Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

【米国の政治】

【再掲】英語圏で起きていることが英語圏から日本語圏に入ってくるまでの時間差について、および入ってくる情報の質について、6日のワシントンDC暴動を例に

このエントリは、2021年1月にアップしたものの再掲である。 ----------------- 今回も、引き続き英文法の解説はお休みして、ネット上の英語での情報について。 18日付でナショナルジオグラフィック日本版の下記のフィードを見た。17日付で日本版に掲載されて…

英語の文章がどのように推敲されるか, 分詞構文, 《結果》を表すto不定詞, 強調構文, など(コリン・パウエル元米国務長官死去)

今回の実例は、報道記事から。 米国でジョージ・W・ブッシュ(GWB)政権下で最初の国務長官を務めたコリン・パウエルが死去した。イラク戦争のとき米政権中枢にいた米要人としては、7月のドナルド・ラムズフェルドに続く訃報である。パウエルは新型コロナウ…

get + O + 過去分詞, 等位接続詞が作る構造がややイレギュラーなケース, 完了不定詞, など(2001年9月11日の米同時多発テロの首謀者の裁判はなぜまだ行われていないのか)

今回は、前回の続きで、事件発生後20年を経て、内部事情を知る人、というより当時の捜査の当事者によって語られるようになった、2001年9月11日の所謂「米同時多発テロ事件」((以降「9-11」、英語では "Nine-eleven" と呼ばれる) の首謀者(計画立案者)ハ…

時制, be yet to do ~ (2001年9月11日の米同時多発テロの首謀者の裁判はなぜまだ行われていないのか)

今回の実例は、あるとても大きな事件が発生してから20年になろうというタイミングで、ようやく語られるようになったことについての記事から。 米国で2001年9月11日に起こされたその事件(以降「9-11」、英語では "Nine-eleven" と呼ばれる) は、法的に、まだ…

形容詞+to不定詞, 前置詞+関係代名詞, let alone, など (ドナルド・ラムズフェルドが法の裁きを受けることなく安らかに死んだ)

今回の実例は、ある著名な人物の訃報を受けて書かれた激烈な文章から。通例、著名人の訃報を受けて書かれるのは「オビチュアリー (obituary)」で、当ブログでもいくつかオビチュアリーは読んでいるが、今回の文章は書き手も掲載媒体もそのようには位置付けて…

固有名詞が複数形になるとき, 助動詞+完了形, など(ドナルド・トランプの弾劾裁判の結論に)

今回の実例は、Twitterから。 (以下、肩書・敬称等省略) 日本の報道機関でも大きく報じられていると思うが、ドナルド・トランプの弾劾裁判は、予想されていたより早く先週末に結論が出され、共和党の反対により上院で必要な3分の2に届かず、米議会はトラン…

仮定法過去完了と仮定法過去が同居した文(ワシントンDC暴動で亡くなった警官)

今回の実例はTwitterから。 前置きなしでいきなり行こう。ツイート本文中の "Sicknick" は人名(姓)で、1月6日のワシントンDCでの暴動(議事堂襲撃)の際に暴徒に消火器で頭を殴られ、翌日息を引き取った警官、ブライアン・シクニックさんのことである。12…

付帯状況のwith (ジョー・バイデン就任式典、ネットで話題となったのは……)

米国のジョー・バイデン大統領とカマラ・ハリス副大統領の就任式典は、日本時間で今日21日の午前1時台から2時台にかけて、リアルタイムで見ていて、見ている最中はもろもろ「おお、これは」と思うような英文法の実例に気づいたのだが、自分の許容量を超えた…

不定冠詞の少し変わった用法, 繰り返しを避ける代名詞のthat (ドナルド・トランプ大統領最後の日に)

今回は英文法の実例の話に戻る。ジョー・バイデン新大統領就任の日だから。 フロリダ州パークランドの高校で、2018年のバレンタインデーに起きた銃撃事件をご記憶だろうか。富裕層の多いエリアにあるマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校というその高校…

英語圏で起きていることが英語圏から日本語圏に入ってくるまでの時間差について、および入ってくる情報の質について、6日のワシントンDC暴動を例に

今回も、引き続き英文法の解説はお休みして、ネット上の英語での情報について。 18日付でナショナルジオグラフィック日本版の下記のフィードを見た。17日付で日本版に掲載されている英語からの翻訳記事の紹介である。 米議会乱入、暴徒のタトゥーや旗は何を…

(特に英語圏で起きていることについて)英語で情報が入ってくるかどうかがもたらす、泣きたくなるようなギャップについて

今回も英文法はお休みで、前々回と前回の関連で書く。(「英文法お休み」と言いつつ、書いてる間に何か出てきたら突然文法解説始めるかもしれないけど、そうなってたら「あらあらうふふ」とほほ笑んで見守ってください。) 前々回のは300件以上のブクマを集…

極右勢力が使っているシンボルについて、さらにわかりやすい資料集&ユダヤ人とトランプ ※今日も英文法はお休み

今回も、いつもの英文法解説は基本的にお休みして、英語で情報を得ているとどんなことが見えるかということの具体例を示しておきたい。 前回のエントリは、当ブログにしては多数のブックマークをいただいている。日本語圏の情報がほんとにめちゃくちゃな中で…

極右勢力が使っている北欧神話のシンボルについて(議事堂乱入男のタトゥーを読み解く)※今日は英文法はお休み

【追記】本稿には続きがあります。そちらも併せてお読みください。 hoarding-examples.hatenablog.jp 本稿を書いたことで、改めて、英語で情報を入れている人とそうでない人の基本的な了解事項の格差(ギャップ)を知らされました。少しでも埋めたいので、当…

to不定詞の意味上の主語, if節のない仮定法, 分詞の後置修飾, など(ドナルド・トランプは混乱収束のために何もしていない)

今回の実例はTwitterから。 現地先週水曜日(1月6日)のワシントンDCでの騒乱(議事堂乱入)を受けた事態は、まだ全然終わっていない。トランプ政権から、残る任期はほんのごくわずかという段階になってから、次々と閣僚が離脱している現状は、政権の「終わ…

同格のthatなど(ティモシー・スナイダー教授の連ツイ論考、「大きな嘘について」)

今回は、体力がないので淡々と。投稿が30分遅れてすみません。 『暴政』や『ブラックアース』、『ブラッドランド』のティモシー・スナイダー教授が、米ワシントンDCの国会議事堂での暴力事態とそれをめぐるいろんなことについて、Twitterのスレッドを何本か…

仮定法過去(議事堂に押しよせているのがBLMのデモ隊だったら)

今回の実例は、予定を変更して、昨日の続きではなく新規に。 起きた出来事にショックを受けすぎていて、前置きなどを書いていると書き終わらないから手短に。 日本時間で今朝(1月7日)早朝、午前4時台に、米国の首都ワシントンDCから異変が伝えられてきてい…

強調のために副詞句を文頭に持ってきたあとで、SとVを倒置する例、しない例(ドナルド・トランプの乱心)

今回の実例は、Twitterから。 と、本題に入る前に、今日1月4日まで、Amazonの初売りで開拓社の電子書籍の一部が半額になっているので、そのご紹介。 開拓社は、ちょっとでもまじめに英語やってる人は知らない人はいない出版社だから、そう聞いて「これは耳よ…

「if節が仮定法過去完了、主節が仮定法過去」という形(ドナルド・トランプのトンデモ恩赦)

今回の実例は、Twitterから。 任期切れ間際の米大統領によるの恩赦が、ここ数日間行われている。犯行当時に18歳だった殺人事件で有罪となり死刑を言い渡されていた人の死刑が執行される一方で、ドナルド・トランプが恩赦しているのは、ロシアとの関係などで…

「~は終わった」を過去時制で表すかどうか(米大統領選挙は終わった)

今回の実例はTwitterから。 日本語では「~た」や「~した」と、《過去》のような形で表すものを英語にするときに、英語では《過去形》を使わないことがある。こういうところでつまづいてしまう人も少なくないのだが(私もかつてはそうだった)、日本語の「…

be about to do ~, some + 単数形, 《結果》を表すto不定詞, 直説法か仮定法かを根拠をもって判定する, など(連載:「フォー・シーズンズ」事件、その4)

今回は前回の続き。 ところでこのfiasco(ぐだぐだ)の件、発生したのは日本時間で8日未明で、2日以上たってようやく日本の大手報道が見出しにするレベルで取り上げたという(朝日新聞、2020年11月10日 13時8分。h/t watto)。現地の記者さんからはとっくに…

現在完了, 省略, メディアが「次期大統領」と書き始めるときの手続き, など(連載:「フォー・シーズンズ」事件、その3)

今回もまた、前々回と前回の続き。もう前置きは書かずにいきなり話を始める。 というわけで、あまりに考えられないようなことが目の前で、なおかつ地球の反対側で起きているので、私は目をぐるぐるさせながら画面を凝視していた。流れてくる珍妙な話――いくつ…

時制の一致, 近未来の予定を表す現在進行形, 前置詞+関係代名詞, 連鎖関係代名詞, など(連載:「フォー・シーズンズ」事件、その2)

今回は、前回の続き。前置きを書いているとまた終わらなくなるのでサクサク行こう。 前回は、現地時間で7日(土)の朝、現職の大統領が「弁護士による記者会見を行う。フィラデルフィアのフォー・シーズンズで11時」とツイートしたのをすぐに消して、「でっ…

大っぴらに書くのがはばかられる語を含む文をどう表記するか, ボキャビル, など(連載:「フォー・シーズンズ」事件、その1)

今回は、この週末に英語圏で人々の目を点にさせ*1、続いて爆笑の渦に叩き込んだ「四季」にまつわるお話。 「日本には四季がある」のは事実だが、それをひっくり返して「日本以外には四季がない」とするのは論理的な誤りで、言うまでもなくもちろん日本以外の…

自動詞のcount, 他動詞のcount ("Every vote counts, count every vote" というスローガン)

土曜日なのでいつもは過去記事の再掲だけど、今週は新規で。 米大統領選で現職の反応がめちゃくちゃなことになっていることは既報の通り(日本語圏でこれが「めちゃくちゃ」であることが十分にわかりやすく報じられているかどうかは、英語でしか情報を得てい…

claimという英語について(「米大統領選で不正」という「主張」をそのまま報じた日本の大手報道)

今回は、変則的な形で、時事ブログみたいな書き方をする。 現在、何というか、日本語圏のメディアで目立っている報道内容について、私は大変な不安と心配と懸念を抱かされている。といってもうちにはテレビはないし、新聞もウェブ版を少ししか読んでない(と…

引用符の使い方, as ~ as ...の同等比較, those who ~, 省略, など(ジョー・バイデンのスピーチ)

今回の実例は、Twitterにフィードされてきたジョー・バイデン氏のスピーチから。 米大統領選挙は、日本では11月4日の夜のTVニュースでは「トランプ旋風再び」とかいう話になっていたらしいが、日本の報道機関は大丈夫なのだろうか。かつて英語圏のジャーナリ…

コロン (:) の使い方, 仮定法過去, 直説法なら現在完了で表すものを仮定法で表した場合(アメリカの選挙制度)

今回の実例はTwitterから。 米国の選挙(大統領選がメインだが、議会選挙も同時に行われているし、各州の住民投票も行われている)の投票が現地3日に行われた。米国は国内で時差(複数のタイムゾーン)があるし、細かく見るのは大変だが、時差を見ながら情勢…

長い文の構造を正確に読む, 現在分詞の後置修飾, 関係代名詞の非制限用法のイレギュラーなケース(「バイデンの息子」のネタ元は偽情報会社)

今回の実例は、報道機関による大きな報道の際のTwitter連続投稿(スレッド)から。 10月に入って以降、Twitterでの私の視野も、体感で半分以上が米大統領選に関する発言で埋め尽くされているのだが、その中に先日少し取り上げたジョー・バイデンの息子、ハン…

前置詞のgiven, 関係代名詞what, 「どうしても~しなければならない」のhave to do ~(トランプ政権のひどさについて「匿名」で告発していた人が名乗り出た)

今回の実例は、報道記事から。 2018年9月、米トランプ政権の実情を知る何者かが、匿名で、「現場では、静かな抵抗が起きている」とする記事を、ニューヨーク・タイムズに寄稿した。 www.nytimes.com この「匿名」氏はその後、「匿名」名義で『ある警告』と題…

日本語の文を、そのまま逐語的に英語にしただけで、言いたいことが伝わるとは限らない(時制について)

というわけで前回の続き。 前回は、日本語から英語にするときに、そのまま文法規則に従って英文和訳すれば通じるものと、それでは通じないもの「決まり文句」があるということについて述べた。また、米国のトランプ大統領の新型コロナウイルス感染と入院につ…

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