Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

挿入, パンクチュエーション, 過去分詞単独での後置修飾, など(希望を持つということについて)

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今回は、前回の続きで、キャシディ博士がブチャの殺戮を受けて投稿した2つ連続のツイートの2つ目。前置きなどはすべて省略して、いきなり本題に入ろう。

第1文、ハイフン(-)とスペースを使った《挿入》があるが、これはダッシュ(―)を使ってスペースなしでタイプしても同じである。流儀というか、表記基準(スタイル)による違いである。大まかには、ハイフンは英国式で、ダッシュは米国式という区分がある(キャシディ博士は英国のオクスフォード大学に所属している)。

この挿入句の解釈が、ここはかなり難しいかもしれない。"it will never happen" の "it" は、後続のthat節の内容だ。文意は、「ロシアはICC国際刑事裁判所)の加盟国ではない、と、多くの人は言うだろう――そんなことは決して起こらないと」ということになるのではないかと私は解釈している。

第2文 "Just like the US and UK." は、「文」と書きはしたが、SV構造のない句である。「米国と英国と同じように」。

そう、今、「戦争犯罪だ」「国際刑事裁判所で裁かれるべき」と大騒ぎしている米国はICCに加盟していない。自身の軍隊の構成員が戦争犯罪で裁かれるのを避けるためだと考えられている(というと、日本にいっぱいいる米軍支持者というかサポみたいな人たちに「そんなバカなことを米国のような大国がするはずがない。イデオロギー先行でデマを言うな」と怒鳴りこんでこられるだろうけど、イデオロギー云々の話ではない。英文法のブログでそこまで詳しくは扱わないけど)。

話がずれてしまった。

先に行こう。

【以下、書きかけ】

But without hope for change - what are we? 

前置詞のwithout ~は「~がなければ」。「しかし、希望がなければ、私たちは何なのか」と直訳されるが、文意は、「希望というものがあってこその人間ではないか」ということ。

I’m not speaking of blind optimism, or no grasp on reality.

speak of ~は「~のことを言う、~について話す」。ここでの "I'm not speaking of ~" という《現在進行形》は、「今ここでは~の話をしているのではない」の意味。

この否定文は、次の肯定文につながる。文字にはなっていないが、構造的には《not A but B》の論理構造になっている。これは特に口頭での論述に広くみられる形で、書き言葉であれば、"not A, but B" とコンマと接続詞のbutを使うところを、コンマとbutを使わず2つの独立した文で表す。

  I'm not interested in gossips, but (I'm interested) in real news. 

  I'm not interested in gossips. I'm interested in real news. 

  (ゴシップには興味はない。興味があるのは本当のニュースだ)

I’m talking about a fight for justice. 

直前の部分で "speaking of ~" の形を使っていたところで、 "talking about ~" とほぼ同じ意味の別の表現を使っているのは、文法や語法ではなく、センスの問題だろう。上と合わせて、「私は、とにもかくにも楽観的であればよいとか、現実をまるっきり把握していないとかいったことを言っているのではない。正義を求めての戦いのことを言っているのだ」。

 

https://twitter.com/OxfordDiplomat/status/1510703613315891206



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