Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

約10年前にアカウントを停止された極右の大物が、マスクのもとで、Twitterに帰ってきた(朝日新聞は、イーロン・マスクの「ツイッター文書」などを取り上げるより、マスクがツイッターに何をしているかを報じるべきである)

↑↑↑ここ↑↑↑に表示されているハッシュタグ状の項目(カテゴリー名)をクリック/タップすると、その文法項目についての過去記事が一覧できます。

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今回も、英文法の実例からは少し離れて、前回の続きで、イーロン・マスク&マット・タイービの「ツイッター文書 Twitter Files」が、本人たちが思っているようなスクープではない、ということについて。また、マスクがそうやって空騒ぎを演じている裏でTwitterに何が起きているかについて。

この「ツイッター文書」なるものは、日本では(少なくとも)朝日新聞が意気揚々と取り上げていたが(ほかの新聞の記事が出ているかどうかはチェックしていない)、英語圏の大手メディアはスルーしているようで、私の見ている画面には、前回見たThe Vergeの記事のような否定的な言及が流れてきたくらいである。

私もすべてのメディアに目を通しているわけではないが、例えばTwitterには大注目しているBBC Newsの "Social media" のカテゴリーには、この「文書」についての記事は見当たらない。

BBC Newsの "Social media" のカテゴリ

BBC News以上にソーシャルメディア、中でもTwitterに注目しているガーディアンには "Twitter" というカテゴリーがあるのだが、そこにも「文書」の件は見当たらない。

英ガーディアンの "Twitter" のカテゴリ

また、前回見たように、マット・タイービの古巣であるローリング・ストーン誌は今回の「文書」について、"snoozefest", つまり「睡魔との果てしない闘いを強いられるしろもの」と評している。

同誌の編集長は、自身のMastodonアカウントでその「文書」はスルーしているのだが、この「文書」が出る前に、マスクがTwitterに対してやっていた、より深刻なことを取り上げている。

↑Matodonの埋め込みはこのスタイルで、見づらいかもしれないけど表示部分の右側にあるスクロールバーを動かしてみていただきたい。

ノア・シャクトマン編集長が言及している記事は下記: 

www.rollingstone.com

私はTwitterを見ていてこのニュースに気付いたとき、マジで口をあんぐりとあけていた。「は?」と言ったまま固まっていたのである。

ローリング・ストーンの記事で言っている「最も有力なネオナチ」は、極右過激派の中でも最も過激なウェブサイト「デイリー・ストーマー」の管理人であるアンドルー(アンドリュー)・アングリンである。10年近く前にTwitterから蹴り出された人物だ。しかも現在、連邦レベルで手配中の身でもある(裁判で負けて賠償金の支払いを命じられたのに踏み倒して逃げている……どっかで聞いた話だな)。

この件については、日本語圏でもGigazineが取り上げている。

gigazine.net

しかし、マスク&タイ―ビの「ツイッター文書」という、湿気た花火みたいなものをどかーんと取り上げた朝日新聞は、この件はスルーしているようだ。同紙ウェブサイトを「ツイッター」で検索したが、この件についての記事は見当たらなかった。検索結果を2ページ分まとめたキャプチャ画像を貼っておこう。

なお、アンドルー・アングリンのアカウントが復活したという報告は、12月3日(土)の未明には既に上がっていた。

上記のGigazine記事にまとめられているように、このニュースには多くの人が反応し、Twitterではかなり話題になったので、Twitterの動向を見守っている人がこれを見逃したということはまずないだろう。朝日新聞がスルーしてしまったのは、アングリンや「デイリー・ストーマー」の知名度が日本では皆無なので、ニュースバリューなしという編集判断が働いたせいかもしれないが、それにしても……である。

私の見ていた画面に流れてきた言葉をいくつか貼りこんでおこう。

 

さて、アンドルー・アングリンという極右過激派の大物をTwitterに復活させる前に、マスクは自身のアカウントでこんな投稿をしていた。

マスクがこれ見よがしに出してきた「88」という数字は、アルファベットの最初から数えて8つ目の文字が2つ並んでいることを表すその筋の符牒、隠語である。「8つ目の文字」はH、これが2つでHH、これはヒトラー崇拝者のシンボルである。

www.adl.org

dave karpfさんが

Give it a week and he’ll start making sure every one of his tweets is exactly fourteen words.

と、《命令文+and ...》の構文で述べている部分にある「14語」は、白人優越主義者の符牒である。

www.adl.org

これについては、日本語ウィキペディアにも項目があると教えていただいた。

こういったことを見れば、Twitterに何が起きているか、というかイーロン・マスクが俺たちのTwitterに何をしてくれているか、おわかりになるだろう。

さらに下記のような動きもあって(Gigazineがよく追ってるね)、私のフォローしている中でも凍結されたアカウントが出てきている。

gigazine.net

 

※今日も文字数を数える意味はないので数えないが、6000字を超えている。

 

【追記】

今回のエントリは、イーロン・マスクが支配するTwitterが、10年近く前にアカウントを停止された、民族浄化を主張するネオナチ・白人優越主義のサイト「デイリー・ストーマー」の創設者で編集人のアンドルー・アングリンのアカウントを復活させたことについて書いたのだが、そのエントリに対するブクマのコメントにこんなのがある: 

同じように極左とかも帰ってきてるんだろうけどな

https://b.hatena.ne.jp/entry/4729123275077013412/comment/pwatermark

発言は自由だ。だが、発言するなら、エントリを最後まで読んでからにしてくれないかな。

https://hoarding-examples.hatenablog.jp/entry/2022/12/06/%E7%B4%8410%E5%B9%B4%E5%89%8D%E3%81%AB%E3%82%A2%E3%82%AB%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%92%E5%81%9C%E6%AD%A2%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E6%A5%B5%E5%8F%B3%E3%81%AE%E5%A4%A7%E7%89%A9%E3%81%8C

 

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