今回の実例は、CND (Campaign for Nuclear Disarmament) のツイートから。
CNDは、冷戦で東西両陣営がじゃんじゃん核実験しながらどんどん核武装していた時代、1957年に英国で設立されて以来、今日に至るまで常に英国の反核運動の先頭に立ってきた組織である。設立時のメンバーにはJ. B. プリーストリーやバートランド・ラッセル、マイケル・フットなど各界の著名人が多くいた。マンハッタン計画に参加していたが、ナチスドイツに核兵器を作る能力がないとわかったことで計画を離脱したポーランド出身の物理学者、ジョーゼフ・ロートブラットも参加していた。
が、何といっても現代の私たちにわかりやすいのは、あのピース・シンボルだろう。Nuclear DisarmamentのNとDを表す手旗信号をモチーフにしたCNDのマークは、著作権を主張しなかったため、全世界で広く「平和」を表すシンボルとして親しまれるようになった。
CNDは現在も核軍縮・核廃絶を訴えてデモを行うなどの活動を活発に続けている。もちろん毎年8月には世界で初めての核兵器の使用とそれが人間に何をもたらすかを思い起こし、3度目の投下を起こさないようにしようと訴えるための行動を組織している。今回の実例はその呼びかけのツイートから。
The 6th and 9th August. Remember the two days when US nuclear bombs left 280,000 people dead in 1945. Dozens of events set to take place across the UK to make sure we never forget. #NeverAgain
— CND (@CNDuk) August 4, 2019
Find your nearest #Hiroshima #Nagasaki event: https://t.co/3TKwujWPLl pic.twitter.com/KDlNY9R2NG
The 6th and 9th August. Remember the two days when US nuclear bombs left 280,000 people dead in 1945.
太字にしたwhenは《関係副詞》で、先行詞は直前の "the two days". これはとても素直な関係副詞の例なので、解説は特になくてもよいだろう。
下線部で示した "left 280,000 people dead" の部分は《leave + O + C》の形。これは「OをCのままにしておく」の意味で(例: Please leave the door open. 「ドアは開けておいてください」)、 leave ~ dead は「~を殺す」、「~を死なせる」、あるいは「~を死ぬがままにしておく」、「~の命を救おうとしない」といった意味で用いられる。
今回の文は、「8月6日と9日。1945年、米国の核爆弾が28万人を死なせた2つの日付を思い起こしましょう」といった意味になる。
このツイートにあるように、英国各地で広島原爆、長崎原爆のためのイベントが開催される。開催場所の一覧は下記。それぞれ地名をクリックすると、イベントの内容や時間、場所などが表示されるようになっている。