今、本当に、翻訳の作業中なんだけど、誤訳しそうになったのでちゃちゃっと書いておく。
頭を翻訳モードにしているつもりでも、翻訳に必要な集中ができる前に目にしている言葉が目の前で崩壊して意味を失っていくという状態で*1、普段ならこんなところで誤訳しそうになるということはたぶんないのだが。
今やってるのはこれで:
https://x.com/translatingpal/status/1954609141793890626
それは下記への追記分である:
https://note.com/nofrills_note/n/n92655b7f4838
原文:
Following his killing, UEFA issued a statement noting his “death” but failed to mention that he was deliberately murdered by the genocidal Israeli state. His wife has publicly called out the silence, addressing football star Mohamed Salah directly: ...
これを流れで翻訳していて(英語の文字を追うのと同時に頭の中で日本語になるがままにしている状態)、太字部分をうっかり「沈黙を破り」と訳しかけ、「いや待て、この原文はそんなこと言ってないぞ」と読み返して(だって事実として、ここでの話者、つまり "His wife" には「破る」ほどの「沈黙」はなかったのだから)、……通常ならここですぐにちゃんと言葉通りに訳せるんだけど、今は極めて調子が悪いので、意味が取れなくなった。
もちろん、call outという句動詞は知ってるし、自分でも英文を書く際に使いたいときに使える範囲の表現だが、普段なら何ら苦労しないところで、call outがひとつの表現として意味をなさず、callとoutというばらばらの単語にしか見えない。頭が高校2年レベルまで戻ってしまった(こういうのを繰り返して、自分で英文を少しは書けるところまで持ってきたのである)。
それがまた自分に負担になってストレスが増すのだが、やらないという選択肢はない。
こういうときにすべきなのは、辞書を参照することだが(辞書をひくという習慣がない最近の人にはこれがまったく通じないのだが、この基本をおろそかにすると、誤訳量産機にしかなれないよ)、辞書を引く気力すらないので、とりあえずググるという雑なやり方をしたところ、AI導入後の今どきのGoogleは気の利く秘書みたいになってて、一発で調べものが完了する。これが「誰も元の記事を見ようとしないのである」的な状況を引き起こし、内容だけGoogleに吸い上げられる報道機関は危機感を表明、みたいなことになっているのは知っているが(報道機関よりも、個人がSubstackなどで運営している専門性の高いサイトが深い危機感を抱いている様子。エチオピア情勢とか)、実際にググるだけでこれが目の前に出てくると、「わ~い、一発で済んだ♪」と思ってしまう。

つまり《to call out the silence》という表現には、"to bring attention to the lack of speech or response in a situation" (発言や反応がないという事実に注意を向けさせる)という意味がある。うん。直訳だね、これは。「沈黙をcall outする(指摘する)」だから。
そっから、「さまざまなニュアンス」として4項目が挙げられているが、"Publicly confronting" と "Focus on injustice" が《熟語》っぽい。「沈黙をcall outする」という直訳からずいぶん離れてきてるので。
なお、上記のGoogle検索画面のキャプチャは私のトラッカーがある状態でのもの(私のフィルターバブルの中でのもの)で、トラッカーを手動で外して同じURLを読み込むと下記のようになる。私向けにカスタマイズされている検索結果より、こっちの方がわかりやすいね。そんなに「難しいの読んでる奴」扱いされてるのかな。

※AIがまとめて列挙している部分は、本気で参考にしたいなら、ソースとして表示されるリンク先に本当にそんなことが書いてあるのかどうかを確認する必要がある。実際に中を見てみると「そんなこと書いてないじゃん!」ということも多発するのがAIなので、本当に要注意。
ともあれ、これで疑問は解けたので、翻訳の作業に戻ることができる。英語ブログのネタもできたし、Googleのフィルターバブルの実例も採取できたし、めでたしめでたしじゃないか。
というわけで、note記事の更新に戻ります……。とりあえず「夫について語られないことがあると指摘」っていう方向性で日本語にします。
*1:原因はストレスで、しかもそれは翻訳対象の言葉、それらの言葉が語っていること、それらの言葉が生じている状況が私という人間にもたらすストレスなので、逃げ場はない。