このエントリは、2019年12月にアップしたものの再掲である。
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今回の実例はTwitterから。
現地時間で2019年12月7日(土)の夜、サウジアラビアでボクシングのWBAスーパー・IBF・WBO世界ヘビー級タイトルマッチが行われ、アントニー(アンソニー)・ジョシュアが勝利した。
私は詳しくないのだが、この試合は「因縁の一戦」として注目されていて(6月に試合が行われてルイスが勝利し、今回ジョシュアが王座奪還をかけて再試合を行ったという次第)、試合中も試合後もUKのTwitterではずっと関連のハッシュタグがTrendsに入っていた。ジョシュアは英国生まれで子供時代を両親のルーツのあるナイジェリアで過ごし、11歳からずっと英国に暮らしてきたという背景があり、英国のみならずナイジェリアでも大きな注目を集めていた。
というわけで今回の実例:
Had he lost tonight, retirement would have been an ideal decision so Joshua wasn’t just fighting for his belts, he was fighting for his career. Controlled and effective win. #RuizJoshua2
— JJ. Omojuwa (@Omojuwa) 2019年12月7日
@Omojuwaさんの文の書き出しの部分:
Had he lost tonight, retirement would have been an ideal decision
これはifが省略されて《倒置》が起きている《仮定法過去完了》の文だ。ifを省略せずに書くと、"If he had lost tonight, ..." という形になる。
日本では、こういう文を「気取っている」とか「文学的であり、実用的ではない」などと言う人もいるが、全然そんなことはなく、逆に仮定法過去完了でifがあると正式(フォーマル)すぎて重苦しいという気がするくらいに、気軽な話題でよく用いられている。
文意は、説明しなくてもよいくらいわかりやすいと思うが、「今夜、もし彼が負けていたならば、引退が理想的な決定だったであろう」と直訳できる。
ツイート主の@Omojuwaさんはナイジェリアのブロガーでコメンテーター。けっこういろいろ活動しているそうだ。
https://en.wikipedia.org/wiki/Japheth_J._Omojuwa
試合後のアントニー・ジョシュアのツイート:
My hope is that someone sees my page and decides not to give up. Clean hearts win 🖤 pic.twitter.com/yBrHeLq19q
— Anthony Joshua (@anthonyfjoshua) 2019年12月8日
(タイトル4つあったので、ベルトがすごいことになっている)
Strategy & loyalty! I’m not perfect but I’m trying, another defining moment for British boxing. Thank you to all my team, a night we will remember & thank you Ruiz Jr. we made history 🤜🏾🤛🏻 2X pic.twitter.com/CL0emzfbUY
— Anthony Joshua (@anthonyfjoshua) 2019年12月8日
参考書:
[音声DL付]ENGLISH JOURNAL (イングリッシュジャーナル) 2019年3月号 ~英語学習・英語リスニングのための月刊誌 [雑誌]
- 作者:アルク ENGLISH JOURNAL 編集部
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