Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

現在完了の受動態, force ... to do ~, to不定詞の受動態(アジアのステレオタイプ)【再掲】

↑↑↑ここ↑↑↑に表示されているハッシュタグ状の項目(カテゴリー名)をクリック/タップすると、その文法項目についての過去記事が一覧できます。

このエントリは、今年4月にアップロードしたものの再掲である。きわめて日常的な文だが、中学・高校で習う英文法の項目が次から次へと出てきており、「あの文法項目はこういうふうに使われるんだな」と納得しやすい実例だと思う。どんな文章が出題されるかわからない試験前の不安をしずめるための、これまでやったことのおさらいくらいの気持ちで読んでみるとよいかもしれない。

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今回の実例は、広告と人種(民族)偏見についてのニュース記事から。

最近、日本のネットでドイツの企業の、悪趣味で、なおかつめちゃくちゃな理屈で正当化された広告が「これはひどい」と物議をかもしていたが、同じころ、グローバルに展開するファストフード・チェーンの「バーガーキング」ニュージーランドSNSアカウントにアップされたCMが、見事なまでにやらかしていたことで、ちょっとした騒ぎになっていた。

 

記事はこちら: 

www.theguardian.com

日本を含む東アジア一帯での「二本の棒でものを食べる」という習慣は、言ってしまえば「東洋の奇習」としておもしろおかしく扱われることがある。2018年11月にファッション・ブランド「ドルチェ&ガッバーナ (D&G)」の中国でのCMが炎上したのも、「中国人はピザを食べるのに箸を使い、悪戦苦闘する」というありえないシチュエーションが原因だった。今回のバーガーキングNZの炎上もそれとそっくりなのだが、バーガーキングNZのCM製作にかかわる人たちは、中国でのD&Gの件を知らなかったのだろうかと疑問に思う。

 

閑話休題。本題はこの記事の書き出し部分に出てくる英文法である。

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2019年4月9日、the Guardian
現在完了の受動態, force O to do

Burger King has been forced to delete a “culturally insensitive” advert 

《現在完了の受動態》についての解説は、すでに詳しく書いたものがあるのでそちらを参照いただくとして、ここではhas been forcedの部分がその形になっている。

そして、"has been forced to delete ..." は《force O to do ~》(「Oに~させる」、「Oが~することを余儀なくさせる」)が受動態になった形で、これを能動態に書き直すと "[People] have forced Burger King to delete ..." となる。

 

関係代名詞

a “culturally insensitive” advert which depicted a westerner struggling to eat a burger with chopsticks

このwhichは直前の 'a "culturally insensitive" advert' を先行詞とする《関係代名詞》。ここでは主格で、「西洋人が箸でハンバーガーを食べようと悪戦苦闘しているのを描いた、『文化的に無神経な』広告」という意味になる。

 

to不定詞の受動態

, the latest western brand to be accused of mocking Asian food customs.

実例として見ている文の最後の部分(コンマからあと)は、主語のBurger Kingの同格の句だが、 あまり見ない形ではある。

この句に含まれている "to be accused" は《to不定詞の受動態》で、この項目についても解説はすでに書いたものがあるので、そちらをご参照いただきたい。

意味は「アジアの食習慣をバカにしていると批判を受けた西洋のブランドの最新のもの」。

 

さて、あとは記事そのものを読んでいただきたいのだが(短い記事なのですぐ読めるはずだ)、バーガーキングがこのようなバカげた広告を打った製品自体が失笑ものだ。いわく、「ベトナム・バーガー」と銘打った製品で「ホーチミンの味」と宣伝しているが、使われている調味料(スウィート・チリソース)はベトナムではなくタイの調味料だとツッコミが入っているというのだから。

 

とはいえ、東洋人である私たちも、とても雑に「欧米」とくくって片づけることは日常茶飯事だし(「アメリカではこういうことになっているが、フランスではそうではない」といったことがあっても、雑に「欧米」と扱われれば「アメリカでもフランスでもそうである」と認識されるだろう)、「イギリスはメシマズ」というステレオタイプを「ネタとして楽しむ」ということも平気で行われているわけで(挙句、「イギリスの食品はどうせまずいから買わない」という消費者心理もバカにできないレベルで浸透している)、「西洋の偏見にさらされ、一方的にゆがめられるアジア」といった認識を持つのも誤っている。(もちろん、「だからおあいこだ」というのではなく、どちらもおかしなステレオタイプは取り除いていかねばならない。)

バーガーキングのCMの問題を最初にSNSで指摘したのは、東アジア系ニュージーランド人の女性だが(ガーディアンの記事にツイートが埋め込まれている)、彼女のTwitterは現在はカギつきになっていて、「新たなフォロー申請は受け付けていません」とプロフ欄で宣言されている。彼女がそうしている理由もまた、プロフ欄からうかがい知ることができるのだが、よほど激しい嫌がらせを受けたのだろう。

 

 

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