Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

疑問詞節, to不定詞の副詞的用法, 動名詞しか目的語にとらない動詞, など(ルワンダに送致されるという通知を受け取った難民の手記)

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今回の実例は、新聞への寄稿記事から。

先週木曜日、2022年6月2日から5日の日曜日にかけての4日間、英国ではエリザベス女王の在位70年を記念する「プラチナ・ジュビリー (Platinum Jubilee)」の祝賀行事が盛大に行われた。学校とかが休みになって(だから王室に特にこだわりのない人たちは国外に旅行に出かけたのだが、それがまた、コロナ禍で人員が削減されていたところにBrexitでの煩雑な手続きの増加で、いくつかの空港で大混乱を引き起こしていたらしい)、多くの人たちがテレビでひっきりなしに流される行事の中継を見て、画面に流れてくるものについてTwitterに書くなどしていた。自分の住む地域でストリート・パーティ形式で集まったりしていた人たちもいたようだが、何だかんだ言ってもまだコロナ禍の最中でもあり、そういうことまではしていないという投稿も見た。私個人は、10年前のダイヤモンド・ジュビリーをネット越しにたっぷり見せていただいたし、今回は特に関心を覚えなかった。王室という制度の是非や、帝国への無反省さについての疑問というのもあるが、それを超えて「儀式として興味深い」という気分にならなかったのである。

その一因が、プラチナ・ジュビリーのウィークエンドが始まるほんの数日前にニュースで報じられていた、「英国がルワンダに送致する難民/政治的庇護申請者に通知を行った」というニュースである。

ルワンダ云々について、詳しいことをここで書いた記憶がないのだが、今はそこまで書いている余裕がない。要点だけ言うと、英国は英仏海峡を超えて英国入りして難民申請(政治的庇護の申請)を行う人々を、今は英国内の収容施設に入れて申請を審査しているが、アフリカ大陸の内陸国であるルワンダに申請者の身柄を送ってルワンダで審査させようという政策をとることになった。と書いてみたところで正確な説明になっているかどうかは怪しいし、読んでも何を言っているのかわからないと思うが、説明している時間がないので、わからない人は各自でお調べいただきたい。

要は、「英国に来ても無駄」というメッセージを、全力で送ろうとしているわけである。

で、そうやって「ルワンダ送り」の通知を受けとった難民申請者のひとりが、ガーディアンに寄稿した文章が、5日(日)のガーディアン/オブザーヴァー(ガーディアン日曜)に掲載されていた。こちら: 

www.theguardian.com

長くはないが、非常に悲痛な文面である。同時に、こんな文面でさえ、極めて事務的に文末にSamaritans(「いのちの電話」のようなボランティア団体)への連絡先をくっつけて流している大手メディアの感覚(あたかも、難民申請者のこの希死念慮が、英国内で英国人・レジデントとして暮らしている人々に希死念慮を引き起こすことが問題だといわんばかりである)に、何とも言葉にできない感覚を覚える。

エリザベス女王が、ジュビリーの記念行事の中で使われた映像クリップにおいて、パディントン・ベアと共演したことが、日本語圏でも報じられているが、あれは単に「国民に人気のかわいいキャラクターと共演したお茶目な女王陛下」のニュースではないだろう。なぜなら、パディントン・ベアは、単なる人気キャラクターではなく、「ボートに乗って英国にやってきた密入国者」だからだ。エリザベス女王という人は、もちろん直接の政治的な発言は避けておられるが、そういった間接的な言及でメッセージを発することには長けた人である。

【ここに映像を入れる】

というわけで、ガーディアン/オブザーヴァーへの寄稿記事を読んでみよう。

短い文面だが、実例として見るのは2番目のパラグラフから。

https://www.theguardian.com/commentisfree/2022/jun/05/rwanda-uk-asylum-seeker-offshored

匿名でこの文章を寄せた筆者は、文頭で、「6月14日にルワンダに向けた飛行機に乗せるという通知を内務省から受け取った者です」と自己紹介をして書き始めている。

キャプチャ画像の最初のパラグラフ、第1文: 

I don’t know how you would feel about that prospect.

疑問詞howに導かれる《疑問詞節》がknowの目的語になった、所謂「間接疑問(文)」の形。"that prospect" は上述の内容、つまりこの先、ルワンダに送致されることになっているということを指す。「そうなるということについて、あなたがどのようにお感じになるかは、私にはわからない」。

【以下書きかけ】

第2文:

For my part, I am considering suicide to avoid being forcibly sent there.

"to avoid" は《to不定詞の副詞的用法》で《目的》を表す。「~を避けるために」。 being forcibly sent there.

 

第3文と第4文:

And I can tell you that most of the other asylum seekers who are in the same situation as me are also considering suicide. We feel there is no other choice for us. ...

 

第2パラグラフ: 

This is not what we ever expected of Britain. We all fled our home countries for one reason only – because our lives were in danger. We hoped that coming to the UK would save us but it looks like we were wrong about this.

 

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