Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

want 人 to be ~, even though ~, 接続詞, 先行詞にnoがついている場合の関係代名詞that, remember -ing, など(パレスチナで殺害されたジャーナリストを語る言葉)

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今回も前回の続き。

斯くして、5月11日の午後(日本時間)、私の見ている画面は、中東からの追悼と嘆きと、それ以上の静かな怒りの、耳にすることのできない悲鳴のような言葉で満たされた。殺害されたシリーン・アブ・アクレさんの名前すら知らなかった私でも、数分間画面を見ているだけで、この人がどういう存在なのかがわかった。こういう場合、日本ではよく「日本で言うと誰ですか」と説明を求められるのでそう考える習性が私にもあるのだが、「日本で言うと誰」ということは思いつかない。テレビを見ている誰もが知っている存在、ということでは、有名な俳優さんなどが大勢いるのだが、紛争の現場からの報道を続けてきたジャーナリストで、その紛争のもう一方の当事者(敵対相手)から殺された人をたとえられる存在は思いつかない。外国の人ならいる。アイルランドヴェロニカ・ゲリン北アイルランドのマーティン・オヘイガン、ロシアのアンナ・ポリトコフスカヤ、マルタのダフネ・カルアナ・ガリチア、そしてシリアのホムスで殺された英サンデー・タイムズのマリー・コルヴィン、といった人々だ。

こういった、ジャーナリストが報道という仕事をしていたがゆえに標的とされるということが起きるたびに口にされる言葉がある。

「ジャーナリズムは犯罪ではない」。つまり、報道という仕事ゆえに、逮捕されたり、暗殺の標的とされたりすることがあってはならない、という意味だ。

当たり前のことのように思われるかもしれないが、現実には、その当たり前のことが何度も何度も繰り返し、スローガンのように口にされねばならないのである。これは、日本だってまったくのよそ事として眺めてはいられないことである。

人々が、殺害されたシリーン・アブ・アクレさんを語る言葉を、ただ読んでみてほしい。過剰な美辞麗句ではなく、彼女がいかに、テレビの中にいて当たり前の存在であったかを語る言葉が並んでいる。(もちろん、私に確認できるのは英語話者の言葉だけで、パレスチナ人の英語話者というのは、英語圏で暮らしている在外パレスチナ人か、パレスチナにいて高等教育を受けた人々であるが)

 

私の見る画面にこういう声が次々と流れてきているころ、私のフィルターバブルの外側では、おそらくこれと同じくらいの勢いで、イスラエル政府による「撃ったのはパレスチナ武装勢力」という映像のミスキャプション(間違ったキャプションを敢えてつける)という手法でのディスインフォが流されていたのだが、それはこれらの声の壁の中には入ってこなかった。

そして、私は、まったく名前すら知らなかったこの人について、さらに知ることになる。

※ここに米大使館のことを書く

キリスト教のことを書く

 

 

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