Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

becauseの節(従属節)が独立した文のようになっている実例(サッカー、イングランド代表)

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3月末に、「サッカーの母国」イングランドの「サッカーの聖地」ウェンブリー・スタジアムで、親善試合とはいえ、イングランド代表が負けるという波乱があった。相手は日本代表だ。

FIFAのあれこれでいろいろばかばかしくなったうえに、ガザ・ジェノサイド以降、完全にサッカーへの関心を失っている私でも、日本では「大金星」とニュースになっていたのは知っている。1998年のワールドカップ(フランス大会)以降しばらく「日本www」と冷笑ぶちかまされてきた末に、ウェンブリーで!!!イングランド代表に!!!!!苦杯を!!!!!!!なめさせてやった!!!!!!!ということには、謎の高笑いで応じるよりないが、何より、ここに至るまで日本のプレイヤーたちが重ねてきた努力、特にあのイングランドに足跡を刻み込むという大変な努力に、敬意を表したい。見事にケリかましてくれました。こちらに、イングランドとドイツのトップリーグでプレイする日本人選手のまとめがある

この試合の数日前に、リヴァプールFCの「エジプトの王」ことモー・サラーが今季限りで退団するというニュースがあって、彼の活躍で「アラブ人フットボーラー」へのイングランドでの認識が改まったのだという分析みたいなのもちらりと聞いていて、これでFIFAが金満体質でなく媚米でなかったらどんなに明るい未来が描けていただろう、みたいなことをちょっと考えている。

というところで、イングランド対日本の親善試合の結果についてのBBC記事

www.bbc.com

ここに、becauseの節が独立した文のようになっている実例があったので、それをメモっておこう。これもまた、ウェブ検索では探せない。当ブログではカテゴリ「単独の文の文頭で用いられるbecause」として管理している。

《単独の文のbecause》は、口語ではもはや特記する必要もないくらいありふれているが、ニュース記事に出てくるのはまだ珍しい。BBCはBBCでもBBC Sportだから、BBC Newsほど型にはまった文面でなくても通るため、これが起きたのだろう。

実例を見る前に、ちょっと説明だけしておこう。

becauseで始まるものは《節》であり、つまり《従属節》である(理由を表す副詞節)。本来、これとは別に、《主節》があってはじめて《文》が成立する。逆に言うと《従属節》だけでは何の話だかわからない。これがオーソドックスでオーセンティックな文法だ。

  Sorry, I'm late because I overslept

  (寝過ごしたから遅れるわ、すまん)

これが、 "Because I overslept" だけでは話がよくわからない*1

 

一方で、《従属節》だけでやりとりが成立することもある。例えば次のように。

  Why are you late? 

  ―― Because I overslept

  (何で遅れてるの?――寝過ごしたから)

 

これが発展というか何かしたのが、書き言葉でのbecause節単独での用法である。正式な文書では見られないが、ブログや小説などでは当たり前に出てくる。ニュースでは用いられないが、スポーツニュースは「事実を正確に伝える」というより「みんなが知ってる事実についてエモーション的な面での整理を行う」的な目的があり、かなりくだけた文体になる。だから、文体にうるさいBBC*2であってもbecause節単独が許容されているのだろう。

というわけで実例: 

https://www.bbc.com/sport/football/articles/c070185ygpno

下から2番目の文(パラグラフ)が今回の実例である。

記事は、今回日本に負けたイングランド代表は、絶対的エースのハリー・ケインが「練習中に違和感があったために」出場していなかった、ということについて、「ワールドカップに向けての実験的な布陣であった」と位置付けている。ケインももう32歳なので、そうそう頼りっぱにしていられない。けれど実際にはケインのいないイングランドは、ひたすらしょっぱい……。

ちなみに、記事を書いたフィル・マクナルティは、日本代表はベタ褒めしている。

Kane did not figure in either the draw against Uruguay or this loss to an impressive Japan, who sit 18th in the Fifa rankings, some 14 places below high-flying England.

この《不定冠詞》の用法も、英文としては参考になるね。

 

あと、マクナルティの文って軽妙洒脱でおしゃれなんだよね。"He was at Wembley but afforded the night off." なんて自分では絶対に書けない。「ウェンブリーに来てはいたが、お休みをもらった形だ」みたいな感じか。うまく日本語にできない。

 

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ところで、しばらく前にAmazonのアフィリエイトをやめました。これにともない、リンク切れなどご不便をおかけしていることも多々ありますが、なにとぞご了承ください。

25年くらい前、まだniftyの「ホームページ」で自サイトを運営していたころから使ってたんだけど(第一義的に、広告なら書影が使えるので……本来、書影は誰かの著作物なので、読者は自由には使えないんですよ。販促のための広告という目的があれば使える)、そのサイトを閉鎖して何年もたち、今回ついに「サイト情報を更新せよ」という連絡が来てたんだけど、ガザ・ジェノサイドに関連して、これ以上Amazonを使う気になれなくなってて。

自分個人の買い物は、Amazonしか買えるところがないものはAmazonで買うしかないけれど(英語の本の紙版、古書……)、他人に「ここで買いなさい」と言ってるように見えるのは不本意なので。

なお、英語の本の電書は楽天KOBOが代替になります。電書化の時期が、Kindleより少し遅くなることもありますが。あと、KOBOのほうが安いものが多いです。米英のメジャー系だけでなく、アイルランドの出版社の本もKOBOで電書があるものがけっこうあります。

#BDS #EndTheSiege #StopGazaGenocide 

 

【追記(4月4日午後)】

このエントリを書いたあとで当該のBBC Sportの記事に改めてアクセスしてみたら、当該の箇所が従属節になる構造として書き改められていた(下図下線部)。やっぱりBBCのスタイルガイド的には単独のbecauseはダメだったらしい。笑

https://www.bbc.com/sport/football/articles/c070185ygpno

 

*1:読み返してて思ったのだが、「寝過ごしたから」と言われたらだいたい話はわかる、と言われるかもしれない。例文が悪かったかもしれない。「雨が降っていたので」ならどうだろう。「外出をとりやめた」かもしれないし「洗濯ものが干せなかった」かもしれないし「試合が中止になった」かもしれないし「美術館は多くの人でにぎわっていた」かもしれない。いずれにせよ、リアルな言語コミュニケーションの場では文脈というものがあるので、そのおかげで、ほぼ常に「だいたい話はわかる」かもしれない。

*2:BBC Newsには「スタイルガイド」があって、文体がかなり細かく指定されている。

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