【国際関係・国際政治】
今回の実例は、前々回と同じ、亡命したロシア人元外交官の手記から。コンテクストの説明などは前々回のエントリをご参照のほど。 記事はこちら: www.foreignaffairs.com 今回は、前々回のエントリで見た部分の少し先を見ていこう。少々手ごわい文である。
今回の実例は、亡命したロシア人の手記から。 米国に、Foreign Affairsという雑誌がある。雑誌といっても外交・国際関係・国際政治の専門誌で、掲載されているのは日々の動向を報じる報道記事ではなく、専門家や識者による分析記事や学術的な論文が主であり…
今回の実例は、報道記事から。 英国のエリザベス2世が亡くなり、それまでのチャールズ王太子(皇太子)が国王チャールズ3世となり、ウィリアム王子(ケンブリッジ公)が王太子となった。 英国では「王太子」は "Prince of Wales" (ウェールズ大公)と称する…
今回の実例は、Twitterから。 今日は「世界翻訳の日 the International Translation Day」ということで、翻訳という作業をするときに翻訳者が何をするかについて、以前書きかけたものを完成させようと思っていたのだが: おはようございます9月30日は『世界翻…
今回は、前回文字数を大幅に超過してもなお全然書けなかった本エントリ表題の話。 この9月19日に行われた英国でのエリザベス2世の葬儀(ご遺体の安置から礼拝、埋葬までの儀式)と、27日に行われた、2か月半も前に火葬されている安倍元首相の、本来ならば「…
今回の実例は、インタビューを中心に構成された解説・分析系の記事から。 ドイツの首相*1といえばアンゲラ・メルケル氏、という時代が長く続いた。実に、2005年11月から2021年12月までだから、16年以上だった。だから、「メルケルさんの前のドイツの首相は?…
今回の実例は、ある著名な人物の訃報を受けて書かれた激烈な文章から。通例、著名人の訃報を受けて書かれるのは「オビチュアリー (obituary)」で、当ブログでもいくつかオビチュアリーは読んでいるが、今回の文章は書き手も掲載媒体もそのようには位置付けて…
今日も引き続きイレギュラーな感じで。 ガザ地区に攻撃を加えているイスラエル軍と、ガザ地区からイスラエルに攻撃を加えているガザの武装組織(ハマスの武装部門と、イスラム聖戦)の間での停戦(休戦、武力行使の中止)は、破られることなくもっている*1。…
今回の実例も、前回見たのと同じ解説記事から。 2001年9月11日の「同時多発テロ」を受けて、「ネオ・コンサーヴァティヴ(ネオコン neo-con)」と位置付けられる政治家たちが中心的存在だった米国のブッシュ政権が開始した「テロとの戦い war on terror」を…
今回の実例は、時事的な解説記事から。 先週、米国のバイデン大統領が、今年の9月11日までにアフガニスタンから米軍を撤退させる方針を示した。米国が前政権でタリバンとの「和平」とやらを結んだときには、2021年の5月が撤退期限とされていたのだが、それが…
今回の実例は、前回の続きで、国連のInternational Day of Women and Girls in Science (2月11日)に際してのプレスリリースの最後の方、STEM分野(いわゆる理系)と女性・女子の関係について説明している部分を読んでみよう。 記事はこちら: International…
今回の実例は、Twitterから。 国連本部のある米ニューヨークでの時間で2020年10月24日、核兵器禁止条約(Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons, またはNuclear Weapons Ban Treaty)が、発効要件(50か国の批准)を満たし、90日後の来年2021年1月22…
今回は少々趣向を変えて、ノーベル平和賞を受賞した世界食糧計画の活動について。 国連世界食糧計画 (UN World Food Programme: WFP) のノーベル平和賞受賞のニュースは、日本語圏でも結構大きく報じられている。例えば日本経済新聞: 【ロンドン=佐竹実】ノ…
さて、いよいよ前々回と前回に続いて、「病人へのお見舞いの気持ちを英語で表してみよう」の最終回だ。 こんなことは、すでに何冊も世に出ていて、何なら公共図書館にも必ず置いてあるような英文手紙・メールの文例集を見れば1分もかけずに知ることができる…
今回は、いつもとは少し趣向を変えて、報道記事ではわからない詳しい話をネット上で見つけた過程の記録を。 今年も「イグノーベル賞」の季節となった。「イグノーベル Ig Nobel」は、かの「ノーベル賞」のNobelに、《否定》の意味を表す接頭辞のig-をつけた…
今回の実例は、少し前のものだが、6月上旬の報道記事から。 この記事の英文法てんこ盛りのところを扱おうとしていたときに、#BlackLivesMatterが勢いを得て国際的な広がりを見せ、英国でも奴隷商人の像の打ち倒しということが起きたので、しばらくそのトピッ…
今回の実例は報道記事より、テレビの時事系番組での識者の発言を紹介している部分から。 ドナルド・トランプ米大統領がCDC(疾病対策センター)を縮小した自分の責任を回避し、陰謀論を振りかざしてWHOへの資金拠出を停止するとブチあげていることは、日本語…
今回の実例は、アフガニスタンのタリバンと米国の和平合意についての報道記事から。 新型コロナウイルスがこれほどまでに世界的関心を集める切迫した事態になっていなかったら、また、米大統領選挙で民主党の予備選挙でジョー・バイデンがようやく勝利したと…
今回の実例は複数のソースから。 新型コロナウイルスと、豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」のことは、改めてここで説明を書くまでもないだろうが、文脈を示すために初期報道(2020年2月4日付、共同通信)を貼っておく。 クルーズ船「ダイヤモンド・プリ…
今回の実例は、非常にハードな内容の記事から。 今月上旬、日本でのメインのニュースがスポーツ(ラグビー)と台風19号の進路に集中していたころ、シリアの一番北、トルコとの国境ではとんでもない事態が展開していた。 BBC News - Turkey launches offensiv…
昨日こちらを休載して本家ブログに書いた件で鍵となっていたのは《省略》だが、今回はその《省略》について。 《省略》は、一般に広く用いられている文法書では最後のほうにあり、学校英語でも最後の方、つまり高校2年生の後半で習うことがほとんどなのだが…
今回の実例は、少し前に見たG20サミットに際してのプーチン大統領の「リベラリズムはもう古い」発言をめぐってたくさん出た論説記事のひとつから。 プーチン発言に対しては「彼が西欧のリベラリズム、政治的伝統の何を知っているというのだ?」といった反応が…
今回の実例は、先日大阪で開催されたG20サミットの直前、ロシアのプーチン大統領が英国の経済新聞フィナンシャル・タイムズのインタビューに応じて述べた一言が引き起こした波紋についての論説記事から。 件の発言については、インタビューそのものを見てい…
今回の実例は、時事的なトピックに関する論説記事から。 アフリカ東部に位置するスーダンで、30年にわたって強権政治を行ない、ダルフール紛争や南スーダン(現在は独立国)での苛烈な武力弾圧を行なってきたオマル・アル=バシル大統領に反対する民衆のデモ…
今回の実例は、米軍がベトナム戦争のときにベトナムの国土の上に使用した枯葉剤(エージェント・オレンジ)に汚染された空港の後始末が、戦争が終わってから40年以上も経ってからようやく始まるという報道記事から。 記事はこちら: www.bbc.com
今回の実例は、いわゆる「イスラム国(自称)」(以下、「イスイス団」と表記する*1)がシリア国内に有していた支配域を完全に失ったという宣言のあとに続いたニュースから。 シリア内戦は、日本語圏ではかなり雑な説明が横行しているので(その背後には政治…
今回の実例は、アイルランドの外務大臣のTwitterから。トピックは20日に引き続きパンクチュエーション(句読法)と、最上級表現。 Today the Taoiseach, @ciarancannon and I will launch the most ambitious Overseas Development Strategy Ireland has e…
今回の実例は、2019年3月上旬にBBC Newsが出した特集記事から。トピックは中国の通信機器メーカー「ファーウェイ(華為, 英語ではHuawei)」のことで、実例として見る箇所は米国政府が同社製品の使用を禁止したことに関連する部分。 記事はこちら。ページが…
今回の実例はTwitterから。ツイート主は米ブルッキングス研究所のシニアフェローで、国家安全保障(つまり軍事)を専門とする Benjamin Wittesさん。 ツイート1つ分の短い文だが、文法項目がてんこ盛りになっている。内容もおもしろい。いわゆる「アメリカン…
今日もまた同じ出典から。(この記事は文法事項が実際の報道記事の中でどう出てくるかという点で非常に見所が多かった。) www.theguardian.com