Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

イギリス英語では、組織・団体は複数扱い("BBC Are Complicit" という横断幕)

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今回は5分で書き終わりたいので、文脈説明なしの実例だけ。

先日、ChatGPTに英文校正させたら、組織・団体が主語のときの動詞を単数形にされたが、これはアメリカ英語で、イギリス英語では複数扱いになる、ということを少し書いた。米語ではLos Angels Dodgers is ... と言うが、英語ではArsenal are ... と言う、ということだ。

その実例を見かけたのでサクっとメモっておく。ロンドンでの抗議行動を伝える写真である。

"BBC You Are Complicit" と書かれた横断幕を、たぶん10人ほどが持って掲げている。これは、単数扱いも複数扱いも関係ないセンテンスである。普通の文体にすれば、

BBC, you are complicit.

であり、「BBCよ、おまえは加担している」の意味だ。

後日、同じグループが同じ横断幕で抗議のスタンディングをしようとしたところ、ダンマクを持てる参加者が少なかったらしい。かくして、1語削ってこうなった。

"BBC You Are Complicit" の "You" を削って、"BBC Are Complicit" としている。

"BBC" は組織・団体の名称で、イギリス英語ではこれは自然な、ごく普通の表現である。

だが、アメリカ英語ではこれは単数扱いとなって "BBC Is Complicit" としないと違和感が出るところなので、このケースでは参加者が少なかろうとなんだろうと頑張って原文のままの長いダンマクを掲げるか、センテンスを作ることをあきらめて、単語だけで "BBC", "Complicit" と2つに分かれて持って立つかすることになるだろう。

BBC, you are disgustingly complicit. End the Genocide in Gaza. Free Palestine. 

 

リフアト先生とこういう話ができてたら、楽しかっただろうな。英語語るのではなく、英語語るの。日本語母語話者からは「英語の冠詞って何なんすか、あれ。アラビア語にもあるんですか、あれ」、アラビア語母語話者からは「アラビア語は『アル』ですね」みたいなゆるい会話。

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