Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

学校では習わないかもしれない、接続詞asの節における省略、最上級 + ever(HBOのドラマ『チェルノブイリ』)

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今回の実例は、前回と同じ記事から、学術論文であれビジネスの場でのプレゼンテーションであれ、実際にまとまった英語(の原稿)を書くときに使えると、びしっと引き締まった感じを与えることができるかもしれない表現。

記事を読むうえで必要となる前提・予備知識は前回のエントリにまとめてあるので、それを参照されたい。

記事はこちら: 

www.bbc.com

 

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2019年6月12日、BBC News

前回は、リード文のすぐ次の文(パラグラフ)を見たが、今回はそのもう1つ次のパラグラフ: 

The story of the reactor's catastrophic explosion, as told in an HBO/Sky miniseries, has received the highest ever score for a TV show on the film website IMDB. Russians and Ukrainians have watched it via the internet, and it has had a favourable rating on Russian film site Kinopoisk.

太字で示した部分のasは接続詞で、「~するように」「~するような」の意味。下記の諺がよく例文として参照される。

  Do in Rome as the Romans do. 

   (ローマにおいては、ローマ人がするようにしなさい→郷に入りては郷に従え)

現役の高校生にこの英語の諺を教えたとき、この「郷に入りては郷に従え」という日本語の諺自体を知らないと言っていたが、このことわざは成績や偏差値がどうとかいう以前、学問以前の常識なので、必ず知っておくこと。

閑話休題

この《接続詞のas》は、ほかの接続詞に置き換えることができないので*1、実際の英文でよく見るasといえば、まずはこの用法だ。

ここではこのasは直前の名詞句 (The story of the reactor's catastrophic explosion) を限定する用法で、このasの節では後続の主語とbe動詞が省略されることがよくある。『ジーニアス英和辞典』(第5版)には次のように説明されている (p. 120)。

時にasの直後の主語とbe動詞が省略されて過去分詞や形容詞がくることもある: She saw photograph of the town as viewed from the hill. 彼女は丘から見た町の写真を見た. 

ジーニアス英和辞典 第5版

ジーニアス英和辞典 第5版

 

 ちなみに、『ジーニアス』の例文は次のように考えられる。

  She saw photograph of the town as it was[is] viewed from the hill.

辞書に載っている訳例だとこなれすぎていてわかりづらいかもしれないが、「丘からそれ(町)が見られている」という関係性がこれで把握できると思う。

 

この《as+過去分詞》は、実際の英語(いわゆる「生きた英語」)でよく遭遇する。もっともよく見るのが "as cited in ~" または "as quoted in ~" という表現だ。これは誰かの発言・記述が、別の筋に引用されているのを参照する場合、つまり「孫引き」のときなどに使う。

例えばこんなのがある。

John Ruskin as quoted in the Boston Cooking School Cookbook 1918

https://www.goodreads.com/quotes/565873-cookery-means-the-knowledge-of-medea-and-of-circe-and

 「1918年版ボストン料理学校レシピ集に引用されているジョン・ラスキン(の言葉)」という意味だ。

 

こんなのもある。アルベール・カミュの元の発言はフランス語だっただろうが、それをNYTが英語にしたものを、改めて参照している、という文脈だ。

As quoted in The New York Times in 1958, Albert Camus, a native Algerian, wrote of Ms. Tillion: “No one, either in Algeria or throughout the world, can henceforth discuss the Algerian problem without having read what an understanding and cultivated woman has written about my misunderstood, desperate native land, now stirred by a heart-rending hope.”

https://www.nytimes.com/2008/04/25/world/europe/25tillion.html

 

学術論文では「孫引き」になるときは次のように表記するよう指導される。

According to Culver (as cited in Jones, 2009), learning APA "can be tough, but like any skill, it just takes practice" (p. 23). In addition, the mastery of APA increases an author's chance of scoring well on an assignment (Culver, as cited in Jones, 2009).

https://academicguides.waldenu.edu/writingcenter/apa/citations/secondarysources

 

このように、節内の主語 + be動詞が省略された結果としての《as + 過去分詞》は、書き言葉では頻繁に、普通に用いられる(書き言葉だけでなくスピーチの原稿のようなものでも)。学校では習わないかもしれないが、実用英語としてはぜひとも押さえておきたい文法項目である。

 

続いて2つ目の文法項目: 

The story of the reactor's catastrophic explosion, as told in an HBO/Sky miniseries, has received the highest ever score for a TV show on the film website IMDB.

この《the + 最上級 + ever》は「史上最も~な」という最上級の強意表現。「強意」というのがピンとこなければ「断定」と考えてもよい。英語では最上級を使うときは日本語より及び腰な態度になり、one of the worst traffic accidents in Japanといったように「最も~なもののひとつ」と表現することが非常に多いのだが、「疑問の余地なく最も~」と言いたい場合には、最上級のあとにeverを続ける、と考えてよい。

 ここではIMDBにおけるテレビ映画の評価としてこれまでで最高のスコアを得ているということで、"the highest ever score" と表されている。

ほか、もっと感情的な場面、例えば「うちの猫が世界で一番かわいい」というような場合にも多用される。

Twitterで検索すると、好きなスターやアイドルの笑顔の写真に "the cutest ever" といった言葉を添えて乙女モード全開になっているツイートも数多く確認できる。

 

 

徹底例解ロイヤル英文法 改訂新版

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英文法解説

英文法解説

 

 

*1:以前説明した通り、asは多義語で、ほかの語を使ったほうが意味が明確になる場合はほかの語を用いる傾向がある。たとえば〈理由〉を表すにはasではなくbecause, sinceを用いる、など。