このエントリは、2019年7月にアップしたものの再掲である。ここで見ている《that節内に現れる動詞の原形》(仮定法現在)は、再掲時点でリアルタイムのニュースである新型コロナウイルス対策についてのニュースなどでもよく見る。「~することを求めた」と述べるときの《demand + that節》、「~することを推奨した」と述べるときの《recommend + that節》などで出てきている。リアルタイムのニュースを追うときも、この文法項目をちょっと意識しておくと、よりよい定着がはかれるだろう。
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今回の実例も、またこれと同じ記事から、仮定法現在の用例(同じような文法項目で恐縮だが、実用英語として重要な項目なので、記事を読んでて気が付いたものは取り上げておきたい)。
記事はこちら:
文中に出てくるWilliamsは、この記事のずっと上の方に出ているが、"Wendy Williams, an inspector of constabulary" のこと。今回リークされた内務省の報告書をまとめた人である。"inspector of constabulary" は警察など法執行機関を対象とした捜査を行う機関に属する捜査官だ。
Williams also describes a “defensive culture that results in an unwillingness to learn from past mistakes” within the Home Office.
太字にした《result in ~》は、いわゆる「受験英語」で必ず習う熟語で、「~という結果になる」、つまり「〈主語〉の結果、~になる」の意味である。ときどきこの《原因》と《結果》を逆にして覚えてしまっている人がいるが、《原因》は主語、《結果》がinの後にくるということを、自分に合った具体的な例文でしっかり覚えてしまいたい。
The lax security resulted in a massive data breach.
(ガバガバのセキュリティの結果、ものすごい大規模なデータ漏洩が発生した)
参照している部分は、報告書で「ウィリアムズはまた、内務省内部の『過去の間違いから学ぶということをしたがらない態度を結果として生じさせている防御的なカルチャー』のことも述べている」ということ。
次の文:
She reportedly recommends that the department’s staff be educated in the UK’s colonial past and proposes that government ministers should admit that they were wrong and provide an unqualified apology.
まずこのだらだらとした文は、次のような構造になっていることを把握しよう。等位接続詞のandを正しく読めるかどうかがカギとなる。
She reportedly
recommends that the department’s staff be educated...
and proposes that government ministers should ~
つまり、「彼女は…ということを推奨し、~ということを提案したと報じられている」という構造。
さて、最初の部分のrecommendの目的語であるthat節内は、《仮定法現在》になっている。唐突にbeが出てくるので違和感があるかもしれない。あまり見ない形なので違和感を覚えるのは正しいかもしれないが、英語としておかしな表現ではない。これについては、同じ記事から別の部分を取り上げた前々回の記事に詳述してあるので、そちらをご参照いただきたい(記事内のリンク先も含めて)。
hoarding-examples.hatenablog.jp
一方、後半部分の "and proposes that ..." のthat節では、"should admit" の形が使われている。これは「~すべきである」という意味をはっきりさせておくためだろう。
文意は「彼女(ウィリアムズ)は、内務省職員に英国の植民地主義の過去について教育を施すことを推奨し、また、政府のミニスターたちが自分たちが間違っていたことを認め、無条件の謝罪を行うことを提案している」。