Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

【再掲】freerice.com で、英単語力をつけながら、WFPにお米を寄付しよう(国連世界食糧計画 WFP ノーベル平和賞受賞)

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このエントリは、2020年10月にアップしたものの再掲である。

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今回は少々趣向を変えて、ノーベル平和賞を受賞した世界食糧計画の活動について。

国連世界食糧計画 (UN World Food Programme: WFP) ノーベル平和賞受賞のニュースは、日本語圏でも結構大きく報じられている。例えば日本経済新聞

【ロンドン=佐竹実】ノルウェーノーベル賞委員会は9日、2020年のノーベル平和賞国連世界食糧計画(WFP)に授与すると発表した。シリアやイエメンなどの紛争地域を中心とした食料支援や、飢餓撲滅に向けた活動が評価された。紛争解決への取り組みだけでなく、新型コロナウイルスの感染拡大による食料不足への対応も認められた。

WFPは1961年創設の国連組織で、イタリアのローマに本部がある。紛争地に食料を供給したり、途上国の学校で栄養価の高い給食を提供したりするなど、世界88カ国9700万人に対して食料援助や緊急支援を行っている。

レイスアンデルセン委員長は「飢餓と闘い、紛争地域での食料の安全保障に貢献し、飢餓が戦争の武器として利用されることを防ぐ重要な役割を果たした」と授賞理由を述べた。 

www.nikkei.com

ここではシリアやイエメンが挙げられているが、ほかにミャンマーロヒンギャの人々や、アフリカ大陸の南スーダン中央アフリカウガンダなどで起きている、あまり国際的な注目を集めていない紛争で家を追われた人々に食べるものを届けるというとても大事な活動を地道に行っている。

この国連の専門機関が、10年以上前からネットでおもしろい取り組みをしている。それが今回ご紹介するfreerice.comだ。

英語版ウィキペディアによると、freerice.comは2007年10月にスタートした。日本語圏は少々事情が違うかもしれないが、インターネットの中心である英語圏では1999年にはすでに、広告を人に見てもらって、その広告料を食糧支援や環境保護のために寄付するという "click-to-donate" と呼ばれる形の寄付活動が始まっていて、当時のネットのメインコンテンツだった個人サイトにはそのバナーがよく貼られていた(日本語圏でも「クリック寄付」はあったが)。1日に1回、バナーをクリックするとごく小さな金額が広告主からWFPのような支援団体に寄付されるという取り組みだ。ちりも積もれば山となると言う通り、これが世界中でボーダレスに行われることで、かなりの寄付が実現した。

freerice.comがそういったシンプルなバナークリック型の寄付活動と違っていたのは、ウェブで遊べる学習ゲームをプレイして寄付する、というところだった。元々開発者が自分の息子の試験勉強の一助となるよう作ったのだそうで、勉強をすればするほどたくさん寄付できるという仕組みだ。具体的には、英単語クイズで正答すれば10粒(新型コロナウイルスパンデミック下では5粒)のお米を寄付できる、というゲームで、やる気の出ないボキャビルに、勉強とは別の達成感を得られるものをセットしたら、意外とはかどる。

freerice.comはその後も発展し、英単語のボキャビル以外にも地理や美術史、自然科学分野のカテゴリーが増え、サイトのバージョンもアップして、現在に至る。

このサイトについて、私は2016年に少し、連続ツイートという形で説明を書いて、それを「NAVERまとめ」で一覧できるようにしておいたのだが、NAVERまとめはサービス終了してページがネットから消えてしまったし、freerice.comそのものも最近*1バージョンアップしているので、ノーベル平和賞受賞という機会に、また改めて紹介をしておこうと思った。

サイトはこちら: 

freerice.com

PCやタブレットスマホのブラウザでも使えるが、スマホのアプリを入れておくと、ちょっとした空き時間に英単語の勉強をしながら食糧寄付もできて便利だろう。

以下、スマホのアプリのインストールから使い方まで、ざっと説明したい。

なお、私はAndroidユーザーなので以下は基本的にAndroidの場合で説明するが、iOSでも同じようにできるはずだ。

 

1. まずはアプリのインストールから。アプリの説明の英語は何も難しいことはないので、これを読んで納得したらインストールしてほしい。

Androidhttps://play.google.com/store/apps/details?id=com.freerice.android

iOShttps://apps.apple.com/jp/app/freerice/id1468090734

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2. ダウンロード&インストールが完了したアプリを立ち上げると、次のような画面が表示される。

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3. そしてその次になぜか生年月日を尋ねられる。年齢が重要なコンテンツはないはずなのになぜなのかわからないが、freerice側は「あなたの生年月日は当機関のサイトにはいかなる形でも保存しません」としているので、情報漏洩などの心配はないだろう。嫌な気がするなら、ここは適当な年月日を入れてもアプリの動作には問題ないようだ。

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この画面で "Pick the date" のところをタップするとカレンダーが出てくるので、そこから日付を選択する。

 

4. 続いてインストール完了画面で、アカウントを登録するか、すでに持っているアカウントにログインするか、アカウントを登録せずに使うかを選択する。

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2018年のリニューアル前は、アカウントを登録しておくと英単語ゲームのレベル(かなり細かかった)が保存できたような気がするが、今はレベル分けがシンプルになって、アカウントの利点は毎日どのくらい寄付できたかを書き留めておけることと、ユーザーの中での順位(学習とは関係なく、寄付できたお米の量の順位)がわかることくらいだから、単に英単語ゲームとして使いたいならアカウント登録はしなくてもよいかもしれない。

ここでは一応アカウントを登録してみよう。

 

5. 登録画面はこうなっている。必要なのはユーザーネーム(あとから変更できる。本名や個人情報がわかるものは避けたほうがいいかも)、メールアドレスとパスワードだけだ。なお、入力はすべて半角英数字を使うこと。

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6. ユーザーネームはスペースがあると下記のように「無効です」と言われてしまうかもしれない。

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スペースの入らないようにユーザネームを設定し、メアドとパスワードを入れたら、"Create your account" をタップする。

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7. "Email Confirmation" を求められるので、登録したメールアドレスをチェックして、届いているメールの中にあるURLをタップ/クリックする。

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8. メールのリンクをタップすると、ブラウザで下記が表示される。ここでもう一度、生年月日の入力(しつこいよね)。ちなみに、今日の日付でも通った。

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9. 生年月日をsaveすると、今やっている Stop the Waste というキャンペーンの大きなバナーが表示される。

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これは飛ばしても全然かまわないのだが、"Join now" をタップしてみると次の画面になる。

 

10. Stop the Wasteのキャンペーン画面。Freericeの英単語ゲームには関係ないので、ブラウザはここで閉じてOK。

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11. ブラウザを閉じてアプリに戻ったらこうなってた。君たち、2019年実施のセンター試験のリスニングにいなかったか、というものがさっきからじわじわ来る。

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ここで "Back to game" をタップすれば、ゲームを開始できる。

 

12. 英単語クイズはシンプルな4択問題。最初に何も設定せずデフォルトでeasiestのレベルになっているときに出た1問目がこれだったが、正解すれば以降の問題の難易度が上がっていき、不正解なら下がっていくという形のクイズなので、少なくとも10問はレベルが易しすぎても難しすぎても、そのまま淡々とやってみてほしい。

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13. 選択肢を選ぶと緑色になり、それが正解のときはこのようにそれが黙って右側に流れていき、次の問題が表示される。 

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14. これを繰り返していくうちに、正解するたびに問題の下のお茶碗のなかにお米がたまっていく。50に達するとお茶碗の中にお野菜も入り、次はまた空のお茶碗が出てくる。

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15. 選んだ選択肢が不正解の場合は、下記のように、選んだ選択肢が青く表示されて、正解が赤く表示される(日本の感覚では逆のような気がするが)。ペナルティは特にないが、出題される単語の難易度が下がる。

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不正解の場合も、正解の場合と同じように、すぐに次の問題が現れるので、何も操作しなくてよい。 

 

16. 区切りに達すると、ゆるキャラみたいなのが出てくる。

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17. こんな感じで淡々と続けていくと、どんどんお米がたまる。(以下、キャプチャ画像では問題と選択肢はマスクしておく。)

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18. さて、画面左上のハンバーガーメニューは、タップするとこうなる。Groupsというのはグループを作ったり参加したりという機能だけど、Aboutのところにあるヘルプみたいなのを見てもよくわからない。Leaderboardは「順位表」。Activity feedというのは「WFPの活動のお知らせ」みたいなもので、ゲームとは関係がない。言語はEnglishのほかは現状アラビア語だけだ。実際にゲームをするうえで関係があるのは、CategoriesとDifficulty levelだけだろう。

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19. Difficulty levelは5段階で設定できる。一般的な大学受験生はEasiestで十分だと思う。ガチ勢はEasierをやってみてもいいかもしれない。Normalは英語母語話者レベル、それ以上は物書き、学者やオタクの領域に近づいていく。

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20. カテゴリーはこんな感じ。新型コロナウイルスに感染しないための行動指針(手を洗うとか、人との間隔をあけるとかった基本的なこと)、環境や健康についての基本、英語(語彙、文法)、地理、人文科学、語学、数学、自然科学、とある。私たち英語学習者・外国語としての英語の使用者によっては、どのカテゴリーでも英語の勉強にはなる。

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21. 画面右肩のにこにこマークはプロフィールのページ。ここがProfileのタブとBadgesのタブに分かれていて、Profileのほうでユーザネームやメアド、パスワードの変更ができる。Badgesのほうは寄付の量などが目に見えるので達成感はある。 

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 以上。当ブログ既定の4000字を350字ほど上回っているので、今回はここまで。

 

参考:

WFPからは、寄付が簡単にできるShareTheMealというアプリも出ているので、よろしければ。 

ShareTheMeal

ShareTheMeal

  • 発売日: 2018/02/08
  • メディア: アプリ
 

 

*1:英語版ウィキペディアによると2018年。

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