Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

やけに長い文

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前のエントリと同じキャプチャ画像で、前回見た部分の少し上の方に、次のようなやけに長い文がある。

Jan Vyjidak, 38, a management consultant who has contributed research into energy metabolism, including carbohydrate restriction, to Public Health Collaboration, a charity that promotes healthy lifestyles, has been on the keto diet for nearly a decade.

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 文法項目として重要なものは特に含まれてはいないが*1、この文の構造を見ておこう。

この文の主語はJan Vyjidak, 述語はhas beenで、《文の骨格》は

Jan Vyjidak has been on the keto diet for nearly a decade.

だけである。残った

, 38, a management consultant who has contributed research into energy metabolism, including carbohydrate restriction, to Public Health Collaboration, a charity that promotes healthy lifestyles, 

の部分はすべて修飾語句。 

これを聞いてげんなりした人が多いかもしれない。実際、私が高校生だったらげんなりしていただろう。私が遭遇したこのタイプのだらだらした文では、印刷された状態で7行くらい、ピリオドなく続いているものもあったから、この程度ならさほど長くないとも言えるが。

修飾語句を細かく見ていくと、まず最初の, 38, は年齢。Jan Vyjidak, 38, で「Jan Vyjidakさん(38歳)は」という意味だ。

次の a management consultant who has contributed research into energy metabolism, も、Jan Vyjidakについての説明で、Jan Vyjidak, 38, a management consultant who has contributed research into energy metabolism は「energy metabolismの研究をcontributeしてきたマネジメント・コンサルタントのJan Vyjidakさん(38歳)」となる。

次の including carbohydrate restriction, は、直前のenergy metabolismにかかり、「carbohydrate restrictionを含むenergy metabolism」という意味になる。

(ここで英単語のまま記載しているのは意図的なことで、決して手抜きではない。長文の試験問題で専門用語など未知の単語が出てきたときに、いちいち日本語にしないと理解できないと、長文を読み進むことができなくなってしまうが、そういうときは英語のままで読んでいって、文の大筋をとらえることができるかどうかが問われていると考えてもらいたい。つまり、「未知の単語をスルーする力」が問われているわけだ。ただし、もちろん、必要とされる語彙力が備わっていることが前提となるので、単語の勉強をサボってよいということにはならない。)

その次のto Public Health Collaboration, のtoは、前出のcontributedとつながっており(contribute ~ to ...「~を…に提供する」)、先行の部分を含めて見ると、... who has contributed research into energy metabolism... to Public Health Collaborationという構造になっている。

最後の , a charity that promotes healthy lifestyles は、 Public Health Collaboration(全部大文字で書き始められているから固有名詞。この場合は組織名と考えられる)の説明で、「健康的なライフスタイルを促進するチャリティ団体のパブリック・ヘルス・コラボレーション」という意味。

以上を総合すると、この長たらしい部分は、「carbohydrate restrictionを含むenergy metabolismの研究を、健康的なライフスタイルを促進するチャリティ団体のパブリック・ヘルス・コラボレーションにcontributeしてきた、マネジメント・コンサルタントのJan Vyjidakさん(38歳)」という意味になる。

報道記事に要求される程度に具体的に書いているから長たらしくなっているだけで、要は「新規のダイエット方法を実践している素人ではなく、ある程度の専門家」だということが把握できればよい。大学入試の長文読解では、このような瑣末な情報はがんがん読み飛ばしていくことも求められる。このような「読み飛ばし」には、早い段階から慣れておけるとよいだろう。

 

■記事そのもの: 

https://www.theguardian.com/lifeandstyle/2019/jan/07/high-on-fat-low-on-evidence-the-problem-with-the-keto-diet

 

 

基礎英文問題精講 3訂版

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英文標準問題精講

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英文読解のグラマティカ

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*1:現在完了や関係代名詞が含まれているが、注目するほどのものでもないだろう。

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