Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

be followed by ~, 接続詞のas, begin -ing, try to do ~(ルワンダのジェノサイド発生から25年)

↑↑↑ここ↑↑↑に表示されているハッシュタグ状の項目(カテゴリー名)をクリック/タップすると、その文法項目についての過去記事が一覧できます。

【おことわり】当ブログはAmazon.co.jpのアソシエイト・プログラムに参加しています。筆者が参照している参考書・辞書を例示する際、また記事の関連書籍などをご紹介する際、Amazon.co.jpのリンクを利用しています。

今回の実例は、ルワンダのジェノサイドの始まりから25年(四半世紀)の節目に行われた式典についての報道記事から、25年前に何が起きたのかを解説する部分から。

 

「ジェノサイド」は、ギリシャ語で「民族、種族」を表すγενοσと、ラテン語で「~を殺す」を意味する-cideという接尾辞から成る合成語で、民族や種族の抹殺を意図した行為をいう。第二次世界大戦後に導入された考え方で、ナチスによるユダヤ人絶滅(ホロコースト)や、旧ユーゴスラヴィア解体・ボスニア内戦の際の民族浄化スーダンにおけるダルフール紛争などがジェノサイドにあたると認定されているが、その中でも現代において最も深刻なケースだったのが、1994年のルワンダでのジェノサイドである。

25年前に何があったのか、詳細は、本エントリ末尾の書籍リストに譲るとして、記事はこちら: 

uk.reuters.com

 

f:id:nofrills:20190409044752j:plain

2019年4月7日、Reuters

The downing of Habyarimana’s plane was immediately followed by killings 

ここに見られる《be followed by ~》は、「《主語》の後に、~が起きる」という意味である。つまり実例の文は「ハビャリマナ大統領の飛行機の撃墜のあと、すぐに、殺害が起きた」という意味。

 

as Hutu government soldiers and allied extremist militia began trying to exterminate the Tutsi minority.

このasは接続詞(後ろにS+Vの構造が続いている)で《時》を表しているが、なかなか訳しづらい。「フツの政府軍兵士と、政府軍に同盟する過激派武装組織が~し始め、殺害が生じた」といったように、柔軟に訳す必要があるだろう。

 

as Hutu government soldiers and allied extremist militia began trying to exterminate the Tutsi minority.

began trying to do ~の部分には2つの要素が重なっている。まずは《begin -ing(begin + 動名詞)》で、これは「~し始める」の意味。続いて《try to do ~》で、これは「~しようとする」の意味。2つ合わせて「~しようとし始める」となる。つまり、「フツの政府軍兵士と、政府軍に同盟する過激派武装組織が、少数派のツチを根絶しようとし始めた」の意味。

 

こうして、大統領の殺害を契機として、すさまじい規模の殺戮が起きた。隣人が隣人を殺した。これを日本でリアルに感じることは難しいが、実際、世界のどこでだってリアルに感じることは難しいだろう。

 

ルワンダのジェノサイドについては、日本語ではネット上の情報はあまり十分ではないかもしれないが、書籍として日本語で読めるものも数多く出ている。書店で見つからなければ図書館を利用してほしい。 

ジェノサイドの丘〈新装版〉―ルワンダ虐殺の隠された真実

ジェノサイドの丘〈新装版〉―ルワンダ虐殺の隠された真実

 
隣人が殺人者に変わる時 和解への道―ルワンダ・ジェノサイドの証言

隣人が殺人者に変わる時 和解への道―ルワンダ・ジェノサイドの証言

 
隣人が殺人者に変わる時―ルワンダ・ジェノサイド生存者たちの証言

隣人が殺人者に変わる時―ルワンダ・ジェノサイド生存者たちの証言

 
隣人が殺人者に変わる時 加害者編

隣人が殺人者に変わる時 加害者編

 
なぜ、世界はルワンダを救えなかったのか―PKO司令官の手記

なぜ、世界はルワンダを救えなかったのか―PKO司令官の手記

 

 

映画も何本か出ている。2005年2月に授賞式が行われた第77回アカデミー賞で脚本や演技が高く評価された『ホテル・ルワンダ』で、主人公のホテル支配人ポール・ルセサバギナが、夜間、町がどうなっているのかを確認しに車で出たときに、車がごとごとと揺れるので、道に大量の(もはや「多数の」というレベルではなかった)遺体が転がっていることを悟った場面は忘れがたい。また、国連軍が殺戮を前に何もできなかったことを描いた『ルワンダの涙』(原題はShooting Dogs: 殺された人々の遺体を食い荒らす野犬は撃てるのに、虐殺を止めることはできない国連軍の立場を言った表現)は、殺戮から10年を経た現地ルワンダで撮影された作品である。

 

ホテル・ルワンダ [Blu-ray]

ホテル・ルワンダ [Blu-ray]

 
ルワンダの涙 (字幕版)

ルワンダの涙 (字幕版)

 

 

 

英文法解説

英文法解説

 

 

 

当ブログはAmazon.co.jpのアソシエイト・プログラムに参加しています。筆者が参照している参考書・辞書を例示する際、また記事の関連書籍などをご紹介する際、Amazon.co.jpのリンクを利用しています。