Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

分数の表し方、due to ~, according to ~【再掲】

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このエントリは、2月にアップしたものの再掲である。数値表現は、英文を読めばわかるのでついついそこで終わりにしてしまいがちだが、実用英語では自分で書けるようにしておく必要がある。書けるかどうか自信がない場合は特に、これらの表現が自分で使えるようにしっかり頭にいれてしまっておきたい。

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今回の実例は、環境問題(地球温暖化)についての2月4日付ガーディアンの記事から。この記事は、温暖化で地表の氷が融けることについて、それが山岳地帯での水不足を引き起こすという、新たな問題点を指摘する記事である。英文としては、環境問題を報じる記事で頻出の語彙や表現がたっぷり入っているので、全文を見てみると役立つだろう。

www.theguardian.com

 

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2019年2月4日、the Guardian

 

 

キャプチャ画像は記事の書き出しの部分で、記事見出しと文言がかぶっている。

At least a third of the huge ice fields in Asia’s towering mountain chain are doomed to melt due to climate change, according to a landmark report, with serious consequences for almost 2 billion people. 

分数の表し方

a third of the huge ice fields

a third of ~は「~の3分の1」。英語では《分数》は《分子の数 + 分母の数の序数詞》の形で表す。《分母》のほうは、分子が2以上の場合は複数形のsをつける。

 

つまり、"a third of ~" ("one third of ~" と書いても同じ意味)は「~の3分の1」。「~の3分の2」と言いたければ、"two thirds of ~" とすればよい。

 

同様に、「~の5分の1」は "a[one] fifth of ~" で、「~の5分の3」なら "three fifths of ~" となる。「~の20分の7」ならば "seven twentieths of ~" だ。

 

例外が「2分の1」で、これはsecondを使わず、halfで表す。"a half of ~" で「~の半分」つまり「~の2分の1」である。

 

また、「4分の1」についても、単独でその意味を表せるquaterという語があるので、それを使うことが多い。「~の4分の1」は "a quarter of ~" もしくは "a[one] fourth of ~" と表す。「~の4分の3」は "three quarters of ~" または "three fourths of ~" だ。

 

なお、「~の1535分の21」のように長たらしくなる場合は、上述の言い方ではなく、《分子の数 over 分母の数》と、overを使うことが多い。"twenty one over one thousand five hundred thirty-five" の形である。

 

さて、発展的な内容だが、ここまで見てきた「~の3分の1」のパターンでは、分数の部分は名詞だが、これを形容詞として使うときにはハイフンを使うのが原則となる。"one-third mile" で「3分の1マイル」、"two-thirds mile" で「3分の2マイル」というように書く。詳細はこちらの、英語論文を書くときの注意点まとめのサイトなどを参照のほど。

 

due to ~

due to ~は《原因・理由》を表す表現のひとつで、「~のせいで」、「~が原因で」といった意味を表す。基本的に、友達同士のタメ口で使うような表現ではなく、企業のステートメントなどより正式な場面や報道でよく用いられる。(友達同士で使う場合、「わざとかしこまってみせて、おどけている」というようなシチュエーションが考えられる。)

 

実際の英語でどういうふうに用いられているかを確認するには、Googleでフレーズ検索するという方法があるが、ただのGoogle検索ではなくGoogle Newsで検索すると、例としてよりわかりやすいものがすぐにたくさん見つかるだろう。

https://news.google.com/search?for=due%20to&hl=en-US&gl=US&ceid=US%3Aen

今確認した例では、スポーツ選手が怪我が原因で試合に出場できないとか、悪天候が原因でパレードのルートが予定されていたより短くなるとかいったものが出てきた。

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Google Newsでdue toを検索した結果の画面

 

according to ~

according to ~は特に解説の必要はないと思われるが、報道では非常に頻繁に目にするので注目しておきたい熟語のひとつである。この記事のように、何らかの団体が発表したステートメント(声明)やプレスリリース、報告書といったものについて、あるいはそれらに基づいて記事を書く場合は、according to ~を使って情報源を明示するのが鉄則である。

 

まとめ

というわけで、今回の実例の文:

At least a third of the huge ice fields in Asia’s towering mountain chain are doomed to melt due to climate change, according to a landmark report, with serious consequences for almost 2 billion people.

文中のAsia’s towering mountain chain は、同じ語句の繰り返しを避けるという英語の文章術による言い換えで、本文の少し後に出てくるヒンズークシ山脈のこと。したがってこの文は、「ヒンズークシ山脈の巨大な氷原の少なくとも3分の1が、気候変動により融ける運命にあることが、画期的な報告書でわかった。氷原の融解に伴い、20億人近い人々に甚大な影響が出るという」といった意味となる。

 

【参考書籍】

分数など、簡単な単語で言えるのだが、どう表現するかを知らないと言えないという語句については、1990年代以降「英語学習熱」を煽るようにして英会話教室が隆盛を極めた時期に何冊かまとまった本が出され、現在はネット上にたくさん情報がある。中には「日本人は中学・高校と英語を習っているのに、こんなことも知らないと嘆くネイティブ」系というか、無駄に「上から目線」なものもあるが*1、要するに日本の学校では分数のようなものをいちいち英語で表す必要がない(日本語で言えばよい)というだけの話で、何も英語母語話者から上から目線で説教されるようなことではない。それに、こんなのは訳語を覚えてしまえば問題は解決するのだから、英語学習上のハードルとしては低いほうだ。とはいえ、こういう「小学生が教室で使うような表現」を知らないのは不便だし、実際に困るので、1冊手元に置いておくとよいだろう。

 

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これを英語で言えますか? デラックス

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英文法解説

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*1:ここで紹介しているバーダマン先生の本はそうではない。

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