このエントリは、2021年5月にアップしたものの再掲である。
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今回の実例は、前回のと同じ文章から。コンテクストの説明などは前回のエントリをご参照いただきたい。
記事はこちら:
前回書いたように、この文は「書いてあることを、書いてある通りに読む」ということが意外と難しく、その読み方(「正確な読み」)を意識して英文を読めるようにするという練習に適している。わかる単語だけ拾って、脳内で適当に補完しても、何となく意味が通っているように思われるから、そうやって「速読」気分を味わうこともできるのだが、それで済ませてしまうにはもったいないクオリティの英文である。
今回も、実例として見るのは記事の最初の方で、前回見たところのすぐあと。
キャプチャ画像内の2番めのパラグラフの最初の文:
Now, with daily cases crossing 360,000, and recorded deaths beyond 3,200 per day, many see the lull between Covid-19 waves as a cruel illusion.
太字で示した部分は、当ブログではおなじみ、《付帯状況のwith》で、ここでは現在分詞を伴っている。
また、「《ある数値》を超える」ということを表すときに、このように他動詞のcrossを使う(ことがある)というのも覚えておきたいポイントのひとつである。
ここまでで「日ごとの感染件数が36万件を上回っている状態で」の意味。
その次、"and recorded deaths beyond 3,200 per day," も実はこの付帯状況のwithの構文の一部で、"and recorded deaths being beyond 3,200 per day," とbeingを補うと構造がはっきりするだろうが(このようなbeは省略されることが普通である)、意味は「記録された死(記録にある死亡件数)が1日に3200件を超えている状態で」。
そのあとの "many see the lull between Covid-19 waves as a cruel illusion" が、このやや長い文の主節(主文)である。ここは特に難しくないが、《see A as B》(「AをBとみる〔考える、認識している〕」の形になっているのが見て取れないと、文意は取れないだろう。
今回は短いが、ここまで。
※1400字
北村先生の『英文解体新書2』 は発売日に入手したんだけど、まだページを開くことすらできていない。