Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

イギリス英語では、組織・団体は複数扱い("BBC Are Complicit" という横断幕)

今回は5分で書き終わりたいので、文脈説明なしの実例だけ。

先日、ChatGPTに英文校正させたら、組織・団体が主語のときの動詞を単数形にされたが、これはアメリカ英語で、イギリス英語では複数扱いになる、ということを少し書いた。米語ではLos Angels Dodgers is ... と言うが、英語ではArsenal are ... と言う、ということだ。

その実例を見かけたのでサクっとメモっておく。ロンドンでの抗議行動を伝える写真である。

"BBC You Are Complicit" と書かれた横断幕を、たぶん10人ほどが持って掲げている。これは、単数扱いも複数扱いも関係ないセンテンスである。普通の文体にすれば、

BBC, you are complicit.

であり、「BBCよ、おまえは加担している」の意味だ。

後日、同じグループが同じ横断幕で抗議のスタンディングをしようとしたところ、ダンマクを持てる参加者が少なかったらしい。かくして、1語削ってこうなった。

"BBC You Are Complicit" の "You" を削って、"BBC Are Complicit" としている。

"BBC" は組織・団体の名称で、イギリス英語ではこれは自然な、ごく普通の表現である。

だが、アメリカ英語ではこれは単数扱いとなって "BBC Is Complicit" としないと違和感が出るところなので、このケースでは参加者が少なかろうとなんだろうと頑張って原文のままの長いダンマクを掲げるか、センテンスを作ることをあきらめて、単語だけで "BBC", "Complicit" と2つに分かれて持って立つかすることになるだろう。

BBC, you are disgustingly complicit. End the Genocide in Gaza. Free Palestine. 

 

リフアト先生とこういう話ができてたら、楽しかっただろうな。英語語るのではなく、英語語るの。日本語母語話者からは「英語の冠詞って何なんすか、あれ。アラビア語にもあるんですか、あれ」、アラビア語母語話者からは「アラビア語は『アル』ですね」みたいなゆるい会話。

対訳: Israel Must Free Dr. Hussam Abu Safiya (カマル・アドワン病院の院長の身柄をイスラエルは解放するようにと求める署名)

本エントリには、ガザ地区北部、カマル・アドワン病院(2024年12月27日、イスラエル軍により制圧)からイスラエル軍によって連行された同院院長のホサム・アブ・サフィヤ医師の身柄解放を求める下記請願文・署名(米国の正副大統領宛て)の対訳を掲載します。

www.change.org

本稿は、2025年1月5日に版下を作成した印刷物(PDFはこちら)のために訳出したものである。日本語圏の人にこの署名の存在と内容を知らせ、署名者を増やすことを目的とした私訳であり、翻訳許可などは取っていない。ただし、Change.orgの署名の主催者に「訳したから、よかったらリンクなどしてください」といった連絡を取ることはするかもしれない。Twitter/XでQuoteする形で連絡済み。LikeとRepostをもらいました。

印刷物の写真はこれ。水曜日の池袋のスタンディング等で配る予定。A面は今回このエントリに掲載する請願文の日本語訳で、B面は先日当ブログに掲載したガザ保健省の請願文の日本語訳と原文である。: 

以下、訳文はCC BY-NC-SA 4.0 Internationalでの公開です。営利目的でなければご自由にお使いくださって構いません。ただし派生物(印刷物など)に関しては、当ファイルと同じ条件で公開することを条件とします。営利目的(商業出版など)でのご利用については、当ブログのフォームからご相談ください。翻訳者名は nofrills もしくは https://freefree.ps/@nofrills と記載していただけるとありがたいです。

This work is licensed under CC BY-NC-SA 4.0

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inかduringか……Chat GPTに英文校正してもらったよ(カマル・アドワン病院の院長先生の解放を求めて、私にもできること)

前回のブログで取り上げた、ガザ地区北部で唯一(部分的にでも)機能していた病院、カマル・アドワン病院が完全に破壊され、病院長をはじめ医療スタッフがイスラエルに逮捕され拘束されている件で、前回のブログで紹介した署名のほか、さらなるアクションを取ることができるということを、Twitter/Xで @AsadoriQさんによって教えられた

つまり、英語で意見をまとめて、イスラエルのジェノサイドを全面的に支持しているEUの要人や、EU加盟国外相にメールで送信するという手がある、ということだ。

メールなので、同一のテンプレ文をみんなで送信するというよりは、ここに文面を考えて書きたいという方も多いだろうし、文面例はいくらあってもいいだろう。

というわけで、私も書いてGoogle Docsにアップした。アクションの参考にしていただければと思う。

Dear 相手の肩書きと名前
https://action.eko.org/a/eu-israel-impact-hub1?akid=141654.22729136.c-OeA7&rd=1&source=fwd&t=2 の一覧の「名前 - 肩書き」を参考に】

I am writing to strongly urge that you immediately intervene to secure the release of Dr Hussam Abu Safiyah, who has been unlawfully arrested and detained by the Israel Defense Forces. 

Dr Safiyah is a respected Palestinian medical doctor and the director of Kamal Adwan Hospital, which was completely destroyed after being set on fire by the Israeli army at the end of the year 2024. The now wrecked hospital was the last functioning one in the northern part of the Gaza Strip, where the Israelis have been carrying out the so-called General's Plan, aimed at wiping out the Palestinian population in Northern Gaza. 

After being besieged for months, the people who remained at the hospital, including medical staff, patients and civilians in the area, were forcibly removed, humiliated and degraded, with some illegally detained by the army. This alone would constitute a war crime in a normal world, let alone shelling a hospital and killing medical doctors, nurses and first responders. 

Dr Hussam Abu Safiyah is among those who were abducted on 27 December 2024 after the Israeli forces stormed the hospital. According to several news sources including CNN, the docter and other medics from Kamal Adwan Hospital are being held at Sde Teiman military detention center. This is extremely alarming, as it is notorious for the worst kinds of human rights violations such as torture, sexual abuse and rape. Dozens of the Palestinian detainees have already been killed there during the current Israeli war on Gaza. 

We hereby call on you to demand that Israel immediately release Dr Hussam Abu Safiyah and other innocent medical personnel from Kamal Adwan Hospital. Regrettably, so far we have seen very little from your side to stop this textbook-case genocide. Instead, we have been witnessing the international rule of law being dismantled by the very ones who established it after World War II. It is well beyond time for you to change course and begin applying sanctions to the country—politically, economically, and militarily.

Yours sincerely,
お名前 【例えば John Doe

以下、この文面作成時に英文校正ツールとしてChat GPTを使ったので、そのことについてのメモ。

Chat GPTのOpen AIはイスラエル支持という点で非常に問題のある企業だが、実際に英文校正の内容面であてになるところがここしか思いつかなかったということで今回使用した、ということを最初にお断りしておく。そのことで不快になる方がいらしたら、この先には進まず、閲覧を停止してくださってかまわない。「ついでだからブログに書いちゃれ」と考えたときに、「AIによる英文校正」の実例を示すにはやはりポピュラーなChat GPTがよかろうという要素もあった。

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やっぱりDeepL翻訳は実用には無理。今ならGoogle翻訳の方がいいんじゃないか(カマル・アドワン病院の院長の身柄解放要請署名)

ガザ地区では、北部で唯一まだ一部でも機能していた病院が、何か月も攻撃を受け続けた挙句、クリスマスの後にイスラエル軍の総攻撃を受けて完全に破壊され、燃やされるということが起きている。ウクライナでロシアがやったことを何倍にもしたようなひどさである。これはイスラエルによる明白な戦争犯罪のなかでも最もひどいものだ。だが、世の中は静かだ。

病院内には、元からの入院患者のほか、イスラエルの攻撃で負傷して運び込まれてきた人や、避難してきていた近隣住民もいた。もちろん、医師や看護師、機械の技術者などの医療スタッフもいる。総攻撃前に、病院の建物の脇が爆破されたり、病院内に向けて砲撃や銃撃が行われたりしていて(この段階ですでにひどすぎるのだが、そういうことはもう完全に常態化されてしまった)、医療スタッフも死傷していた。病院長のフッサム・アブー・サフィヤ医師(小児科)もそのひとりだ。院長は、自身が負傷しながら、また息子を殺戮されながらも、毎日、病院内からこの事態の停止を求める呼びかけを行っていた。毎日、である。

私の見ている画面にも院長の映像は毎日流れてきたし、私はそれをリツイート/リポストしていた。だが、リアル世界で私が接する人のなかで関心らしい関心を示した人はあまりいなかった――パレスチナ連帯スタンディングの現場でも、である。

ともあれ、病院は総攻撃を受け、中にいた人々は脱衣を強要される、女性は髪を覆うヒジャブを奪い取られるといったひどい屈辱をうけさせられた上に強制連行された。病院は、火を放たれた。動けない状態の人は焼き殺されたことだろう。医療スタッフも何人か焼き殺されたと伝えられている。

院長は白衣姿で、単身、瓦礫のなかを歩いて、イスラエル軍の戦車に向かって歩き、「投降」した。その後、「イスラエルの拷問施設」として知られるスデ・テイマン強制収容所に送られた。この収容所では、先に総攻撃を受けたガザ地区最大の病院、アル=シファ病院のアル=ブルシュ院長が、強姦されて(つまり異物を挿入され)放置され、殺されている。

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「ガザ市民」を名乗る募金詐欺の可能性について(実例つき)

■目次■

  • 病院が次々と攻撃対象とされているガザ地区北部の無法と惨状
    • カマル・アドワン病院
  • ガザの人々によるクラウドファンディング
    • 真正なアカウントかそうでないか
      • SNSなどで見かけるクラファンが真正であるかどうかが確認しきれない場合の寄付先としては
    • 私が遭遇した疑わしい事例
      • 少なくともこの夏まで、Twitterの古株からは「お金を送って」という要請は一度もなかった
      • クラファンのサイトなどでの、ベーシックな確認の方法
      • 「ガザの看護師」からの要請(10月下旬)
      • 「ガザの看護師」氏との再会(12月下旬)
  • おまけ: 「ダマスカスのゲイ・ガール」の事案

 

病院が次々と攻撃対象とされているガザ地区北部の無法と惨状

ガザ地区北部が本当にめちゃくちゃな状況になっていて、3つある設備の整っていた病院のうち、1つはぺちゃんこにされた建物の前でイスラエル兵が会心の笑みを浮かべて自撮りしており*1、もう1つは今まさに包囲攻撃下にあり、医師・看護師や患者、避難民が中にいるままでイスラエルの銃撃・砲撃などにさらされ、戦場に投入された無人の爆破装置(「爆発物を搭載したロボット」と説明されているが、遠隔操作可能な軍用車両に爆破装置の仕掛けがなされたもののよう)による攻撃も行われており*2、もう1つでは、門の前にあったジャーナリストの車(PRESSと表示されたミニバス的な車)がイスラエルの攻撃を食らって中にいた5人のジャーナリストが生きたまま焼き殺された*3

カマル・アドワン病院

とりわけ、カマル・アドワン病院の状況はあまりに深刻で(世界の主流メディアが完全に無視しているような状態だからより一層深刻)、イスラエルはクリスマスに首相が「キリスト教徒の皆さんに友愛を」云々というスピーチをする一方で、病院を攻撃する(しかもとんでもないやり方で)ということを、せめて記録だけはしなければならないと思っているのだが、全然作業が追い付かない状態である。

togetter.com

カマル・アドワン病院のことは、マスコミがほぼ報じてないから、ほぼ誰も知らない。パレスチナ連帯運動で街頭に立っているような人でも知らない。私が使っているSNSでこれについての話が十分に意味を成す程度の量をもって流れてきているのはTwitter/Xだけだ。そして今、Twitter/Xを使っていると「イーロン・マスクを利する行為をしている者」として白眼視されるのだが(無料アカウントがあのサイトをどんだけ使ったって、奴に実際の利益をもたらすことはないんだけどね、頭数になってしまうだけで)、そう言ってる人々は、ガザのことになど関心はかけらもないのだろう。

ガザの人々によるクラウドファンディング

さて、そのような状況下だが、ガザ地区のほぼ完全な破壊(人口の96%が家を失い、職場が消えて職を失った人もとんでもなく多い)と、完全封鎖(物資がほとんど入らないので、青空市場で売ってるものもとんでもない価格になっている。昨日の報告ではお米1キロで日本円に換算して2500円近く*4)のなかで生きることを余儀なくされている人々は、最終手段として、個人が手はずを整えて実施するクラウドファンディングという方法で、生活費を得ている。

これらのクラウドファンディングは、今年に入ってから激増したのだが、当初は「破壊された家を修復する費用」とか「失業したが薬が高騰しているので医療費が必要」とか「次にラファの検問所があいたときにエジプトに脱出するための費用」とかいった名目で集められていたものが、今では「明日の食べ物を買うためのお金」のような直接の生活費になっている。私がフォローしているガザの人々でも、自分と自分の家族の生活費をそうやって募っている人は少なくない。

真正なアカウントかそうでないか

というわけで、募金要請のTwitter/Xアカウントは非常に多くあるのだが、そのすべてが真正であるわけではない。

*1:インドネシア病院。ベイト・ラヒヤ。

*2:カマル・アドワン病院。ベイト・ラヒヤとジャバリア難民キャンプの境のあたり。

*3:アル=アウダ病院。ジャバリア。

*4:日本でも米価はすごくて、去年まで5キロ2000円内で余裕で買えていたお米が、今は5キロ3500円では買えず、4000円の予算が必要になっているのだが。

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前置詞のcome, 未来完了, 助動詞+have+過去分詞, など(スコットランド前首相ハムザ・ユーサフの政界引退表明)

Twitter/Xを見てたら、《前置詞のcome》の実例があった。これは普通にウェブ検索やコーパス検索をしても非常に見つけづらく、実例は見るたびにメモっておきたいのだが、当ブログでは、これまでに1例しかメモれていない。貴重な実例だ。

発言主は、今年4月までスコットランド自治政府の首相を務めていたハムザ・ユーサフである。1985年グラスゴーに生まれたユーサフは、まだ40歳にもならない若さだが、2011年に26歳でスコットランド自治議会に初当選している。

実例としてメモっておきたい投稿は、そのことに関連する一文で書き出されている。

ていうか、ここは何ですか、《完了形》の鉱脈か何かですかね。(目をキラキラさせながら)

ともあれ、ひとつずつ見ていこう。

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"Remember me", or what's not to be lost among the destroyed university buildings /破壊された大学と、決して失われぬものについて

はじめに Introduction: 

今回は英文法解説とかじゃなくてただの文章。英語と日本語の二本立てで書きます。12月6日、ガザのリフアト・アルアライールさんが殺されて1年になる日に、リフアトさんについてガザと薄くつながっている線の上でふらふらと踊るようにしながら書き始めました。最初に英語、次に日本語です。

Basically this blog is about English grammar tips, but today I'm going to post an essay in English, and a companion piece in Japanese.  Inspired by a post by Majd, a Gazan on Twitter/X, I started writing the English version on 6th December 2024, one year to the day since Israel killed Dr Refaat Alreer. 

英語圏(というか米国)では、10日にリフアトさんの遺稿集が出ます。版元は米ニューヨークの独立出版社、O/R Booksです。版元のサイトに内容見本などが出ています。米国では、これを(あえて)Amazonで注文して、ベストセラーリストの1位に入れようという運動があります。

10th December sees Refaat's book on sale in the US. It's published by O/R/ Books, an indepentent publisher in NY, USA. They have excerpts and page samples on their website. I crave for a paper copy but may have to resort to an e-book

orbooks.com

目次 Contents: 

  • In English
    • The Beacon of Knowledge
    • Light a candle
    • "Remember me"
  • In Japanese 日本語 (not a straight translation of the above): 
    • ろうそくを灯してほしい
  • 追記

 

In English

The Beacon of Knowledge

The other day, while I was translating something that I still dare not speak publicly about, I came across this phrase, referring to a university in Gaza: the beacon of knowledge. 

In Gaza, and perhaps anywhere in the world, universities are local landmarks. Something you can't miss when you pass by, and can be seen over the city from a distant viewpoint. And that landmark has an awful lot of knowledge in it! It has lasted and will last for a very long time, sometimes centuries. My own university, located in a Tokyo suburb, is more than 100 years old. Considering it was in the second half of the19th century that Japan came to have western-style universities, it's quite old. One of the oldest, perhaps. It will remain there long after I die. It will last for a very long time, giving its students an awful lot of knowledge and producing an awful lot of tales. 

I translated the phrase into Japanese as "something that shows you where knowledge is", having in my mind a picture of almost intimidating appearance of a typical university building. That might be a Tokyo university. Or a London one. Or a university in Gaza. It could be any university I've seen in pictures, or in person. 

After a careful and precise proofreading by an awesome friend of mine, I changed the line into "something that guides you to knowledge", which sounds better and more suitable. Something more abstract.

For there's no university left in Gaza. There are no more university buildings that stand and welcome students, professors and citizens who want to read and/or attend lectures that are open to non-students. No such thing exists in Gaza any more. University buildings stand in ruins. Perhaps they now exist only metaphysically. 

That is, universities in the abstract. What makes you sadder? 

One of my placards that I recently printed, based on Majd's post:  https://x.com/Majdomar__/status/1863344133894439041
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「これはジェノサイドである」――アモス・ゴールドバーグ教授(ヘブライ大学)のご発言に、日本語字幕をつけました。 #ガザ市民のための声翻訳 #ガザ #Gaza

"Yes, it's a genocide" と題するシンプルなビデオが、12月4日にTwitter/X上の英語圏でバズっていた。ビデオの主は、英国のBrexitというカオスの中から生まれた稀代の風刺アクティヴィズム(というものがあるとして)集団、Led By Donkeysだ。そして「その通り、これはジェノサイド(の一例)です」という言葉の主は、イスラエル人のジェノサイド研究者、アモス・ゴールドバーグさんである。

www.youtube.com

4日の夜(から5日の早朝にかけて)、私は4日に出たばかりのステファニー・クープさんのご著書『国際法からとらえるパレスチナQ&A イスラエルの犯罪を止めるために』(岩波ブックレット、700円弱)*1を読んでいたのだが: 

読書を中断して、Led By Donkeysのビデオ(というかアモス・ゴールドバーグさんのご発言)を日本語化することにした。

字幕翻訳は素人だが、日本語圏で即座に共有しておくべき点がてんこもりだからだ。事実に関する否認論に、これ以上の居場所を与えてはならない。

YouTubeで字幕をつける機能があるので、それを利用した。4分15秒程度の映像だが、ずっとしゃべりっぱなしでみっちり詰まっているし、話の内容は専門的で用語確認も必要だしで、字幕を表示するタイミングの調整にも手間取って、作業にはほぼ3時間を要した*2Led By Donkeysには翻訳の連絡を入れてある

www.youtube.com

ゴールドバーグ教授の言葉は、可能であれば、音声として、耳から入れていただきたいのだが(言葉は元々音声であり、空気の振動であり、それが他者の心に伝わるものだということが感じられる声)、耳から入れるより目から入れたい方には、Led By DonkeysのTwitter/X投稿で全文がテキストでアップされているのをご覧いただければと思う。

英語の字幕は映像に最初から入っている(YouTubeの画面で字幕をオンにしなくても大丈夫)。私がつけた日本語の字幕は、その上に表示されるようになっている。再生ボタンを押しても日本語字幕が表示されない場合は、下図で矢印をつけてあるように、歯車のアイコンをクリックして[字幕]から[日本語]を選択すれば表示できる。

今回のブログの本体は以上。

以下、「有料部分」には、英文法・語法解説と、発言者やビデオのアップ主について、書いていく。

 

■目次■

発言主のアモス・ゴールドバーグ氏について

Amos Goldberg is a professor in the Department of Jewish History and Contemporary Jewry at the Hebrew University of Jerusalem and a fellow of the Van Leer Jerusalem Institute, also sitting on the institute's editorial board. Goldberg has published widely on The Holocaust, and was the editor of the journal Dapim: Studies on the Holocaust (2004–2014).

Amos Goldberg - Wikipedia

ざっと日本語化すると、「アモス・ゴールドバーグ氏は、エルサレムにあるヘブライ大学のユダヤ史・現代ユダヤ民族学科(日本語の正式な訳が私には確認できない。正式な名称ではないかもしれない)教授。ヘブライ大学は、日本でいえば東京大学みたいな存在である。Van Leer Jerusalem Instituteという人文科学・社会科学の研究機関のフェローもつとめ、この機関の編集理事でもある。ホロコーストに関する著作は数多く、2004年から14年の間は、ホロコースト研究の学術誌Dapimの編集者でもあった」。

つまり、このトピックに関して政治的な思惑に左右されて発言するような立場ではないガチの専門家で、非常に信頼性の高い発言主である。

 

*1:ハンユニスの学校の先生で、自助というか共助団体のCare For Gazaをやってるムハンマド氏や、ジャーナリストのヒンド・フーダリー氏の現地報告がフィーチャーされてる。

*2:時給1000円で計算して3000円分、専門技能らしく時給2000円で計算して6000円分のボランティアである。

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hardly any ~, 不定冠詞aに複数形の名詞が続いている例, no sooner + 倒置の構文, など(韓国、大統領がいきなり戒厳令→秒殺)

いや、びっくりした。

昨日の夜というか今日の早朝、ふとTwitter/Xの画面を見たら下記のようになっていた。

この画面を見て、私は、「シリア情勢が急激にアレなことになっとるな、やはりヒズボラがいないと……」などとひとりで納得した。Trendingの項目にあるMartial Law(戒厳令)は、Damascus(シリアの首都、ダマスカス)と関連しているものだと思い込んでいたのである。

"Martial Law" の文字列をクリックするまでは。

トムとジェリー』で、ジェリーが何かしようとしているのを発見したトムみたいな顔になった。目玉がびょーんと前に飛び出すやつ。声も出なかった。

私は別なことをやっていたのでニュースに気づくのが遅く、「これはいったい何」ということを把握して、その飛び出した目玉が元に戻るころには、事態は展開しまくっていた。大統領が何やら陰謀論的なものを開陳しているのを英訳で読み終わったころには、国会議事堂にかけつけ、封鎖も乗り越えて窓を破って議場に入った議員たちが、決議案を可決していた。

はえぇ。ジェットコースター・ドラマか。

突然だがここで英文法解説。

There are hardly any from President Yoon’s party

太字にした "hardly" は《準否定語》で、「ほとんど~ない」の意味。直接扱うのは難しく感じる人は、解釈するときにはnotで仮に置き換えて考えるとよい(There are not any from ... と考える)。要するに否定語なのだが、それとanyが一緒にあるので「ほとんどまったく~ない」の意味。

この "any" の直後には、先行する投稿(前の文)にあるmembersが省略されている(Membersというか、members of parliamentであるが)。繰り返しを避けるためというか、いわずもがなのことなので省略されているという事例だ。

There are hardly any members of parliament from President Yoon’s party

文意は「ユン大統領の政党の議員はほとんどだれもいない」。

「野党がー」と言いつのって戒厳令を出した大統領が、「あんな人たち」扱いをしている人たちが、民主主義の手続きにのっとって、戒厳令という無茶を粛々とひっくり返したのだ。ものすごい短時間の間に。

鮮やかである。さすがである。全Twitter/Xが震えていたであろう。

英文法解説。《最上級 + ever》の表現が使われている。「史上最も~な」の意味である。皮肉やあてこすり、あるいは誇張で使われることも多いが、ここでは文字通りの意味。文意は「これは史上最短の戒厳令ですかね?」句読法も含めてきっちりした英語で書かれているが、発言者はカナダで経済や市場に関する調査や分析の仕事をしている人のようだ。

そしてこの「史上最短」については: 

「なんかすさまじい2時間だった」。2時間! 映画館に入って、映画観終わって出てくるくらいの時間! 長尺映画だったら、2時間なんて映画観てる間にすぎてしまう。

……というように、"2 hours" をひとつのまとまりとして扱っているので、複数形のhoursなのに、単数形につく《不定冠詞》の "a" がついている。

同じことを言っているのが、下記のミーム画像である。

ここで、客相手に武勇伝をおもしろおかしく披露する(というシーンだと思うが)バーテンが言っている "That was a scary couple of hours." は、

That was a scary two hours.

と表すこともできる(a couple of を使った方が自然だと思うが)。a couple of ~は「(同じものが)2つ」の意味で、日常生活ではa couple of minutes[hours, days, weeks, etc]の形でよく出てくる。

韓国の2時間で終わった戒厳令について書かれたものから、もうひとつ。ソウルを拠点とするフリーランスのジャーナリスト*1の投稿だ。

第1文の "can be" は、とても日常的な表現だが、自分で使いたいときに使えるようにするには練習が必要な表現だ。いろいろ言ってみるといい。Trains can be very crowded even in the afternoon on a Wednesday. (水曜日の午後でも、電車はとても混むことがある)とか、Fruits can be too costly for an ordinary worker like me. (果物は、わたしのような普通の労働者には高価すぎることもある)とか、10個くらい自分で文例を考えると、だいたい使えるようになる。

文法ポイントがあるのは第2文。んでもって、日本の英語教育では、「こんな小難しい言い方をする人はいない。暗記のための詰め込み教育は無駄」的な根拠不明な言説にあおられて、こういう表現を教えなかった時期があるのだが、こういう構文は普通に英文でニュースなどを読んでいれば1日に1度は遭遇する。TwitterXのような気軽な場でさえこういうふうに使われているのだ。

No sooner had martial law been declared than protesters appeared with paper banners demanding it to end.

《no sooner ~ than ...》は、基本的に《比較》の表現で、「…よりゼロだけ早く」と直訳できる(noは「ゼロ」の意味)。つまり「…と~はほぼ同時」みたいな意味だ。これを、もっとこなれた日本語で、「~するや否や、…」とか「~するとすぐに、…」と日本語にするのが一般的である。

Noという否定語が強調のために文頭に出て(それと強くつながっているsoonerも一緒になっている)、そのあとは《倒置》が起きている。

martial law had been declared

→ No sooner had martial law been declared

文意は、「戒厳令が宣言されるとすぐに、戒厳令終結を要求する紙のバナーを持ったデモ隊が現れた」の意味。自分でパソコンで作ったり、手書きしたりしたプラカード的なものを持って、人々が集結したのである。夜中に。しかも戒厳令が出されてから1時間もしないうちに人々は集まったという。

強い。

 

というわけで、「えっ、韓国で戒厳令?」とびっくりし、私でも知っている先例のことを考えて頭をぐるぐるさせているうちに、民主主義国家らしい手続きが粛々と勧められて戒厳令が解かれたという怒涛のような2時間について、Twitter/X上の英語圏を見ていたら、あれこれ文法項目が目に入ったよ、というお話しでした。

ガザ・ジェノサイドについては英文法がどうのこうのという余裕はほとんどない。とにかくおこなわれていることがひどすぎるのと、それについて書かれた文が大量すぎる。でも、本当は、ガザの人たちが封鎖下にあってあれほどに優れた英語を使えるようになっているのはなぜかということを、もっと知りたい。その一端は、2023年12月7日に爆殺されたリフアト・アルアライール教授が編集した、ガザの若者たちが英語で書いた短編小説集の前書きに、リフアト先生自身が書いていることからうかがえる。

この本が、つい最近、日本語に翻訳された。

 

Let it be a tale. 

※……と言っても、今回、特に中身はないです。書いてる間に『ブレグジットの日に少女は死んだ』の話になったりしてます。

 

※ここまでで約5000字

*1:この方はフリーランスだが、大手報道機関の特派員でも、20年前なら東京や香港を拠点としていたかもしれない東アジア担当のジャーナリストが、最近はソウルを拠点とするようになっている。

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ガザで何百人ものアスリートが殺されていることが不問に付されるなか、アムステルダムで「暴徒化」したのは誰だったのか(英文法解説つき)

11月8日(金)の深夜、「アムステルダムでサッカーファンが暴徒化してイスラエル人が襲われた」的な話が流れてきた。まるでアムステルダムユダヤ人標的のテロ計画でもあったかのような書きぶりの記事もあったが、何があったのか、具体的に中身を見てみたら、そういう話ではなかった。

もはや「フェイクニュース」などということばを誰も使わなくなった今、こういうことが白日のもとで起きている。しかも「欧米」が主導している。日本で盛り上がる「背後にロシアの影」云々のたわごとすらも出る状況にない。

唖然とするよりない。

以下、とても長い。あと、今回は英文法解説もある。

■目次■

 

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私のTwitterアカウントに、何が起こったか (A very lengthy post with a much shorter English version)

10月26日時点で鋭意執筆中……URLを確定する必要があるので中身のない状態でアップロードしています。このあと、出かける用事があるので、帰ってきたらアップします。→予定を超過して24時間を要してしまいましたが、10月27日にアップしました。

書かねば、書かねばと思っているうちに3か月。その間、ただぼーっとしていたわけではないのだが、3か月も「放置」してしまったことは申し訳なく感じている。

Below, I'm very extensively explaining in Japanese what happened to my Twitter/X account. A much shorter version in English follows at the bottom. For your convenience, I'd recommend you use the link in the table of contents below. 

次の「続きを読む」の先に目次がある。

Please proceed to find the table of contents by cliking 続きを読む. Thank you. 

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「地面」の意味で使われるfloor(ロンドン、レスター・スクエアの傷害事件で、極右デマが始まりそうな情報空間を見た)

7月末にマージーサードのサウスポートで子供たちが何人も連続して切り付けられ3人が亡くなるという痛ましい事件があってからしばらく続いていた英国(主にイングランドと、北アイルランド)の極右のネットワークによる暴動は、日本でも関心を集めたようだ。ただその関心の少なからぬ部分が「背後にロシアが絡んでいる」という誤情報、もしくは「ロシアがらみでは」という推測に基づくものだったようで、英国ウォッチャーとしては「ロシアなんか絡んでこなくたって英国では極右は活動してます。もうずっと昔っから」と指摘しなければならないだろう。イーロン・マスクが英国でものすごい影響力を持っているかのような認識もあるようだが、英国でのインフルエンサーはマスク以上のがごろごろしているわけで、「マスクがー」ってのもちょっと違う。

そう思ってブログを書こうとしているのだが、何せそんなことは書いてて楽しいわけでもなんでもないのだから、全然やる気にならない。しかもこの暑さである。ここ数日は、東北地方にいきなり上陸した台風のおかげで、その南側に入っていた関東地方は熱帯の空気を直送していただいている状態で、気温は35度程度と今となってはさほどではない気温かもしれないが、「暑さの質が違う」としか言いようがなく、もうほんとに何もできない。

そうやってだらだらしているときに、イングランドでまた、子供が刺されるという痛ましい事件が起きた。今度はロンドン、それもレスター・スクエアだ。東京で言えば新宿アルタ前とか、六本木交差点とか、銀座和光前みたいな、超メジャーなスポットである。

そしてまた、Twitter/Xでは、サウスポートのときのように、「子供を襲う外国人*1」というステレオタイプを一方的に連想しては、(石原慎太郎が何度も繰り返し強調して言っていたような)「悪い外国人」という言説をばらまこうという動きが見られた。

今回、それをちょっと見ていたので、そのことを記録しがてら、その過程で遭遇した英語の語法実例について書いていきたい。

 

◆目次◆

  • レスター・スクエアでの事件
    • レスター・スクエア (Leicester Square)
    • 刃物男が女性と女子を刺し、警察に身柄を拘束された、という報道
    • 事件現場
    • ニュースに飛びついた極右インフルエンサーたち
      • トミー・ロビンソン(本名スティーヴン・ヤックスレイ=レノン)
      • アンドルー・テイト
    • 事件のヒーロー
    • 取り押さえられ、警察に拘束された容疑者は白人
  • 英文法・語法の実例
  • 極右デマが始まりそうだったネット上の界隈
    • アンドルー・テイトの投稿のリプライ欄
    • Twitter/Xという場
  • 事件翌日、容疑者の名前が判明して……
  • おまけ

 

*1:immigrant「移民」やasylum seeker「難民申請者」とカテゴライズされる人々だが、日本語では「外国人」と表現するのがいいと思う。

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be going to do ~を使った表現, have no idea+what節, など(ガザの大量料理人と、Twitter/Xでの心温まるやり取り) #ガザ市民の声翻訳 #ガザ #Gaza

たまには心温まることを書こう。

先日、当ブログでエントリ化した刷り物で取り上げている、ガザのWatermelon Reliefで、真顔で大鍋で大量の料理を作って子供たちを笑顔にしているハマダさんの7日の投稿: 

パンクチュエーションがくだけた文体のものになっているので、それを格式ばったものに改めると: 

I'm gonna need your help, my Spanish-speaking friends..

I was sent this video, but have no idea what she is saying.

Thank you @informativost5 for this report.

というふうになるだろうか。

英文としては、ほぼ誰でも「読めばわかる」文だと思うが、自分でゼロからこれが書ける/言えるかどうかは別で、もし書けなければ、暗記して、自分で使える文のベースとして頭の中にストックしておくといいと思う。「復文」の練習素材にしてもいいだろう。

文面を見ていこう。

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「~を経験する」の意味のsee, 感覚動詞+目的語+過去分詞(ヘイトに基いたイングランドの組織的な極右暴動とSNSでのデマの拡散、フェイクニュース)

イングランドで、悲惨な事件が起きて、それを利用して極右が暴れている。

そのニュースを追って(ものすごく久しぶりに)ガーディアンの報道記事*1を読んでいたら、この内容はどうしても書き留めておかなくちゃと思うと同時に、収集している英文法・語法の実例に遭遇した。

というわけで、昔のような形式のエントリをこれから書く。

◆目次◆

  • サウスポートという街で、事件は起きた
    • サウスポートという街
    • 7月29日のひどい事件
    • 容疑者は17歳(だから名前も即時公表されない)
    • 暴動
      • なぜモスクが標的に
  • 誤情報の拡散についてのガーディアン記事
    • 英文法・語法の実例の箇所
  • 誤情報拡散についての関連記事と、拡散元サイトの1つの内容
    • このサイト、中の人の名前がわからない
    • このサイト、記事が古い
  • ちなみにその後、暴動は……

*1:ガザ・ジェノサイドに際してのシオニスト丸出しの姿勢にうんざりして、昨年10月にアプリを消して以来、ガーディアンでは個人が寄稿する論説記事しか読んでいない。報道記事はガーディアンのは読まなくなってしまった。

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極限状態のガザ地区で、自身も苦境にありながら、ほかの人たちや動物たちを助ける活動をしている人々(リンク集)

昨年10月にTwitter/Xで始めた翻訳ハッシュタグについて、紙に印刷してネットの外(リアル世界)に持ち出すようになったのが今年になってからのことだ。細長い短冊形で、A4で6枚取るという小さなスペースのものだった。

ハッシュタグ(現在は廃用)紹介の短冊

この初代の翻訳ハッシュタグの印刷物を配り始めたまさにその日にとんでもないことが出来し、普通にツイートを読んでるだけではわからないし、部外者が簡単に書けるようなものではない(しかし、翻訳などをするなら当然想定しておかねばならないような)各種の危険をおかして発言を続けているガザの人々の安全を脅かすと判断したので、初代のハッシュタグはほどなく自分の中では廃用とし、数日のうちに2代目のハッシュタグに差し替えることになった。それの印刷物も作った。

#ガザ市民の声翻訳 と #ガザ市民のための声翻訳 ハッシュタグ紹介の短冊。2月から配布

この「短冊」は、最初は表面にハッシュタグを印刷しているだけだったが*1、手渡した人が裏返しているのを何度か見たので、裏面も活用しようと考えて、ずーっと前からフォローしているガザの学校の先生ムハンマド氏がやっている支援活動*2Care For Gaza (CFG) を紹介する文面をこしらえて、gofundme.comのページのQRコードをつけるなどするようになった。

片面でハッシュタグ紹介、もう片面で現地支援団体を紹介した短冊。5月から配布

やがて、CFGに加え、私が「真顔料理ニキ」と呼んでいる料理人ハマダ氏(支援物資の特に美味しくはなさそうな食材を使って子供たちを笑顔にするなかなかの豪華料理をすごい大鍋で作ってて見事なのだが、その様子を収めたTikTok調の映像ではなぜかずっと真顔でカメラ目線なのである。ちなみに彼は元々フードブロガーだ)や、サッカー好きのジャーナリスト、アフメド氏らの支援活動であるWatermelon Reliefの紹介文とgfmのQRコードも付け加え、それを6月のプライド月間に合わせてセレクトした翻訳ハッシュタグからの抜粋と裏表にしたA5判の印刷物を、6月から7月にかけて、池袋、新宿、高円寺などで配った。

片面にハッシュタグ紹介(Pride月間仕様)、もう片面に現地支援団体2件の紹介の印刷物。6月から7月に配布

そして、その印刷物約600部(もっとあったかも)を配り終えた今、さらに多くの支援団体を紹介すべく、新たな印刷物を作っているのだが(後述)、A5のスペースにはどうにも収まりきらない。

というわけで、そういった支援活動の情報を、ブログにまとめておくことにした。

ブログなら、紙のような「スペース(紙面の面積)」という制約もないし、Twitter/Xを埋め込むこともできるので、紙よりも詳しく紹介できるだろう。

なお、ここでは個人のガザ退避のための募金活動は基本的に扱わない。それが未来への唯一の希望となっていたり、精神的にもっと深刻なことになっていたりするケースを私はいくつも知っているが、それは別なカテゴリなように思うのだ。(ただし、他者のための支援活動をしている人が、自身の家族のために募っている募金には言及すると思う。)

極限状態にあって、人が人を助け、動物を助けるということは、「生命の尊厳」そのもののための活動だ。それを、世界中の人たちがネットワークを作って支えていこうとしている。

「ジェノサイドが起こるのをただ放置している世界」は、実はただ放置しているだけでなく、政治的意思決定層を動かそうと努力しても動かすことができずにいる一般人は、個人にできる限りのことをしている。そのことは、記憶にも記録にもとどめるべきだろう。

以下、書きかけ。とりあえず、ページのURLを決めるためだけに、ここまで書いていったんアップする。

◆目次◆

  • 極限状態のガザ地区で、自身も苦境にありながら、他者や動物を助けるため尽力する人々にご支援を
    • Care For Gaza (CFG) 
    • Watermelon Relief 
    • Cat lover 
    • Sulala Animal Rescue (Sulala Society) 
    • Salam Animal Care
    • Help Animal Gaza
    • Cruelty Free Meals for North Gaza
    • Gaza Animal Care 
    • eSIMの寄付

 

*1:その後、マイナーバージョンアップで、ハッシュタグQRコードも入れるようにした。

*2:今般のジェノサイドが始まる前から、恵まれない立場の人たちに食料支援などをしていた。

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