文脈はほとんど出てこない(当たり前だ。それが国際標準的ルールなのだから)。
WaPoのこの記事は、アメリカ人向けに書かれており、「アメリカ人にとっては日本といえばダイヤモンド・プリンセス号での感染拡大かもしれないが、それ以上に安倍政権にダメージを与えたのは……」という説明的な記述になっているわけだ。
事態を客観視するためにはとてもよい記事なので、ご一読いただきたいと心から思う。
だいたいこの記事についてるこの写真(やけにちっちゃいマスクを着けた首相)だけでも十分に異様なんだけどね。
参考書: