2月はいろいろあってこのブログにまったく書くことができなかったので、3月は何とかしようと思っていたのに、もう下旬になる。
というタイミングで、画面を見たときに「お、これは」と思うものがあったので書き留めておこう。
Twitter/Xでは、こちらがフォローしていないアカウントから勝手に配信されてくるものが集まる Explore > For you という画面がある。
https://x.com/explore/tabs/for-you
そこには、Trening Topicsのほか、Who to followやPosts for youといったセクションがあり、さらに「ビジネスニュース」とか「スポーツニュース」とか「エンタメニュース」とかいった当たり障りのないニュースフィードがあって、そこにはだいたい常にアメリカの話が一方的にフィードされてきている(ちなみに私は英語でTwitter/Xを使っていて、地域設定も「自分がいる場所」にしていないので、日本語のフィードは自分でフォローするなどしているものしか目にしない)。
その「スポーツニュース」と「エンタメニュース」から。
ちなみに「スポーツニュース」のページを別個で開くとアメリカとは関係ないサッカーの話しか並んでいないのだが、Exploreタブだとアメリカの話ばかりで、どういう仕組みなのかはよくわからない。
ともあれ、その「スポーツニュース」のところにあったフィード。
even since he retired i have never seen ichiro not in a baseball uniform. dude just breathes ball it rules https://t.co/sjj8GHxnhn
— big content guy (@bigcontentguy) 2025年3月20日
日本のイチロー選手が長く在籍していて今も何かの役職をつとめている*1野球のシアトル・マリナーズが、ヤギを傍らに子供みたいな笑顔を見せているイチローさんの写真に、単に "GOAT" と書き添えて投稿しているものへの反応だ。
GOATは Greatest Of All Time (「すべてのときのなかで最優秀」、つまり「史上最高」)の《頭字語》である。アメリカ英語なので、略すときはピリオドを使って G.O.A.T. と表記されそうなものだが、マリナーズの投稿はピリオドなしのGOATである。マリナーズのこの投稿に限らず、この表現を見かけるときはピリオドなしが基本で、つまりNATOなどと同じだ。これでひとつの語として定着しているのだろう。
ピリオドなしのNATOが、アルファベットをつなげた「エヌ・エイ・ティー・オー」ではなく「ネイトー」と、あたかもひとつの語であるかのように読まれるように、GOATも「ジー・オウ・エイ・ティー」ではなく「ゴウト」で大丈夫だ*2。もし聞き返されたり通じていそうになかったら「ジー・オウ・エイ・ティー、ゴウト」と言えばよい。
つまり、「球団史上最高の人物」であるイチローさんが「ヤギ」連れてて、文字通りGOATだな、ガハハッ!というのが、マリナーズの投稿だ。
これに対し、@bigcontentguyさんが次のように反応している。これが、使える表現てんこもりだ。
even since he retired i have never seen ichiro not in a baseball uniform. dude just breathes ball it rules
明らかなスペルミスを修正し、大文字の使い方や句読点(パンクチュエーション)を整えた最初の文:
Ever since he retired, I have never seen Ichiro not in a baseball uniform.
基本的には、since ~を伴った《現在完了》で「~以来、ずっと…」の意味。さらに、そのsinceに意味を強めるeverがついている。きっと、単なるsinceでは表せないような感情があふれているのだろう。「引退して以降」というより「現役からは引退したけどそのあともほんとずっと」くらいの熱がある表現だ。
下線で示した "in" は、「~を着て」の意味。映画のMen In Blackシリーズのタイトル(「黒い服を着た男たち」の意味)で覚えた、という人も多いかもしれない。この "in" のあとには、色の名前がくることもあるが、具体的な衣類がくることもある。後者の場合は冠詞を忘れないようにすることが重要。
I saw a man in white.
(白い服を着た男性を見た)
I saw a man in a white shirt.
(白いシャツを着た男性を見た)
さて、@bigcontentguyさんの投稿は、2番目の文がなかなか厄介だ。
dude just breathes ball it rules
頼むからピリオドを使ってくれこれでは読めない。
という感じ。
今の時代、こういう「ネイティヴっぽい」としか言いようのない英文はChatGPTに投げると読解してくれるので、「たぶんこうだろうな」と思ったことを自分で検討する前に投げてみた。時短時短。

ChatGPTはぺらぺらぺらぺらとよくしゃべるが*3、自分の思った通りだということは確認がとれた。つまり:
Dude just breathes ball. It rules.
1文目の主語 "Dude" は、その人への尊敬の念などを示すため、heの代わりに用いてある。昔からの日本語だと「先生」「師匠」みたいな感じだろう(が、今の日本語ではこれは嫌味や皮肉で使われることも多いので微妙だ)。
他動詞の "breathe ~" は、文字通り「~を呼吸する」だが、ChatGPTが言葉数多く説明してくれたように、「~を呼吸しているといっていいレベルで自分の生活の一部にしている」という意味。その目的語の "ball" はここでは「野球」というスポーツの象徴だ。
つまりこの文は「イチローさんって、生きてる時間全部野球なんだろうな」という意味である。うーむ。この《ウナギ文》から "He just breathes ball." という英語が出てくるかって言ったら出てこないんで、私も暗記するわ、これ。暗記して復文で身に着ける。
で、このbreatheの例文を、ChatGPTに 'Could you provide me with a few more examples of the verb "breathe" as in "Dude just breathes ball"?' と聞いてみたら、次の例文が返ってきた。
"She breathes music." → She is completely dedicated to music; it's her life.
"That guy breathes fitness." → He is obsessed with working out and staying in shape.
"They breathe soccer." → Soccer is their passion; they live for it.
"He breathes gaming." → He is deeply into gaming and spends all his time on it.
"She breathes fashion." → Fashion is her whole world; she’s all about it.
個別の文について実際にある用例なのかどうかを確認したほうがいいことはいいが(ウェブ検索でOKだと思う)、この辺の例文も含めて、暗記しておこう。
こうやって例を集めると、日本語だと「フィットネスおたく」とか、ちょっと古めの表現だが「ファッションフリーク」といった表現があるなと思う。もっと古い表現では「野球狂」ってのがあるね。下記の漫画は、子供のころの習い事の教室になぜか置いてあったので読んでた(『ドカベン』と一緒に)。
@bigcontentguyさんの投稿の最後の文:
It rules.
これはよく遭遇する表現で、ChatGPTの説明通り、 "It's awesome" とか "It's the best." といった意味。ここでは引退してもいつもユニホーム姿のイチローさんについて、「この人って生活のすべてが野球なんだろうな」と述べたあとで、「もう最高」と締めくくっていることになる。ruleは動詞で「統べる」「支配する」の意味。
この"It rules." という表現、主語は何でもありうる。
Gin and soda rules.
(ジンを炭酸水で割ったのが最高)
The Beatles rule.
(ザ・ビートルズを超えるものなし)
Japanese conbini rules!
(日本のコンビニしか勝たん)
"It rules when..." という《形式主語》みたいなのの文もときどき見るので、ChatGPTに文例を作ってもらった。
"It rules when your favorite team wins in the last second."
"It rules when you find money in your pocket that you forgot about."
"It rules when a song you love comes on at the perfect moment."
"It rules when you wake up and realize it's the weekend."
"It rules when your food arrives right as you're getting really hungry."
"It rules when you nail something on the first try."
"It rules when you get an unexpected day off."
"It rules when a friend randomly picks up the check."
全部「~したときの気分は最高だ」という意味。推しチームが土壇場で逆転勝利を収めたとき、ポケットから不意に500円玉が出てきたとき、お店のBGMやラジオ、音楽配信などで好きな曲がまさにこういうシチュで聞きたかったというときに流れてきたとき、朝起きて今日から週末だと思ったとき、など。
実例をもうひとつ。これは「エンタメニュース」にあったフィードで、俳優のライアン・レイノルズの投稿である。
A decade really zips by. Deadpool started filming 10 years ago. ⚔️ pic.twitter.com/dxJXRUURKL
— Ryan Reynolds (@VancityReynolds) 2025年3月20日
第1文:
A decade really zips by.
この zip (および zip by という表現)を知らなくても、後続の文を見れば「飛ぶように過ぎ去る」という意味だということはわかるだろう。
「時間が過ぎるのは早いものだ」というときに Time flies. しか表現を知らないでいるとなんだか自分がバカになったみたいに感じられるので、この表現も覚えておこうと思う。使いどころが難しいが。
ちなみにこの zip は「ジャッという音を立てて過ぎる」の意味で「びゅんびゅん飛んでく」っていう感じ。
最後の by は副詞で「過ぎる」の意味。As Time Goes Byという名曲もある。
As Tears Go Byという名曲も。(RIP Marianne Faithfull)
*1:個人的に、野球には関心がないのでよく知らないため、ぼやっとした書き方ですみません。
*2:See 【スラング】「史上最高」を意味するGOAT:Greatest Of All Time | 上級英語ウェブメディア らいトレ for example.

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