センター試験(英語)のポイントについて、第1問から第3問まで書いてきた「前半」に続き、この「後半」では第4問から第6問を見ていきます。
今年のセンター試験(2019年1月19日実施)の問題・解答などは、既に下記などにアップされていますので、各自入手してください。
東進: https://www.toshin.com/center/
朝日新聞: http://www.asahi.com/edu/center-exam/shiken2019/
毎日新聞: https://mainichi.jp/exam/center-2019
※朝日新聞は中身は東進、毎日新聞は駿台です。個人的には毎日新聞のサイトで見ると1ヵ所にいろいろまとまってて便利かなと思います。
目次:
第4問: 長文読解(図表や案内・広告の読み取り)(配点: 各5点)
「文章の読解」というより、より実用的な素材についての読解力が問われる問題。難しくはないのですが、情報を正確に追うために緻密な読みが要求され、おそらく最も時間がかかる設問ではないかと思います。英語が得意な人は、まずは時間のかかるこの設問を終わらせておくことを考えてもよいかもしれません。
第4問のA
第4問のAは、例年、「図やグラフ」の読み取りの問題です。典型的なパターンは、何かの統計の折れ線グラフや棒グラフが示されていて、それぞれのグラフが、文章中で説明されているどれに該当するかを読み解く、というものです。
例えば、文章中で「A商店では、リンゴとみかんは同じくらい売れるが、いちごがダントツで売れている」、「B商店では、リンゴはみかんの2倍売れている」とある場合、
A商店 ■■■■■□□□□□●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
B商店 ■■■■■■■■■■■□□□□□●●●●●●●●●●●●●●
……というグラフを見て、リンゴに該当するのは■か、□か、それとも●かを考える、といった問いです。
2019年はそのような典型的な問いとは少し違ったパターンの出題でしたが、問われていることは同じで、文章で説明されていることを数字の表にするとどうなるかを考える、というものでした。
頭の中でのデータ処理に手間がかかりはしますが、英語としては難しくはないので、落ち着いて取り組みましょう。読まなければならない英文は、グラフや表を含めて、だいたい問題用紙で2ページ分。速度を上げて正確に読むことが要求されています。過去問はじめ、図表問題を数多くこなして、考え方に慣れておくことが重要です。
第4問のB
第4問のBは、パンフレットやウェブサイトのような案内・広告を見て、問いの設問文に与えられている条件に合致するものは何かを考える、というパターンです。これも、英語としては難しくはなく、パズルのような感覚で条件にあてはまるものを選んでいけばよいのですが、解答の時間はかかると思います。受験本番までに練習量をこなしていきましょう。
英語を読む分量は、設問で1ページ、案内・広告の文面で1ページが基本的な形ですが、この設問では「速く読む」というより、「必要な情報を素早く拾う」ことが必要です。
第5問: 長文読解(物語文)(配点: 各6点)
第5問は、問題用紙でだいたい2ページくらいの分量の物語文が出題されています(2018年は「物語」ではなく「日誌」でしたが)。この分量の文章を5分以内(できれば4分以内)で読み、正確に読解できるように練習していきましょう。
問題の解き方としては、本文を読む前に問いに目を通して、何に気をつけて読めばよいのかをあらかじめ把握しておく、という方法がよいでしょう。
とはいえ、最後の問いで全体を読んだ上で内容を理解しているかどうかが問われるので、部分だけを理解していては得点が伸びません。読むのが遅かったり、わからない単語が多かったりすると、問いに出てこない部分は飛ばしてしまいたくなるかもしれませんが、必ず全文に目を通せるようにしましょう。
また、この問題は毎年、語彙力をつける上でも役立ちます。文中に出てきた単語は全部意味をいえるよう、単語帳を作るなどして、積極的に自習の素材にしていくとよいです。
第6問: 長文読解(論説文)(配点: 各6点)
第6問は、形式上AとBに分かれていますが、実際にはAとBに分けなくてもいいかな、と思うくらいですから、ここでも分けずに説明します。
まず、この問題では、本文の段落に番号がふられていて、その段落ごとに問いが設定されている、という基本形がとられています。セクションAのほうは非常にオーソドックスな長文読解問題で、セクションBは各段落の要旨を一言でまとめるという内容は開く問題です。それに加え、全体を読んで理解しているかどうかを問う設問もあります。
問題の解き方としては、第5問と同じく、本文を読み始める前に設問に目を通しておいて、どういうところに気をつけて読めばよいかをあらかじめ把握しておくのがよいでしょう。
2019年は、受験生はおそらく知らないであろう難しい単語に下線がほどこされ、その意味を前後から類推させるという問題がありましたが、この形式の問題では、本文を読む段階で下線に気を取られないようにしましょう。
読む文章の量は、これも第5問同様、問題用紙でほぼ2ページ。この分量の文章を5分以内(できれば4分以内)で読み、正確に読解できるよう、受験本番までに練習を重ねていきましょう。
来年受験する人のための、2019年のセンター試験のポイント解説は、だいたいこんなところです。2018年以前の過去問も積極的に解いて、実力を培っておきましょう*1。
なお、センター試験を受ける予定がある人は、過去問はもちろん、何らかの対策問題集をやっておくのがよいでしょう。そういった問題集はたくさん出ているので、自分で書店で中を見て、自分に合っていそうなものを選んで、どんどんやっていきましょう。(その前に今やっている教材で基礎固めをしておくことは、もちろん、とても重要です。)
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*1:ただし、2015年、16年に出題形式が変更されているので、それ以前の過去問は今のとは形式が一致しない部分もあります。