Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

同格、挿入、形式主語のit, if節(名詞節)、時制の一致、分詞の後置修飾 【再掲】

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このエントリは、今年2月にアップしたものの再掲である。表題では文法項目を羅列してあるが、取り上げているのは要は「あれこれ入った長い文」である。「長い文」は返り読みして意味を把握するというクセがついている人もいるかもしれないが、学問であれ仕事であれ英語を使うことになるのなら、この程度の文は返り読みをすることなく意味が把握できるようにしておきたい。

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今回の実例は1月末の経済ニュースから。イギリスで「パティスリー・ヴァレリー」というカフェ・チェーンが経営破綻したのだが、経営破綻の直前には巨額の使途不明金があることが発覚していた。その点についての質疑応答が、国会の商業・エネルギー・産業戦略委員会で、同チェーンの監査を担当していた法人の代表者を召致して行なわれたときの報道である。

www.theguardian.com

 

f:id:nofrills:20190218133628j:plain

2019年1月31日、the Guardian

キャプチャ画像の2パラグラフ目:

Philip Rubens, a partner at the law firm, said it was “clearly important” to establish if there had been inaccuracies in documents sent to investors when the firm listed on the junior Aim stock market in May 2014.

なかなかややこしく見えるかもしれないが、実用英語としては標準的な文で、仕事で英語を使うとなると、このような文は数秒で構造を把握し、正確に読解して、内容を把握することが求められる。

同格、挿入

まず、この文の冒頭は《同格》の句 (a partner at the law firm) が、コンマで挟まれて《挿入》されている。「その法律会社のパートナーであるフィリップ・ルーベンス氏」の意味で、Philip Rubensが文の主語、同格の句の挿入の直後のsaidが文の動詞である。


形式主語のit

saidのあとはthat節でthatが省略されている。そのthat節内が《形式主語のit》の構文になっている。
  It is important to know exactly where he is.
  (彼の居所を正確に知ることが重要である)

 

なお、今回の実例で 'it was “clearly important” to establish...' と引用符が用いられているのは、引用符でくくられた語句が誰かの発言そのものの引用である(記事を書いた筆者の言葉ではない)ということを示すもので、文構造には関係ない。この場合、文の主語のルーベンス氏がclearly importantと述べた、ということが示されている。


if節(名詞節)

establishの直後にあるifは、《名詞節》を導いている。意味は「~かどうか(ということ)」。この実例では、if節内が過去完了になっているので、意味を把握しようとせずに形式だけ追うと「仮定法過去完了」と見誤ってしまう可能性があるので注意が必要だ。

 


時制の一致

if節の中で用いられている過去完了は、《時制の一致》によるもの。主節の動詞がsaidと過去形なので、その前に既に起きていたことを述べるために、had beenと過去完了を用いている。


分詞の後置修飾

if there had been inaccuracies in documents sent to investors

このsentは過去分詞で、documentsを後ろから修飾している(《分詞の後置修飾》)。この部分全体で、「投資家に送られた書類のなかに、不正確な記述があったかどうか」という意味になる。


なお、文の最後に出てくるthe junior Aim stock marketとは "Alternative Investment Market" のことで、ロンドン証券取引所LSE: the London Stock Exchange)が運営する株式市場だが、新興企業を対象としており、上場基準などはLSEとは全然異なる。

 

 

 

英文法解説

英文法解説

 

 

 

ニュース英語のキーフレーズ8000 改訂増補版

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