Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

【翻訳・英文和訳・訳読】

英語と日本語の書き方の違いを感じる(パキスタンの国境の都市、ペシャワールは気温が高い)

今回の実例は、報道記事から。 「実例」というより「文例」というべきか。 「9-11から20年」の余波の中にまだいて、9月11日になる前に読んでいた記事でスクリーンショットを撮ってあるものをどうしようかなと思っているのだが(20年目で、改めて人々の心身が…

日本語では「死にたくない」、英語では "want to live" ~「翻訳」と「ローカリゼーション」

今回の実例は、Twitterから。といっても、いつもとは少し趣向を変えてみる。 アメリカ(主にハリウッド)の映画スターが、日本では独特の人気の出方をすることは、アメリカ人で日本に興味を持っている人々にとっては定番の話題のひとつである。YouTubeなどに…

「『誤訳』とは、原文の語句・構文や意味内容についてのはっきりと誤った解釈に由来するものをいう」(中原道喜)

ここでは唐突に映ると思われるが、ある経緯から、誤訳というものについて書いておきたいと思う。誤訳とは何であり、何ではないのか、ということだ。 さて、「誤訳」とは何であるのか。見ての通り「誤った訳」だ。ではその「誤った」とはどのようなものか。 …

sacrificeの語義は「犠牲を払う」か? (バッハIOC会長発言をめぐって)

今回は、予定を変更して、今ホットな話題について(もう過去の話かもしれないが)。例のIOC会長による「犠牲」発言である。ちなみに原文では "We have to make some sacrifices to make this possible." である。 最初にお断りしておくと、個人的に五輪には…

"on her way into the abbey" を「アベイへ赴く途中の路上で」と解釈してしまう程度の英語力で、翻訳などしないでほしい。たとえウィキペディアであろうとも。

今回は、少し変則的に、英語で書かれていることを書いてある通りに読み取ること、余計なものを付け足して解釈しないことについて。「たかが前置詞、されど前置詞」という話でもある。 前々回の当ブログ記事で、英国のエリザベス女王の配偶者(王配)であるエ…

"You can't stop" のcanは、《許可》のcanか? (Daft Punkのダンスナンバー)

今回の実例は、見た瞬間に思わず「?」となった訳文から。 先週のニュースだが、世界的に大売れに売れて完全に定番化していた音楽の作り手、Daft Punkが解散した。Daft Punkはフランスのミュージシャン2人組*1。そういった背景についてはウィキペディアの例え…

日本語の「仕方がない」を英語でどう表現するか, およびアメリカ英語のAAVEについて

今回の実例は、Twitterから。 現実世界に複数言語話者がいるのだから、Twitterにも複数言語話者がいて、その中には日本語を外国語として習得した人々もいる。そして、英語を母語とする日本語話者の間でときどき、日本で日本語のフレーズの「対訳」としてあら…

patient/patienceは「辛抱」か? ということについて。

今回は、英文法の実例とは違う話。といってもこの件、すでに多くの指摘がなされているし、ジャーナリストの森田浩之さんによるがっつりした検証と論考も出ているので、それらをリンクして終わりにしてしまってもよいくらいだ。 news.yahoo.co.jp 何の話かと…

「~は終わった」を過去時制で表すかどうか(米大統領選挙は終わった)

今回の実例はTwitterから。 日本語では「~た」や「~した」と、《過去》のような形で表すものを英語にするときに、英語では《過去形》を使わないことがある。こういうところでつまづいてしまう人も少なくないのだが(私もかつてはそうだった)、日本語の「…

"pleasant if awkward" の中身は、《譲歩》のif節と《省略》

【後日追記】この件についてのエントリはカテゴリでまとめて一覧できるようにしてあります。【追記ここまで】 今回も引き続き11月18日のエントリやそれに続くエントリ群へのブコメへのお返事的なことを。(細かい事実誤認・誤記などはスルーしてます。すみま…

いただいたブコメから、有益な追加情報ならびに参考書& "if awkward" について調べてわかったこと

【後日追記】この件についてのエントリはカテゴリでまとめて一覧できるようにしてあります。【追記ここまで】 今回も引き続き変則的に。 一昨日11月18日のエントリは、はてなブックマークで現時点で768件のブクマをいただいています。ブコメは現時点で214件…

昨日のエントリの補足

【後日追記】この件についてのエントリはカテゴリでまとめて一覧できるようにしてあります。【追記ここまで】 今回も引き続き変則的に。今日は英文法解説なしです。 時事通信の誤訳について指摘した昨日のエントリは、当ブログには非常に珍しいことに、はて…

《形容詞A if 形容詞B》の構造, awkwardの語義(バラク・オバマの回想録と時事通信の誤訳)

【後日追記】この件についてのエントリはカテゴリでまとめて一覧できるようにしてあります。【追記ここまで】 今回の実例は、予定を変更して、今日まさにTwitterで話題になっている件について。 米国のバラク・オバマ前大統領が回想録を出したとかで、今週は…

日本語の文を、そのまま逐語的に英語にしただけで、言いたいことが伝わるとは限らない(定型文というものについて、および各国首脳のメッセージ実例)

さて、いよいよ前々回と前回に続いて、「病人へのお見舞いの気持ちを英語で表してみよう」の最終回だ。 こんなことは、すでに何冊も世に出ていて、何なら公共図書館にも必ず置いてあるような英文手紙・メールの文例集を見れば1分もかけずに知ることができる…

日本語の文を、そのまま逐語的に英語にしただけで、言いたいことが伝わるとは限らない(時制について)

というわけで前回の続き。 前回は、日本語から英語にするときに、そのまま文法規則に従って英文和訳すれば通じるものと、それでは通じないもの「決まり文句」があるということについて述べた。また、米国のトランプ大統領の新型コロナウイルス感染と入院につ…

not only A but also Bのちょっと変わった形, 先行詞を含む関係代名詞, in terms of ~, 形式主語の構文("Rest in power" というフレーズはどう広まったのか)

今回の実例は、前回の続きで、 "Rest in peace" の代わりに使われる "Rest in power" というフレーズについての解説記事から。 今から20年ほど前にカリフォルニア州オークランドのストリート・アートの界隈で用いられていたのが確認できているというこのフレ…

《訳読》とは何か, be hopeful to do ~(#BLM: 米スポーツ界の動き)付: 例の講座について

今回の実例は、Twitterにアップされた長文投稿から。 今週月曜日(24日)、「日本通訳翻訳フォーラム2020」(#JITF2020) の公開セッションで、第一線の翻訳者4人の方による公開レクチャーがあった*1。大変興味深く勉強になる内容で、2時間じっくり、メモを取…