Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

so that ~の構文, so as to do ~の構文, avoid -ing, to不定詞の否定形, など(暑さと医療従事者と地球温暖化)

↑↑↑ここ↑↑↑に表示されているハッシュタグ状の項目(カテゴリー名)をクリック/タップすると、その文法項目についての過去記事が一覧できます。

今回の実例は報道記事から。

東京は、先週までは梅雨寒の状態で、いったん片づけた春物のカーディガンを引っ張り出してきたりしていたのだが、週末から一気に10度くらい気温が上がり、梅雨時の湿度の高さと相まって、非常にしんどくなってきた。今日、7月22日は大暑だそうで、これから立秋までの2週間ほどは1年で最も暑い時期となる。(しかし、何もなければ今週後半から東京ではオリンピックが始まっていたのだが、いったいなぜこんな時期に、東京でオリンピックをやろうと言い出したのか……。)

こういう蒸し暑い気候の中で、外出時にマスクを着けていると、やばいくらいに苦しい。うちら一般人が飛沫を飛ばさないために着用するような簡易的なマスクでさえこうなのだから、医療現場で医師・看護師・技師といった人々が着用している、全身を覆うフル装備のPPE (personal protective equipment) はどれほど苦しいことか。

……ということと、ますます過酷になる夏(地球温暖化)の関連についての記事が、今回見る記事である。

記事はこちら: 

www.bbc.com

夏は「人間には気温が高すぎる」ということになるかもしれない、という見出しのこの記事は、1年を通じて最高気温が30度くらい、最低気温が25度くらいという気候のシンガポール新型コロナウイルスに対応する医療現場の取材を通じて、高温が人体に与える悪影響(熱ストレス)と、地球規模で進行している気温の上昇を考察している。トピックとしては壮大だが、英語はさほど難しくないし、話を追うことの練習になるので、大学受験生の多読教材によいのではないかと思う。

実例として見るのは、記事の最後の方。いろいろ解説したあとに、シンガポールの医療現場のことに話が戻っている箇所から。

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2020年7月16日, BBC News

"some people do not want to drink so they can avoid having to go to the toilet," he says.

これは、「~する〔できる〕ように」という意味を表す《so that ~》の構文で、接続詞のthatが省略された形。それを補うと次のようになる。

"some people do not want to drink so that they can avoid having to go to the toilet," he says.

この《so that ~》 の構文では、ここで下線で示したように、that節内で "can" が用いられることが多い。

  The committee wants to ... add a secure voting system so that more normal business can be conducted *1

  (委員会は、より通常時に近いやり方ができるように、安全な投票システムを加えたいと考えている)

 

青字で示した《avoid -ing》は、目的語にto不定詞を取らず動名詞を取る動詞(いわゆるMEGAFES、またはMEGAFEPS)のひとつ。「~することを避ける」で、ここでは「~すること」の部分が "have to go to the toilet" (「トイレに行かなければならないこと」)なので、haveを動名詞にしてhavingとしている。

文意は、「『トイレに行かねばならなくなることを避けられるよう、飲み物は控えたいという人々もいます』と彼は言う」ということになる。

 

その次の文: 

And there's a professional desire to keep working whatever the difficulties so as not to let colleagues and patients down at a time of crisis.

この文の目玉は《so as to do ~》 の構文だ。これは《目的》を表す構文で、「~するために」の意味。さらにこの例では、《to do ~》の部分が《to不定詞の否定形》で、《so as not to do ~》の形になっている。意味は「~しないために」だ。

その後ろ、青字で示した《let ~ down》はイディオムで、「~をがっかりさせる」の意味。"so as not to ..." の部分は「危機の時にあって、同僚と患者をがっかりさせないように」という意味になる。

その前の部分も文法項目てんこ盛りだ。

there's a professional desire to keep working whatever the difficulties 

文頭から見ていこう。まず下線で示した "to keep" は《to不定詞の形容詞的用法》で、"a professional desire" を修飾している。

 太字で示した "keep working" は《keep -ing》の形で「~し続ける」の意味。これは "keep on working" と表すこともある。意味はonがあろうとなかろうとほぼ同じだが、手元にある『ジーニアス英和辞典第5版』によると「keep on の方が行為・出来事の継続・反復を強調すrため、より強い感情を表す」(p. 1164)。 

ジーニアス英和辞典 第5版

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 そして青字で示した "whatever" は、いわゆる《複合関係代名詞》。"whatever the difficulties" のあとに "are" が省略されていると考えられ、「どのような困難があろうとも」といった意味になる。