Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

【紛争・戦争・武力】

とんでもないものが翻訳されて青天の霹靂。ハッシュタグ「#ガザ投稿翻訳」を、少なくとも私は、終わりにせざるを得ないことについて(次のハッシュタグもあるよ)

このブログの管理画面にアクセスするのも久しぶりである。12月のうちに、時制の使い方がとても興味深い英文の実例に遭遇したので、それについて書くつもりだったが、なんだかんだと書かずに1月も終わろうとしている。 さて、今回は当ブログのテーマである英…

ハッシュタグ「 #ガザ投稿翻訳 」は、第一義的に、ガザ地区の人々に、自分たちの投稿が読まれていることを伝えるためにやってる。でもその意味は?

Twitter/Xのハッシュタグ「#ガザ投稿翻訳」を始めてしばらく経った。ハッシュタグがないよりは多くの人の目に触れていると思うし、ここ数日で作業をやってくれる方も増えた(こちらからはお声がけはしていないが、自主的にやり始めてくださる方が増えている…

"Weaponized grief" に抗う。ガザ地区から送られてくる写真を見つめ、悲嘆をともにしながら。

一枚の写真から、目を離すことができなかった。白のグラデーションと青のグラデーションの中に薄いオレンジ。いわゆる「黄金比」の構図。整った、完成された画面。『青の歴史』を思い起こさせる色。美しい写真。 だがそこに映し出されているのは、人間の、深…

イスラエル政府の言うような "human animals" なんかじゃない。彼ら・彼女らの言葉を伝える翻訳ハッシュタグ

【「日本国際ボランティアセンター (JVC)」さんの緊急支援要請】 ガザ地区での活動実績がしっかりしている日本のNGOです https://www.ngo-jvc.net/news/news/202310_gaza.html 起きたことに、衝撃を受けすぎて、言葉にならない、ということは、日常にあふれ…

【2023年6月中の署名のお願い】シリアで強制失踪させられている10万人について、調査を専門的に行う国際機関設置を求める請願文を日本語化しました。署名をお願いします。

今回は日本語化した請願文のご紹介と署名の要請です。広く拡散してください。期間は「6月中」とのことです(詳細は書かれていないので私にはわかりませんが、「なるべく早く」の案件です)。 6月8日、立法の根拠すらぐだぐだだったことが露見しているにもか…

#to不定詞が主語の文, to不定詞の意味上の主語(「to不定詞が主語になるときは形式主語のitを用いて、主語が長くなりすぎるのを防ぐ」ということについての実例いくつか)

今回の実例は、Twitterから。 Twitterを英語で使っていれば、流れてくるものを漫然と眺めているだけで「おお」と思う例に遭遇することがけっこうある。そう思ったものには、「#英語 #実例 」というハッシュタグをつけている。 その「#英語 #実例 」のハッシ…

疑問詞節, 分詞の後置修飾, 連鎖関係代名詞, 仮定法, 形式主語itの構文, as ~ as ..., など(亡命したロシアの元外交官の手記)

今回の実例は、前々回と同じ、亡命したロシア人元外交官の手記から。コンテクストの説明などは前々回のエントリをご参照のほど。 記事はこちら: www.foreignaffairs.com 今回は、前々回のエントリで見た部分の少し先を見ていこう。少々手ごわい文である。

正確な内容把握のために-ing形の判別が必要な文, 前置詞のas, 前置詞+動名詞, 見た目では構造が判断できない例, make + O + 動詞の原形, など(ロシア人外交官が亡命した)

今回の実例は、亡命したロシア人の手記から。 米国に、Foreign Affairsという雑誌がある。雑誌といっても外交・国際関係・国際政治の専門誌で、掲載されているのは日々の動向を報じる報道記事ではなく、専門家や識者による分析記事や学術的な論文が主であり…

日本語のつなぎ言葉の「が」と英語のand, 副詞節のif節と名詞節のif節, 仮定法過去, 現在完了, など(ロシア、プーチン大統領のスピーチ)

今回の実例は、Twitterから。 今日は「世界翻訳の日 the International Translation Day」ということで、翻訳という作業をするときに翻訳者が何をするかについて、以前書きかけたものを完成させようと思っていたのだが: おはようございます9月30日は『世界翻…

-ing形の判別, 前置詞+動名詞, 分詞構文, 時制, 大過去など(イスラエルによるガザ地区攻撃、問題は武力行使だけではない)

今回の実例は、報道記事から。 先週後半から日曜日にかけて、また、パレスチナのガザ地区がイスラエルによって攻撃された。今回は「ガザ地区からロケット弾が発射されたので応酬した」といういつものパターンですらなく、イスラエルいわく「先制攻撃 preempt…

主張のはっきりした文, 接続詞のas, butを用いた構造, confuse A with B, 前置詞+動名詞(アルカイダのアイマン・アル=ザワヒリ殺害)

今回の実例は、Twitterから。 すでに日本語圏でも大きく報じられていると思うが、アルカイダ(AQ)のトップであるアイマン・アル=ザワヒリが、アフガニスタンの首都カブールで爆殺されたことを、米大統領が発表した。日本語圏では「無人機からミサイルを発…

【再掲】強調のために副詞節が前に出たことによって起きる倒置(ローマ教皇のイラク訪問)

このエントリは、2021年3月にアップしたものの再掲である。 ----------------- 今回の実例は、Twitterから。 先週後半、3月5日から8日の日程で、ローマ・カトリック教会のフランシス(フランシスコ)教皇が、同教会の教皇としては初めて、文明の揺籃の地であ…

付帯状況のwith+過去分詞, 語義のわからない単語が出てきたときの読み方, など(アフリカ諸国と、ロシアによるウクライナ侵攻)

今回の実例は、少し前にBBC Newsのサイトに掲載された専門家による解説記事から。 BBC Newsには時おり、特に国際情勢に関して、王立国際問題研究所(チャタム・ハウス)の専門家が解説記事を書く。この2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻に関して…

【再掲】パレスチナ人に対し、イスラエル側からどのような言葉が投げつけられているか - 4(強調構文, 接続詞のonceなど)

昨日日曜日にエルサレムで行われたイスラエルのナショナリスト過激派が「アラブ人に死を」と叫んで旗をぶん回す毎年恒例のパレードに関連し、昨年のパレードを記録した映像を見る4つのエントリの再掲、これが最後の4つ目のエントリである。 今年のこのデモで…

【再掲】パレスチナ人に対し、イスラエル側からどのような言葉が投げつけられているか - 3 (those who ~, 接続詞のwhile, force ... to do ~, など)

先ほどからフィードしている通り、今年2月のエントリ4つを、5分差で再掲しているうちの3つ目。昨日日曜日にエルサレムで行われたイスラエルのナショナリスト過激派が「アラブ人に死を」と叫んで旗をぶん回す毎年恒例のパレードに関連し、昨年のパレードを記…

【再掲】パレスチナ人に対し、イスラエル側からどのような言葉が投げつけられているか - 2(「~しようとしない」の意味のwon't, 主語がものすごく長い文, など)

先ほどフィードした通り、昨日日曜日にエルサレムで行われたイスラエルのナショナリスト過激派が「アラブ人に死を」と叫んで旗をぶん回す毎年恒例のパレードに関連し、このパレードがどういうものであるかを説明する今年2月のエントリ4つを、5分差で再掲して…

【再掲】パレスチナ人に対し、イスラエル側からどのような言葉が投げつけられているか - 1(仮定法過去, 分詞構文, 倒置, dare (to) do ~, など)

今日は、昨日日曜日にエルサレムで行われたイスラエルのナショナリスト過激派が「アラブ人に死を」と叫んで旗をぶん回す毎年恒例のパレードのことで視界の3分の1が埋まっているのだが、新規でエントリを立てられるだけの精神的な余裕がないので、昨年のパレ…

want 人 to be ~, even though ~, 接続詞, 先行詞にnoがついている場合の関係代名詞that, remember -ing, など(パレスチナで殺害されたジャーナリストを語る言葉)

今回も前回の続き。 斯くして、5月11日の午後(日本時間)、私の見ている画面は、中東からの追悼と嘆きと、それ以上の静かな怒りの、耳にすることのできない悲鳴のような言葉で満たされた。殺害されたシリーン・アブ・アクレさんの名前すら知らなかった私で…

接続詞butの使い方と接続副詞との違い, get + O + 過去分詞など(パレスチナでジャーナリストが撃ち殺され、イスラエルが嘘をばらまき、英語圏主要メディアの報道はぐだぐだだ 2)

今回は前回の続きで、5月11日にジェニン難民キャンプに対するイスラエル軍の行動を報じるという仕事をしている最中に、イスラエル軍によって撃ち殺されたパレスチナ人ジャーナリスト、シリーン・アブ・アクレさんについて、英語圏の報道を見ていこう。 本題…

接続副詞のhoweverとコンマの使い方、など(パレスチナでジャーナリストが撃ち殺され、イスラエルが嘘をばらまき、英語圏主要メディアの報道はぐだぐだだ 1)

今回の実例は、Twitterから。 先週水曜日の5月11日、パレスチナのジェニン難民キャンプ*1で、一人のジャーナリストが、取材中にイスラエル側からの銃撃によって命を奪われた。 殺害されたのは、シリーン・アブ=アクレさん(「アクラ」という発音や表記もあ…

ニューヨーク・タイムズの特徴, 付帯状況のwith, 分詞構文, 挿入, など(ロシアとの関係について、シュレーダー元ドイツ首相の語ること)

今回の実例は、インタビューを中心に構成された解説・分析系の記事から。 ドイツの首相*1といえばアンゲラ・メルケル氏、という時代が長く続いた。実に、2005年11月から2021年12月までだから、16年以上だった。だから、「メルケルさんの前のドイツの首相は?…

be at it again, 関係代名詞のwhat, 接続詞句 every time, as soon as, など(「占領」を説明せず、対等な関係にはない間柄のことを「衝突」と呼ぶことの不誠実さ)

今回は、前回の続きで…… と、今回はここまで。 タブばかり大量に開いてあって、ブログが1字も書けない。「今回の実例は、前回の続きで」の先が、1文字も書けない。 — nofrills/文法を大切にして翻訳した共訳書『アメリカ侵略全史』作品社など (@nofrills) 20…

付帯状況のwith, 接続詞のas, など(イスラエル当局が、ラマダン中にアル・アクサ・モスクを急襲) #AlAqsaUnderAttack

今回の実例は報道記事から。 世界の目がウクライナに集まり、ウクライナから脱出した人々は、普通の国ではrefugeesとして、日本という奇妙に特殊な国では「難民」ではなく「避難民」として次々に受け入れられて「ほっこりするニュース」的に消費されてすらい…

挿入, パンクチュエーション, 過去分詞単独での後置修飾, など(希望を持つということについて)

今回は、前回の続きで、キャシディ博士がブチャの殺戮を受けて投稿した2つ連続のツイートの2つ目。前置きなどはすべて省略して、いきなり本題に入ろう。 Many will say - it will never happen - that Russia isn’t a signature to the ICC. Just like the U…

完了分詞構文, 等位接続詞の作る構造, 仮定法過去完了, など(ウクライナ、ブチャの殺戮)

今回の実例は、Twitterから。 先の週末(4月2日から3日)、ウクライナから、ロシア軍が撤退して解放されたキーウ州の街の、あまりにひどい状況が伝えられた。『ペンギンの憂鬱』などで知られるウクライナの作家アンドレイ・クルコフは、惨状を記録した写真を…

口語的な省略, 肯定文でのat all, 同格, 挿入, など(この50年、世界各地での虐殺現場を見てきたジャーナリストのことば)

今回の実例は、Twitterから。 ウクライナでとてもひどいことが行われている(「起きている」のではない。「行われている」のである)ことは大きく報道されている通りで、その悲惨と非道を伝えるニュースで世の中があふれかえっているときに、基本的に、大学…

ソ連および東側では、「ホロコースト」「第二次大戦中のユダヤ人迫害」はどう位置づけられていたか

今回は変則的に、Twitterのスレッドの翻訳を。 22日に見かけたこのスレッドは、長年もやもやしていたことについてはっきりした説明を与えてくれるものだった。スレッド投稿者で、米ニューヨーク拠点のメディアForwardなどで書いているAlexさんの許可をいただ…

経済制裁下のロシアの人々(仮定法過去, 略語, 前置詞+動名詞, など)

今回の実例は、報道記事から。 ソ連、じゃなかった、ロシアによるウクライナ攻撃が始まって、ロシア国籍の人々が、国籍だけで差別発言、憎悪発言の対象となることが実際に起きているという。例えば唐突に北方領土を返せというDMを送り付けられた人とか、国籍…

BBC Newsのアプリを入れて、「速報」を受け取れる環境を作っておこう/報道記事の見出し(ウクライナ情勢に際し)

今日はさすがに「英文法」という気分ではないので、完全実用情報。 日本語圏ではまさに20時間ほど前まで「欧米が勝手に騒いでいるだけ」「ロシアは攻撃などしない」みたいな、おまいらはサハフ情報相ですかみたいな言説が結構なメインストリームの場で大手を…

パレスチナ人に対し、イスラエル側からどのような言葉が投げつけられているか - 4(強調構文, 接続詞のonceなど)

今回も、前回に引き続き、イスラエルの実効支配*1のもとに置かれている東エルサレムで、パレスチナ人がどんなことを経験させられているか*2ということについて、PA(パレスチナ自治政府)だとかファタハだとかハマスだとかいった視点ではなく、一個人として…

当ブログはAmazon.co.jpのアソシエイト・プログラムに参加しています。筆者が参照している参考書・辞書を例示する際、また記事の関連書籍などをご紹介する際、Amazon.co.jpのリンクを利用しています。