Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

have + O + 過去分詞 (Twitter CEOのアカウントが乗っ取られた)【再掲】

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このエントリは、2019年9月にアップしたものの再掲である。ニュースでかなり頻繁に使われる《被害》の表現として、このまま暗記しておいてもよいような教科書的な実例である。

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今回の実例は、Twitterのジャック・ドーシーCEOのTwitterアカウントが乗っ取られたというニュースから。

 

詳しい文法解説は下の方に書いていくが、高校で《have + O + 過去分詞》を習ったときに「何これ、わけわかんない。こんなややこしい構文、化石みたいな日本の受験英語に残ってるだけで、ネイティヴは使わないに決まってる」と思った人は少なくないと思う。

何を隠そう、私自身も最初はそう思った。自分が理解できないことについて、まずはこういうふうに過小評価するのは防御の反応として普通のことだから、最初にそう思ったことは別に恥じる必要はない。恥じなければならないことがあるとすれば、そういう「こんなややこしい構文は日本の受験英語だけ」みたいなことはただの根拠のない決めつけでしかないということを、実際の英語(「生きた英語」)ではガンガン普通に使われてるということを指摘されても、認めようとしない偏狭さだ。

本稿を読んでくださっている方々には、「《have + 目的語 + 過去分詞》なんてやってるのは日本人だけ」みたいな思い込みがもしあったら、この場で捨てていただければと思う。

 

というわけで今回の記事の見出し(下記キャプチャ画像の上の方)。

f:id:nofrills:20190904042425j:plain

2019年8月31日、BBC News

www.bbc.com

 記事の見出しも、最初の文も《have + O + 過去分詞》だ。

f:id:nofrills:20190904042510j:plain

2019年8月31日、BBC News

見出し(報道記事の見出しではhisなどの代名詞が省略される): 

Twitter CEO and co-founder Jack Dorsey has account hacked

 第一文: 

The co-founder and chief executive of Twitter had his own account on the service briefly taken over by hackers.

下線で示したのが目的語の部分。

 

《have + O + 過去分詞》については当ブログでは過去にも取り上げているのでそれらを参照していただきたいが、解説の一部をコピペしておこう。

《have + O + 過去分詞》は、「Oが~される(された)状態にする」という意味。訳し方は文脈に応じてバリエーションがあり、「Oを~してもらう」とか「Oを~される」などと訳出可能である。

例えば "She had her bicycle repaired." は、「彼女は自転車を修理された状態にした」という意味だが、自然な日本語にするなら「彼女は自転車を修理してもらった」だろう。ただし、自転車置き場に置いておいたのを誰か親切な人が勝手に修理してくれたのなら「彼女は自転車を修理された」という日本語になる(そんな状況はまず生じないにせよ)。また、この文の主語の彼女がどこかのお嬢様で、自転車の修理を召使に命令したのなら「彼女は自転車を修理させた」という日本語になる。

"She had her hair cut." なら、通常は「彼女は髪の毛を切ってもらった」ということになるだろうが、何らかの状況で「彼女は髪の毛を切られた」ということもありうる。

いずれにせよ重要なのは、「自転車が修理された」、「髪の毛が切られた」という《受け身》の関係を理解することである。

https://hoarding-examples.hatenablog.jp/entry/2019/04/04/would_rather_do_%EF%BD%9E_than_do____%2C_have_%2B_O_%2B_%E9%81%8E%E5%8E%BB%E5%88%86%E8%A9%9E%EF%BC%88Brexit%E6%B7%B7%E4%B9%B1%E3%82%92%E5%8A%A9%E9%95%B7%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%8D%E3%81%9F

さて、ここで今回の実例の文を検討してみよう。

The co-founder and chief executive of Twitter had his own account on the service briefly taken over by hackers.

ここでは目的語は "his own account on the service" で、"the service" は直前に名前が出ている "Twitter" の言い換えである(英語は同じ名詞の繰り返しを嫌うので、このような言い換えが盛んになされる)。意味は「Twitter上にある彼自身のアカウント」。

過去分詞の部分は、take over ~という句動詞が過去分詞化したうえに修飾語がついているので、 "briefly taken over" という形になっている。

つまり、文意をまとめると、「Twitterの共同創業者でCEOが、Twitterにある彼自身のアカウントを、ハッカーによって短時間乗っ取られた」となる。

 

今回の@jackのアカウント乗っ取りについて、どのような背景があるのかは、記事に割と詳しく書かれているので、その方面に興味がある方は記事を参照されたい。

 

ちなみに《have + O + 過去分詞》の構文、ビジネス文書やビジネスメールでよく使われる。理解があやふやな人は改めて確認しておきたい文法項目である。

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英文法解説

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