Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

whatを用いて《原因・理由》を尋ねる表現(無生物主語), やや長い文, 【ボキャビル】bring home ~, 挿入, remind A of B, the+形容詞, 同格, 助動詞+have+過去分詞

前回のエントリで見た文について、「ちょっと難しくてよくわからない」という感想をいただいたので、今回は前回の続きにしよう。

記事を読むための前提知識的なことは前回書いてあるものを参照。記事はこちら: 

www.theguardian.com

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not only A but B, 〈感情〉の原因・理由を表すthat節 (英国の無情な政策、「ウィンドラッシュ・スキャンダル」)

今回の実例は、ガーディアンの日曜版であるオブザーヴァーに掲載された、週末の長文記事から。

「ウィンドラッシュ」と聞いてピンとくる人は日本語圏では少ないだろう。第二次世界大戦後に英国の覇権が過去のものとなり、大英帝国が英連邦になったときに、英国の支配下にあったカリブ海諸国やアジア諸国からブリテン島に大勢の「移民」が渡った。「移民」といっても大英帝国の国民(より正確には、英国の場合は臣民)なのだから、国内の移動・移住だ。だが有色人種の彼らは「移民」と呼ばれた。「ウィンドラッシュ Windrish」はその「移民」たちを大勢載せた船の名前だ。

ウィンドラッシュ号でブリテン島に渡った人々は英国市民として、戦後成立した「ゆりかごから墓場まで福祉国家・英国」の下支えをしてきた。そして彼らが老いたときにいきなり、英国政府は「敵対的環境 hostile environment」などという恐ろしい言葉を政策として打ち出した。そのときの首相はデイヴィッド・キャメロン、移民政策のトップである内務大臣はテリーザ・メイだ。

テリーザ・メイに対しては日本語圏では妙な同情論がとても強いのだが、彼女が英国で支持者以外からは冷ややかに見られているのは、内務大臣のときに彼女が何をしたかによる。

それを前提として、今回の記事: 

www.theguardian.com

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a day after ~, not A but B, 【ボキャビル】学校ではたぶん習わない表現(英保守党党首選)

今回の実例は、6月7日にテリーザ・メイが保守党党首を退いた*1ことでいよいよ始まった保守党党首選挙関連ニュースより。

立候補者は確か10人で、既に保守党所属の下院議員による第一回投票は行われており、これから第二回投票、一般党員による郵便投票などを経て最終候補が2人に絞り込まれたところで決選投票が行われる。

その第一回投票のあとで、3候補が得票の基準値に達さず脱落し、さらに1人が自ら出馬を辞退した。その辞退の報道記事である。

www.bbc.com

*1:次の党首が決まるまではメイが党首を続けている。

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so ~ that ... 構文, some ~, others ...の構文, 倒置, やや例外的な分詞の後置修飾

今回も、前々回および前回と同じ記事から、文法項目を見ていこう。

記事を読むうえで必要となる前提知識的なことは前々回の記事を参照のほど。

記事はこちら: 

www.bbc.com

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仮定法過去、報道記事の見出しにおける現在形【再掲】

このエントリは、2月にアップしたものの再掲である。報道記事の見出しについて、基本中の基本といえる事項を解説してあるので、「ニュースの見出しくらいは英語でチェックしたい」とお考えの方にはぜひ読んでいただきたいと思う。

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今回の実例は、報道記事の見出しと例文に出てくる仮定法過去の例。ソースは2019年1月、EU離脱をめぐる国会の大混乱のさなかにある野党・労働党についての記事。

www.theguardian.com

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学校では習わないかもしれない、接続詞asの節における省略、最上級 + ever(HBOのドラマ『チェルノブイリ』)

今回の実例は、前回と同じ記事から、学術論文であれビジネスの場でのプレゼンテーションであれ、実際にまとまった英語(の原稿)を書くときに使えると、びしっと引き締まった感じを与えることができるかもしれない表現。

記事を読むうえで必要となる前提・予備知識は前回のエントリにまとめてあるので、それを参照されたい。

記事はこちら: 

www.bbc.com

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集合名詞(「スタッフ」の表し方)、be動詞の分詞構文でbe動詞が省略された形(HBOのドラマ『チェルノブイリ』はどこまで本当か)

今回の実例は、前々回のエントリで言及したHBOのドラマに関するBBCの追加検証記事から。

「検証」というのは今ここで私が端的に説明するために思いついた用語に過ぎない。「検証」といっても大掛かりなことをしているわけではなく、ドラマが描いている実際の出来事を、直接体験している人に「あのドラマ、どうなんすかね」と聞いてみた、という記事だ。

記事はこちら: 

www.bbc.com

 

HBOのドラマ『チェルノブイリ』は、私はドラマ自体は見ていないが(HBOは、日本でもHuluで見られると思うが)、放映時にTwitter英語圏の人々がどよめいているのは見ていた。いわく「迫真」、「リアル」、「何があったのか、よくわかった」など。放映後、かなり時間がたったあとも「インパクト強すぎて、まだ余韻が続いている」といった発言もあった。IMDBでも非常に高い評価を得ている――「非常に高い」というか、「IMDB史上最高の」というべきか。

matome.naver.jp

 

だが、ドラマがドラマである以上、どれだけ入念に事実を調べたうえで作られていたとしても、一定の「フィクション」性は必ず前提としておかなければならない。例えば1972年1月30日のデリーでの非武装デモ隊への発砲事件を、その時その場にいた人々が事件直後に行った証言記録に基づいて「再現」したドキュドラマの名作、ポール・グリーングラス監督の『ブラディ・サンデー』でも、実際のあの事件のときに現場にいたデモ隊側の人々は「まさにあの通りだった」と言っていたが、誰を中心人物とするか、カメラをどう動かすか、誰のどこでの発言を映画という一本の時間軸のどこに置くかといったことには「フィクション」性が伴う。 

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そういった、いわば「どうすることもできないフィクション性」とは別の問題として、「事実に基づいた物語」というもののフィクション性の問題がある。そういった作品(多くは映画、ドラマ)の中には、時には誰の目にも「それはない」とわかるようなはっちゃけすぎている作り話もあるが、「リアルさ」を売りにするようなものはとりわけ、出来上がった映画の中でどこが事実に基づいていて、どこが作り手のフィクションなのか、観客にはわからないようになっているものがある。その代表例が、いつだったか米アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞した『アルゴ』だ(今年の同賞作品、『ボヘミアン・ラプソディ』もそういう作品のひとつだが)。『アルゴ』については過去にその点について書いているので、そちらを参照されたい。

matome.naver.jp

 

さて、では2019年のHBOのドラマ『チェルノブイリ』はどうか、というのが、今回BBCの抱いた問題意識である。そしてBBCは、1986年4月に実際にチェルノブイリ原子力発電所に入ったウクライナ(当時はソ連)の作業員Oleksiy Breusさんらに話を聞いている。それが今回の記事だ。

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