Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

英英辞典

"Weaponized grief" に抗う。ガザ地区から送られてくる写真を見つめ、悲嘆をともにしながら。

一枚の写真から、目を離すことができなかった。白のグラデーションと青のグラデーションの中に薄いオレンジ。いわゆる「黄金比」の構図。整った、完成された画面。『青の歴史』を思い起こさせる色。美しい写真。 だがそこに映し出されているのは、人間の、深…

英単語の語源を確認するためのたったひとつの冴えたやりかた

英単語の語源を確認したい? 語源で単語を解説する英語学習本がいっぱいあって、どれがいいのかわからない? ネット検索をしても情報量が多すぎる? 今回は、そんなときに参照すべき情報源について。PCでもスマホでもタブレットでも、ブラウザが使えてネット接…

【再掲】形容詞+to不定詞, 前置詞+関係代名詞, let alone, など (ドナルド・ラムズフェルドが法の裁きを受けることなく安らかに死んだ)

このエントリは、2021年7月にアップしたものの再掲である。 ----------------- 今回の実例は、ある著名な人物の訃報を受けて書かれた激烈な文章から。通例、著名人の訃報を受けて書かれるのは「オビチュアリー (obituary)」で、当ブログでもいくつかオビチュ…

単語は中学レベルの基本語で簡単で文意も取りやすそうなのに、実は意外と難しい文の例(サッカーW杯、グループEで日本が首位)

今回の実例は、Twitterから。 今日は元々は、あるレセプションの場で明らかになった英王室の中に根強くあるレイシズム(人種主義、人種差別)についてのことばを見ていこうと下準備はしていたのだが、いかにも気が重くてうーむと思っていたところ、今朝方、…

【再掲】sacrificeの語義は「犠牲を払う」か? (バッハIOC会長発言をめぐって)

このエントリは、2021年5月にアップしたものの再掲である。 ----------------- 今回は、予定を変更して、今ホットな話題について(もう過去の話かもしれないが)。例のIOC会長による「犠牲」発言である。ちなみに原文では "We have to make some sacrifices …

【再掲】時制の使い方, 疑問詞節, not only A but B, as well as ~, wrongという単語の意味, など(東日本大震災: wrongnessという感覚)

このエントリは、2021年3月にアップしたものの再掲である。 ----------------- 今回は、前回(3月11日付)の続き。背景説明などは前回のエントリを参照されたい。 実例として参照するのはこちら、日本外国特派員協会 (The Foreign Correspondents' Club of J…

【再掲】butの作る論理構造, andによる接続 (国際女性デー)

このエントリは、2021年3月にアップしたものの再掲である。 ----------------- 今回の実例は、Twitterから。 今日3月8日は、国際女性デー (International Women's Day) である。日本語圏では「#国際女性デー」のハッシュタグがTwitterで上位に来ているそうだ…

【再掲】patient/patienceは「辛抱」か? ということについて。

このエントリは、2021年1月にアップしたものの再掲である。 ----------------- 今回は、英文法の実例とは違う話。といってもこの件、すでに多くの指摘がなされているし、ジャーナリストの森田浩之さんによるがっつりした検証と論考も出ているので、それらを…

【再掲】such ~ that ..., 現在分詞の受動態, 《過去の習慣》を表すwould, 【ボキャビル】buffなど(ジョン・ル・カレを追悼するホセイン・アミニの言葉)

このエントリは、2020年12月にアップしたものの再掲である。 ----------------- 今回も、前々回および前回と同じく、ジョン・ル・カレを追悼する様々な言葉を集めた記事から。 前々回見た部分は作家のジョン・バンヴィル、前回は劇作家・脚本家のトム・スト…

【再掲】いただいたブコメから、有益な追加情報ならびに参考書& "if awkward" について調べてわかったこと

このエントリは、2020年11月にアップしたものの再掲である。 ----------------- 【後日追記】この件についてのエントリはカテゴリでまとめて一覧できるようにしてあります。【追記ここまで】 今回も引き続き変則的に。 一昨日11月18日のエントリは、はてなブ…

【再掲】civil unionはmarriageとどう違うか, a right to do ~, a right to ~ (ローマ教皇が同性間のシヴィル・ユニオンを支持)

このエントリは、2020年10月にアップしたものの再掲である。 ----------------- 今回の実例は、世界中で大きなニュースのひとつになっているローマ・カトリック教会のフランシスコ(フランチェスコ)教皇の発言から。 まず最初にお断り申し上げておくと、私…

claimという英語は、日本語のカタカナ語の「クレーム」とは意味が違う。

今回も手抜きでTwitterに投稿したものから。 英語の単語だけを日本語圏に取り入れてカタカナ化し、日本語圏で英語の意味とは違う意味で使ったり、英語にはない組み合わせで2つか3つの単語を連語のように使ったりするものを、「和製英語」と呼ぶ。 例えば、「…

豆の種類についてウィキペディアで調べる, 形容詞化した名詞が単数形になることについて(ちょっと退屈していた人が手掛けたとても重要な作業)

今日は共通テスト当日なので、息抜き的なものを。受験されてきたみなさんはお疲れさまでした。明日もまだ理数の試験があるので、今日はリラックスして寝ましょう。 先日、Twitterの画面を眺めていたら、こんなのが流れてきた。ツイート主は理系(漁業科学)…

【再掲】black cat appreciation dayは「黒猫の良さを認識する日(黒猫鑑賞デー)」。このappreciationは「感謝」ではありません。

このエントリは、2020年8月にアップしたものの再掲である。 ----------------- 今回は、いつもとは少々違った感じで。 手元にある英和辞典で、appreciationという単語を引いてみてほしい。《意味》がたくさんあって、どれが《正しい意味》(つまり、自分が今…

【再掲】未知の単語やフレーズに遭遇したときの読み方, 直説法のif節, make + O + C, 肯定文でのany, thatの判別(私たちが使っている綿製品とウイグル人弾圧・人権侵害)

このエントリは、2020年7月にアップしたものの再掲である。 ----------------- 今回は前回の続き。 前回説明したように、何らかの報告についての報道記事では、前半でまずその報告の内容を端的にまとめたあと、後半で当事者や当局者に取材して得られたコメン…

英語での略語について(IT分野の "pen test" は筆記用具の書き味とは関係ない)

今回の実例は、少しイレギュラーな感じになるが、略語について。 日本語でも英語でも、頻繁に使われる語がある程度の長さがあるときは、何らかの形で省略された「略語」として日常の会話や新聞記事などに出てくることが多い。 例えば「東京証券取引所」は「…

"New phone, who dis?" というスラングについて、意味と用法、背景などを調べてみる。

今回の実例は、Twitterから、ものすごい口語表現を。 数日前、Twitterでアメリカ在住の日本人の方から "Get out of here!" が「お礼されるほどのことじゃないよ」という場面で使われてて面食らった、という報告があったのが話題になっているのだが、そういう…

「のど飴」「鼻声」「風邪声」「鼻が詰まっている」は英語で何という? (英ジョンソン首相の記者会見)

今回の実例は、Twitterから。 欧州全域で新型コロナウイルスによる感染がまた増えつつある中、今週月曜、つまりスコットランドで開催されていたCOP26が閉幕した翌日、英国のボリス・ジョンソン首相が記者会見を行ったのだが、それが「風邪でも引いているみた…

backは「背中」か「腰」か(エリザベス女王が「ぎっくり腰」で戦没者追悼の式典を欠席)

今回の実例は、単語レベルの話。 先日、そういえば「ぎっくり腰」を英語で言えないということに気づいたので、その場で辞書を引いてみたという、英語講師の杉村年彦さんのツイートを見かけた。 先日講師室で突然ぎっくり腰になった先生がいまして、周りが心…

日本語で「Twitter Pro」とされているものは、英語では "Twitter for Professionals" (職業人のためのツイッター)である件。

今回の実例は、Twitterから。といってもいつものように誰かがTwitterに投稿した文面ではなく、Twitter社が提供しているサービス名について。 Twitterで、新機能「Twitter Pro」が導入されたということが、昨日(11月3日)から話題になってきた。どういうふう…

【再掲】動名詞の意味上の主語, 動名詞の否定形, 【ボキャビル】speak to +〈人以外の何か〉(英国式、 #自粛と補償はセット )

このエントリは、2020年5月にアップしたものの再掲である。 ----------------- 今回の実例はTwitterから。 英国では、新型コロナウイルス感染拡大防止策として厳しい行動制限(ロックダウン)を導入したときに、「補償」もまた導入した。従業員の雇用を維持…

【再掲】be used to -ing, 現在完了進行形, such ~ that ...の構文, など(人種差別の暴言にさらされる記者)

このエントリは、2020年5月にアップしたものの再掲である。 ----------------- 今回の実例は、イギリスで起きていることについての報道記事から。 英語では「人種差別的な暴言を吐かれる」ことを、日常的には、 be racially abused と表す(「ヘイトスピーチ…

【再掲】black cat appreciation dayは「黒猫の良さを認識する日(黒猫鑑賞デー)」。このappreciationは「感謝」ではありません。

このエントリは、ちょうど1年前、2020年8月17日にアップしたものの再掲である。 ----------------- 今回は、いつもとは少々違った感じで。 手元にある英和辞典で、appreciationという単語を引いてみてほしい。《意味》がたくさんあって、どれが《正しい意味…

形容詞+to不定詞, 前置詞+関係代名詞, let alone, など (ドナルド・ラムズフェルドが法の裁きを受けることなく安らかに死んだ)

今回の実例は、ある著名な人物の訃報を受けて書かれた激烈な文章から。通例、著名人の訃報を受けて書かれるのは「オビチュアリー (obituary)」で、当ブログでもいくつかオビチュアリーは読んでいるが、今回の文章は書き手も掲載媒体もそのようには位置付けて…

【再掲】「買いだめ」「かさばる」などの英語表現あれこれ(トイレットペーパー買い占め騒動)

このエントリは、2020年3月にアップしたものの再掲である。 ----------------- 今回の実例は、日本と同じような現象が起きているオーストラリアについての報道記事から。 ただし今回はいつもとは趣向を変えて、「それって英語でどう表せばいいの?(英語でど…

sacrificeの語義は「犠牲を払う」か? (バッハIOC会長発言をめぐって)

今回は、予定を変更して、今ホットな話題について(もう過去の話かもしれないが)。例のIOC会長による「犠牲」発言である。ちなみに原文では "We have to make some sacrifices to make this possible." である。 最初にお断りしておくと、個人的に五輪には…

時制の使い方, 疑問詞節, not only A but B, as well as ~, wrongという単語の意味, など(東日本大震災: wrongnessという感覚)

今回は、前回(3月11日付)の続き。背景説明などは前回のエントリを参照されたい。 実例として参照するのはこちら、日本外国特派員協会 (The Foreign Correspondents' Club of Japan: FCCJ) が毎月出している会報 "Number 1 Shimbun" の2021年3月号である: h…

butの作る論理構造, andによる接続 (国際女性デー)

今回の実例は、Twitterから。 今日3月8日は、国際女性デー (International Women's Day) である。日本語圏では「#国際女性デー」のハッシュタグがTwitterで上位に来ているそうだが、Twitterを英語で使っている私の見ている画面内では、時差の関係から(英国…

patient/patienceは「辛抱」か? ということについて。

今回は、英文法の実例とは違う話。といってもこの件、すでに多くの指摘がなされているし、ジャーナリストの森田浩之さんによるがっつりした検証と論考も出ているので、それらをリンクして終わりにしてしまってもよいくらいだ。 news.yahoo.co.jp 何の話かと…

such ~ that ..., 現在分詞の受動態, 《過去の習慣》を表すwould, 【ボキャビル】buffなど(ジョン・ル・カレを追悼するホセイン・アミニの言葉)

今回も、前々回および前回と同じく、ジョン・ル・カレを追悼する様々な言葉を集めた記事から。 前々回見た部分は作家のジョン・バンヴィル、前回は劇作家・脚本家のトム・ストッパードの文章だったが、そのあとは作家でジャーナリストのシャーロット・フィル…

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