Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

人は、翻訳作業で辞書を引くとき、いったい何を求めて辞書を引くのか: releaseというシンプルな語のひとつの事例

4今回は、「翻訳とはどういう作業であるか(さほど単純な作業ではない)」を説明する一助となれば、という主旨。 どの言語圏でもおそらくそうだと思うのだが、世間一般では「英語ができれば母語から英語に翻訳でき、英語から母語に翻訳できる」と思っている…

英単語の語源を確認するためのたったひとつの冴えたやりかた

英単語の語源を確認したい? 語源で単語を解説する英語学習本がいっぱいあって、どれがいいのかわからない? ネット検索をしても情報量が多すぎる? 今回は、そんなときに参照すべき情報源について。PCでもスマホでもタブレットでも、ブラウザが使えてネット接…

犯罪者について、predator「捕食者」という語はどういう意味で用いられるのか

今回も語彙メモ。扱うのが性暴力に関するものなので、そういうのは見ないことにしている方は今回のエントリは読まずに飛ばしてください。 特に、ある程度以上の信頼関係があったはずの誰かから、自分でははっきりと「被害」と自覚していない(けど何となく心…

【語彙メモ】TLDR(またはTL;DR)

今回は語彙メモ。 TLDRという英語表現がある。より正式に書けばTL;DRとセミコロンを使う。「正式に」と書いたが、この表現自体が実は正式なものではない。ネットスラングだ。 これはあるフレーズの単語の頭文字を取った略語だから全部大文字で書かれるのが本…

意味上の主語を伴ったto不定詞, ひとつの文の内容を言い換えて言葉をつないでいくということ(ジェフ・ベック死去)

今回の実例は、Twitterから。 日本語圏で「神」という形容の言葉が現在の、例えば「神コスメ」「神回」といった用法に見られるように軽く使われるようになる前、まだ「神」という言葉に(完全ではないが)それなりの威厳があったころの「神」が、またひとり…

休みます。

本文なし。

used to do ~など(画家のことば)

今回も、Twitterで簡単にメモっていたものから。 'Every change is a form of liberation. My mother used to say a change is always good, even if it's for the worse.' - Paula RegoAs we begin 2023, we hope you are holding your loved ones close an…

if it had not been for ~のifが省略されている形(欧州共通市場とアイルランドとBrexit)

今回は実例のネタが見つかっていないので休載しようかと思ったのですが、数日前のTwitterを転載しておくことにします。 Today, Ireland celebrates 50 years of being in the European common market, what went on to become the EU. Britain could be cele…

目的語が主語+述語動詞の前に出た形(有名な写真家の作品集)

今回の実例は、Twitterから。 こちら: David Bailey’s 85th birthday today. I’m not a huge fan, but his importance as a photographer is undeniable. This book, however, I love, and I’m lucky enough to have a publisher’s proof copy in my collect…

本日休載します

勝手ながら、本日は休載します。 このあとどうするか、3が日のうちに結論を出せるかなと思っていたのですが、まだ結論が出ていません。過去ログの再掲も仕込みに結構手間がかかるので、同じ手間をかけるくらいなら、昨日やったような「一言解説」の形でやっ…

仮定法過去完了, 倒置, not only A but (also) B, used to do ~, even if ... (テスト投稿)

今回の実例は、Twitterから。 というか、前回書いたように、今年からこのブログの書き方を変えていかないとならないのだけど、このようなスタイルもありかな、というテスト投稿です。つまり、Twitterに書いたものをそのまま転記するだけ。解説なしだと役に立…

「同じ語句の繰り返しを避けるための言い換え」を、もっとまじめに扱うべきだと思うのですが……。

2023年になりました。あけましておめでとうございます。みなさまにとって実り多き年になりますよう。 「いわゆる『学校英語』が、『生きた英語』の中に現れている実例を、淡々とクリップする」というコンセプトを思いついて、2019年1月に開始した当ブログも…

今年1年、ご閲覧いただき、ありがとうございました。

2022年最後の投稿になります。今年1年、ご閲覧いただき、ありがとうございました。はてブのコメントもありがとうございました。 ちょっとばたばたしているので1年の締めくくりとなる投稿もろくにできないのですが、ヴァーダマン先生のブログ(というかnote)…

英語圏における "How are you?" という挨拶言葉について。(天気予報に犬が乱入)

今回の実例は、米国の放送局の映像クリップから。音声の聞き取りが必須となる。 今から4年か5年前だったと思うが、「今どきのネーティブは、挨拶で How are you? なんて言わない」という記事がどこかのオンラインメディアに出て、大いに話題になった。その記…

【再掲】thatが省略されたso that ~, 等位接続詞andによる接続が延々と続いている形, thatの判別, など(イングランドのサッカー協会のステートメント)

このエントリは、2021年7月にアップしたものの再掲である。 ----------------- 今回の実例は、前回の続きで、イングランドのフットボール(サッカー)協会 (the Football Association: the FA) のステートメントから。このステートメントが出された経緯や文…

【再掲】could not be+比較級, be clear that ~, anyの用法, 過去分詞単独での後置修飾, など(イングランド・フットボール協会がサポーターの中のレイシズムに立ち向かう声明を出した))

このエントリは、2021年7月にアップしたものの再掲である。 ----------------- 今回の実例は、スポーツの競技団体のステートメントから。 日本語圏でもとっくに大きく報じられているが、欧州でのサッカーの国際大会「欧州選手権 (EURO)」*1の決勝でイングラ…

【再掲】副詞節のif節と名詞節のif節, 過去分詞の分詞構文など (「イングランドの方針」が英国全体のものとして扱われるということについて)

このエントリは、2021年7月にアップしたものの再掲である。 ----------------- 今回も、前回に引き続き変則的に。前回は、英国のボリス・ジョンソン首相が公にする方針の中には、英国全体ではなくイングランドにしか関わらないものもあり、保健行政もそのひ…

【再掲】新型コロナウイルス対策は「イングランド」etcの話であり、厳密には「英国」の話ではない、という説明。

このエントリは、2021年7月にアップしたものの再掲である。 ----------------- 今回は実例ではなく、「英語で報道記事を読む」以前の基本的な用語解説みたいなものを。「用語解説」っていうか「常識」かも。 日本時間で昨日5日、月曜日の晩に、英国から「ボ…

【再掲】A if Bの構造, 副詞節内での主語とbe動詞の省略, など (練習中の女性アスリートへの男性による妨害)

このエントリは、2021年7月にアップしたものの再掲である。 ----------------- 今回の実例はTwitterから。今日は事項解説なしで文法だけにするから短いよ。 昨年11月、オバマ元大統領の回想録の記述に含まれていた "A if B" という構文について何度かエント…

【再掲】形容詞+to不定詞, 前置詞+関係代名詞, let alone, など (ドナルド・ラムズフェルドが法の裁きを受けることなく安らかに死んだ)

このエントリは、2021年7月にアップしたものの再掲である。 ----------------- 今回の実例は、ある著名な人物の訃報を受けて書かれた激烈な文章から。通例、著名人の訃報を受けて書かれるのは「オビチュアリー (obituary)」で、当ブログでもいくつかオビチュ…

learn from ~という表現は、「~という選択肢からどれかを習う」という意味ではなく、「~を通じて学ぶ」という意味である。

今回は、英語圏の英文に出てくる日本の学校英語(学習英文法)の実例ではなく、日本語圏で今話題になっている表現について。 ものすごく忙しいので、ソースとかは後でつけます(ソースをつける作業にかかる時間は、執筆時間と同じくらいです。書くのは早いの…

howeverによる譲歩の構文, as such, 前置詞のcome, 助動詞+受動態, など(聖書の英国手話への翻訳プロジェクト)

今回の実例は、報道機関の特集記事より。 日本のメディアでもそうだが、報道機関が流す日々のニュースでは、毎日の大きな出来事の事実関係を伝えるもののほか、その時々の社会的な関心事や、「関心事」とまではなっていなくても多くの人々に共有されておいて…

本日休載

昨日のエントリもまだ完成させることができていないし、ほかにも積み残しがあるので、本日は休載します。

英語圏のパロディニュースに釣られない日本人になるための、たったひとつの冴えたやり方。

今回の実例は、「そんなのに吊られるなよ、日本語圏……」っていう実例。 今日の午後、鉄道情報などをチェックするかとYahoo! Japanを見てみたところ、トップページにある「リアルタイム検索」の欄に、「ドナルド・トランプ・ジュニア」という文字列があった。…

本日休載

今日は下記のブログを書いていたので、こちらまで手が回りませんでした。あいすみません。 アメリカのジャーナリストたちと一緒に、Twitterアカウントを凍結された件について、経緯を詳しく書いておく。 https://t.co/kaNc6zcPbn ひょっとして日本であの件で…

別な翻訳作業のため、本日休載します。

本日は、下記の翻訳作業のため、ブログは休載します。9割がた終わっているのですが、まだ少し残っています。明日月曜日に完成させます。 togetter.com 英文法の実例を楽しみにしてくださっている方には、申し訳ありません。週末は過去記事の再掲なのですが、…

#TwitterPurge: イーロン・マスクのTwitterは、Mastodonに対して、またジャーナリストたちに対して、何をしているのか、2022年12月12日から16日にかけて起きたこと(の一部)

今回は、「英文法の実例」はお休み。このエントリは、2022年12月16日の夜に書き始め、翌17日になってもまだ書き終わらずにいる。 16日の午後のわりと遅い時間帯になって日本語圏にも話が入ってきたが(そして、詳細を確認していない人々が付け加える「個人の…

いろいろあって、16日は休載しました。

12月16日はいろいろあって、ブログが書けず、休載してしまいました。ごめんなさい。 どういうことがあったのかというとこういうことです。イーロン・マスクを批判するジャーナリストたちの一斉サスペンドで、私も対象になりました(なぜか知らんが)。詳細は…

英語話者が思いつくままに挙げる、「どうしても気になる間違ったor微妙な英語」あれこれ(less/fewer以外)

今回の実例は、前回の続き。というか、前回見た「lessとfewerの混同」という、英語母語話者や英語を日常の生活言語として使っている人々の間で見られる文法的なよくある間違い (common errors) のひとつについての問いかけの投稿に対するリプライに寄せられ…

今年の文法警察慰労会会場はこちらです。fewer/less問題。

今回は、文法をネタにした英語圏Twitterのやり取りを見てニヤニヤする会。またの名を、文法警察の慰労会です。文法警察が嫌いな方はここでお帰りください。 The Girl From The Grammar Police 627308 Records DK Amazon CafePress – Grammar Policeマグカッ…