Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

as ~ as ..., 《条件》を表す直説法のif節, those who ~, spend ~ -ing, the + 比較級 ~, the + 比較級 ... 【再掲】

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このエントリは、2019年12月にアップしたものの再掲である。

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今回の実例も、前回のと同じ、労働党の大惨敗に終わった総選挙の結果を受けて労働党の国会議員であるジェス・フィリップスが書いた論説記事*1から。

記事はこちら: 

www.theguardian.com

今回見るのは、前回見た部分のすぐ次のところから。

 

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2019年12月14日, the Guardian

キャプチャ画像内の最初の文: 

To get a majority at the next election, we would need to gain as many seats as we did in the landslide of 1997.

文頭のto不定詞は《副詞的用法》で、「~するために(は)」。ここでは「次の選挙で過半数を得るためには」という意味。

コンマの後がこの文の本体で、ここでは《as ~ as ...》の同等比較の形が使われている。ここでは《~》の部分が《形容詞のmany + 名詞の複数形》となっており、また2番目のasの後ろはS+Vの構造が続いていて、このVは《代動詞のdo[did]》である。次の例文と同じ形だ。

  The bird laid as many eggs as she did last spring. 

  (その鳥は、この前の春と同じ数の卵を産んだ)

asとasの間に来ているのは、この例では可算名詞なので《many + 複数形》の形になっているが、不可算名詞ならばもちろん《much + 名詞》の形になる。

  This machine will use as much fuel as the old one did. 

  (この機械は、古いのと同じくらいの燃料を使う)

 

landslideは選挙用語で「地すべり的勝利」のこと。つまり「大勝」だ。1997年、トニー・ブレアを党首とする労働党は、現職のジョン・メイジャー首相率いる保守党に大差をつけて選挙に勝ち、政権をとった。このときにブレアがとった政策は、それまでの労働党とはかなり違っていて、保守党の政策を継承し、その苛烈な部分(「弱い者は勝手に脱落すればいい」という政策だった)を埋め合わせるようなもので、保守党のサッチャーからメイジャーの政策を全否定するような内容ではなかった。この、ブレアの労働党は「ニュー・レイバー(新しい労働党)」と位置付けられた。

 

その「ニュー・レイバー」という表現が、この次の文に出てくる。

But if there are still those who think victory relies on digging out New Labour strategies, they are just as delusional as those who have spent the last two days trying to explain away the scale of the defeat.

この文のif節は仮定法ではなく、直説法である。動詞が普通に現在形なので、見れば判断できるだろう (there are still those who ..., they are just ...)。このif節は《条件》を表しており、ここでは「もしもまだ、勝利はニュー・レイバーの戦略を引っ張り出すことにかかっていると考えている人々がいるとしたら」という意味になる。

those who ~は「~する人々」の意味。rely on ~は「~による、~頼りである」という熟語で大学受験では必修の頻出表現。digg out ~は「~を掘り出す」で、棚などの奥深くしまってあるものを引っ張り出してくるときにも用いる表現だ。

 

さて、この文の主節の部分: 

they are just as delusional as those who have spent the last two days trying to explain away the scale of the defeat.

先ほど見たのと同じ《as ~ as ...》が入っているが、ここではasとasの間にあるのは形容詞(の原級)1語だけである。これが《as ~ as ...》の構文のオーソドックスな形だ。

  This smartphone is as expensive as that laptop computer. 

  (このスマホは、あのノートパソコンと同じくらい費用がかかる)

この2番目のasの後の部分にある《spend 〈時間〉-ing ~ 》の表現は「~して〈時間〉を費やす〔過ごす〕」という意味の基本表現。

  On Sunday, I usually spend two hours practicing tennis. 

  (日曜日、通常私は2時間、テニスの練習に費やす)

  Tim spent one whole week waiting for Kate's answer. 

  (ティムはまるっと1週間を、ケイトの返事を待って過ごした)

 

explain away ~は副詞のawayの使い方のおもしろい例である。awayは「離れてしまう」「どこかに押しやってしまう」ことを含意するが、ここでは「敗北の規模を説明してawayにする」と表されている。つまり、多少*2こなれた訳をするならば「敗北の規模について言い逃れをしようとして、この2日間を過ごしてきた」となるだろう。

 

つまり、"they are just as delusional as those who have spent the last two days trying to explain away the scale of the defeat." という文は、「そういうことする人々は、この2日間を敗北の規模について言い逃れを使用と過ごしてきた人々と同じくらい、現実が見えていない」という意味になる。

 

この次のパラグラフの3つ目の文: 

The more working-class a constituency was, the worse the result was for Labour.

これは今回の選挙結果について観察されている数値的事実を述べた文だが、ここで《the + 比較級 ~, the + 比較級 ...》が持ちられている。「ある選挙区がワーキング・クラス的であればあるほど、労働党にとっての結果は悪かった」という意味である。

 

 

というわけで今回の実例は《比較》の構文がかなり矢継ぎ早に出てくるものだった。苦手な人は十分に復習しておいてもらいたい。

 

参考書: 

英文法解説

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  • 作者:江川 泰一郎
  • 出版社/メーカー: 金子書房
  • 発売日: 1991/06/01
  • メディア: 単行本
 
徹底例解ロイヤル英文法 改訂新版

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*1:ガーディアンは労働党の新聞だし、こういうのは「論説」ではなく「総括」と言うのかもしれないが、個人的にそういう用語に疎くて使いどころが分かっていないので、その点はご容赦いただければと思う。

*2:受験生の英語の勉強には役立たないような、完全にこなれた訳にはしていない。

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