Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

neither A nor B, neither of ~, the former ~とthe latter ...の対比(ドナルド・トランプの「グリーンランドを購入したい」発言)【再掲】

↑↑↑ここ↑↑↑に表示されているハッシュタグ状の項目(カテゴリー名)をクリック/タップすると、その文法項目についての過去記事が一覧できます。

昨日(8月20日)はお休みしちゃってすみません。今日もまた準備ができていないので、明日(22日)に予定していた再掲分を今日(21日)掲載し、今日(というか昨日)の分は明日、土曜日ですが、新規で掲載することにします。

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このエントリは、2019年8月にアップしたものの再掲である。重要構文目白押しの実例を扱っている。

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今回の実例は、8月第4週の全世界の国際ニュース面に「?」を漂わせた件の関連記事から。

8月第4週全体で見ると、後半に各メディアでトップニュースになっていたアマゾンの熱帯雨林の火災が国際的にも最も注目されていたかもしれないが: 

その前に最も大きく取り上げられていたのは、ドナルド・トランプの奇矯な発言だった。週末に始まったこの発言に関する騒動は、週半ばまでおおいに盛り上がっていた(たとえ否定的に取り上げるにせよ、メディアがその発言にいちいち注目してヘッドラインを仕立て上げ、「報道」やら「賛否両論」やらが盛り上がれば盛り上がるほど、トランプ側は喜ぶのだが、メディアもページビューが欲しいから、そういうのでいちいち騒ぐ)。

Donald Trump has confirmed he is considering an attempt to buy Greenland for strategic reasons, though he said the idea is “not No1 on the burner”.

The US president’s interest, reported earlier this week, was greeted internationally with widespread hilarity but with indignation in Greenland and Denmark.

The government of the semi-autonomous Danish territory insisted it was not for sale. The Danish prime minister called any discussion of a sale “absurd”.

 

https://www.theguardian.com/world/2019/aug/18/trump-considering-buying-greenland

この発言には、当然、現地グリーンランドから「NO」の大合唱が起きた。今回実例として見るのはそういった記事のひとつ: 

www.theguardian.com

 

f:id:nofrills:20190826020553j:plain

2019年8月19日、the Guardian

見出し: 

We are neither for sale nor can be bought

この《neither A nor B》は「AもBも、どちらも~ない」という意味を表す表現。

  I spoke with neither Tom nor Ed.

  (トムにもエドにも、私は話をしていない)

  Neither Tom nor Ed knows that I would quit the company. 

  (トムもエドも、私が会社を辞めるつもりだとは知らない)

neither A nor Bは、both A and B 「AもBも、どちらも~だ」の正反対だと思っておけばよい。

  I will tell both Tom and Ed about it tomorrow. 

  (明日、トムとエドの両方にそのことを話そうと思う)

  Both Tom and Ed will be present at the meeting. 

  (会議にはトムもエドも2人とも出席予定だ)

ついでにもう1つ確認しておきたいのが、「AかBかのどちらか」の表現、either A or Bだ。

  I will tell either Tom or Ed about it tomorrow. 

  (その件については、明日、トムかエドのどちらかに話をしておこう) 

   Either Tom or Ed will be present at the meeting. 

  (トムかエドのどちらか一方が会議に出席予定だ)

今回の記事の見出し、"We are neither for sale nor can be bought" は、「私たちは売りに出されてもいないし、(だれかに)買われるなどということもありえない」 の意味。ドナルド・トランプが「買いたい」と発言したことに対する、しごくまっとうなリアクションである。

 

この記事は、グリーンランドの人たち(何人かの在外グリーンランド人を含む)に今回の件で意見を聞いて英語でまとめたものだが、最初のヌーク(都市名)のJさんの発言の中にもう1つ、neitherを使った表現が出てきているので、それも見ておこう。

f:id:nofrills:20190826020410j:plain

2019年8月19日、the Guardian

The former is just asinine, but the latter is quite scary, neither of them are appreciated or welcome.

《neither of ~》は「~のどちらも…ない」の意味。

  Neither of us was aware of the error. 

  (私たちのどちらも、そのエラーには気づいていなかった)

  I haven't seen neither of the boys. 

  (私はその少年たちのどちらも見かけていない)

 

また、下線で示した《the former ~, but the latter ...》の構文は、先に述べたことを受けて、「前者は~だが、後者は…」という対比を表す表現。「前者」「後者」という日本語自体、高校生ではあまり使わないので、なじみがなく、とっつきづらい印象を受けてしまう人が少なくないが、覚えてしまえば自由英作文などで使いまわしがきく便利な表現だ。これは例えば次のように使う。

There are two large science museums in Tokyo: the National Museum of Nature and Science in Ueno, and the Science Museum in Kitanomaru Park. The former opened in 1871, the latter in 1964. 

(東京には大規模な科学博物館が2軒ある。上野の国立科学博物館と、北の丸公園科学技術館だ。前者は1871年、後者は1964年の開館である)

 

というわけで実例の文: 

The former is just asinine*1, but the latter is quite scary, neither of them are appreciated or welcome.

文意は「前者は単にバカげているが、後者はちょっと恐ろしい。そのどちらも評価されていないし歓迎もされていない」。

なお、ここでは「前者」は文の前の方より「関心をそらすためにただ言ってみただけ」、「後者」は「真剣に、グリーンランドの資源へのアクセスを欲している」ということで、Jさんは「ただ言ってみただけなら相手にしなくていいけど、本気で資源にアクセスしたがってるのならやばくないか」ということを言っているわけだ。

 

記事はこのあとも、グリーンランドの人たちの率直な意見が、グリーンランドというのはどういう場所かの説明もしながら、展開されている(捕鯨についての言及もある)。ぜひご一読いただきたい。国際政治ニュースの向こうでは、こういう人間の心理の動きや反応があるのだ。

 

 

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*1:この単語は受験生は別に覚えなくてもよい。知っていて損にはならないが、知っていて得をすることも、受験では、まずないだろう。