Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

地名の表し方、分詞の後置修飾、to不定詞の形容詞的用法、同格、one of the + 複数形、関係代名詞の非制限用法【再掲】

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このエントリは、3月にアップしたものの再掲である。事件・事故があった場合の報道記事で、事実を淡々と伝えるというスタイルの文章だ。このタイプの文章にはなるべく多く接して読みなれておきたい。

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今回の実例は、ブラジルで原子力発電所に向かうウラン燃料を積んだ車が、途中で銃撃を受けたという、ちょっとびっくりしてしまうようなニュースから。

どういうことがあったのかは、各自記事全文をご参照いただきたいが、手短に言うと、ウラン燃料を乗せた車が原発に向かうルートが、ドラッグ・ギャングが支配する地域を通るため、途中でギャングの銃撃に巻き込まれた(ドンパチやっていたギャングが、車両警備の警官の多さに慌てて、警官に向けて撃った)ということだ。運ばれているウラン自体は自然界に存在する形のままなので(未濃縮)、仮に外部に出ても危険はなかっただろうと当局は説明している。

www.bbc.com

 

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2019年3月20日BBC News


実例として見る箇所は、キャプチャ画像の一番上のパラグラフ: 

The convoy was carrying uranium fuel fabricated in Resende, in Rio de Janeiro state, to supply Angra 2, one of the two nuclear power plants in Angra dos Reis, which began operations in 2001.

 

 

地名の表し方

日本語では「東京都中央区銀座」のように地名を表すときは大きい方から小さい方に書くが、英語では*1 "Seattle, Washington State" のように、小さい方から大きい方に書く。

上記の実例の中で、Resende, in Rio de Janeiro stateとあるのはその流儀にならっているが、州名に前置詞のinがつけられているのはやや変則的だ。こういうふうに書かれている場合もある、くらいに認識しておきたい。

分詞の後置修飾、to不定詞の形容詞的用法

The convoy was carrying uranium fuel fabricated in Resende, in Rio de Janeiro state, to supply Angra 2

この部分の文の構造が、初見で取れただろうか。主語はThe convoyで、動詞はwas carrying, 続くuranium fuelが目的語というところまでは、普通に前から読むだけでわかるだろう。

問題はそのあとで、fabricated in Resende, in Rio de Janeiro stateは過去分詞 (fabricated) による後置修飾(英文を速く正確に読む力をつけるには、このフレーズのここでの区切りが初見で把握できるようにしておきたい)、to supplyはto不定詞の形容詞的用法である。どちらの句も先行のuranium fuelを修飾しており、「リオデジャネイロ州のレセンデで加工された、アングラ2に供給するためのウラン燃料」という意味だ。

 

同格

Angra 2, one of the two nuclear power plants in Angra dos Reis, 

この部分は《同格》の表現。「アングラ2、つまりアングラ・ドス・レイスにある2つの原子力発電所の1つ」の意味。速度をつけてざーっと読み流す場合は、コンマを目印に、, one of the two nuclear power plants in Angra dos Reis, の部分は読み飛ばすようにするとよい。

 

one of the + 複数形

"one of the two nuclear power plants" の部分で、《one of the + 複数形》という基本の形を確認しておきたい。「~の1つ」と言う場合、「~」は必ず2つ以上あるから「~」の部分は複数形になるし、「~」は特定の範囲内のものなので定冠詞のtheがつく、という論理をおさえておけば、自分で英文を書くときにもうっかり単数形にしてしまうなどといったミスは防げるはずだ。

 

関係代名詞の非制限用法(先行詞が離れている例)

Angra 2, one of the two nuclear power plants in Angra dos Reis, which began operations in 2001.

上記部分の , which は、《関係代名詞の非制限用法》 である。これは先行詞に何か情報をつけたす場合に用いられ、先行詞が関係代名詞の限定用法(制限用法)を伴わないもの(固有名詞など)の場合も普通に用いられる。

  I called Rita, who was in town at the time. 

  (私はリタに電話をした。彼女はそのとき、町に出ていたのだ)

今回の実例では、このwhichの先行詞がすぐ前ではなく少し離れたところにあることに注意が必要となる。なぜかというと、whichの直前にある名詞(固有名詞のAngra de Reis)は、one of ~で始まる《同格》の節(挿入された節)の一部だからだ。

文意を考えても、それは納得できるだろう。whichから後は「(それは)2001年に操業を開始した」の意味だが、whichの直前のAngra dos Reisは地名で、「《場所》が操業を開始した」というのは意味が成立しない。その前の、Angra 2は施設名(アングラ2原発)なので、これを先行詞とすれば意味が通る。

 

今回のこの記事のように、びっくりしてしまうようなニュースは特に、情報を正確に把握するために、慎重に、文法をおろそかにせずに読むことが必要となる。気が動転した状態で読んで、早合点して、慌てて行動してしまうのはよくない。

私たちのように英語を外国語といて学ぶ者にとっては、文法を考えながら文法用語を使って文構造を解説するなどしてみるのは、動転した気を静めて冷静になるためにも有効だ。

 

 

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*1:英語に限らず、フランス語やスペイン語、イタリア語、ドイツ語など欧州の言語ではだいたいそうである。