今回は、いろいろ書きたいのだが、自分で自分の手に熱湯をぶちまけるというアクシデントがあったため、手が包帯でぐるぐる巻きになっているので(保冷剤を固定している)、タイピングがほとんどまともにできない*1。
23日、イングランドの2つの選挙区で下院議員が欠員となったため補欠選挙が行われた。どちらの選挙区も欠員となったのは保守党の議席で、どちらの保守党議員もセックス関連のスキャンダル(1人は有罪判決を受けたので「スキャンダル」と片付けるべきではないが)が理由で議員辞職した。
その詳細を少しは書きたいのだが(特に性犯罪の方は、本当にひどい。2008年に15歳の少年に性的暴行をはたらいた人物が、2019年総選挙で労働党の岩盤選挙区に保守党が立てる候補者として選ばれ、Brexitの熱狂の中で当選したのだが、なぜそんな人物を候補者として擁立できるのか、という……*2)、タイピングができないのでごめんなさい。下記のようなことだ。
https://t.co/yOiASp1eiT ボリス・ジョンソンの保守党、23日の2選挙区での補選で、2議席とも落とすの巻。ウェイクフィールドの補選は、保守党議員が子供に対する性犯罪で有罪となり辞したため。ティヴァトン&ホニトンは、保守党議員が下院の議場で仕事中にポルノ見てたことがバレて辞したため。 pic.twitter.com/A28nzulZgx
— nofrills/文法を大切にして翻訳した共訳書『アメリカ侵略全史』作品社など (@nofrills) 2022年6月24日
投票前、ジョンソンは余裕ぶっこいてた。
"I have absolutely no doubt that the people of this country, and the people of Wakefield and of Tiverton and Honiton, would much rather vote for a solid Conservative Government" - Boris Johnson two days ago. pic.twitter.com/LDtZda3vX9
— Adam Bienkov (@AdamBienkov) 2022年6月24日
そして、本来はウェイクフィールド選挙区での補選を前に、保守党員の集まりに出席してスピーチするはずだった日に、突然外国(難民申請者を強制的に出国させる先であるルワンダ)に行ってしまった。
党員たちの前に出れば、Partygateだの、保守党党首不信任投票(不信任決議は、最終的には失敗に終わったものの、保守党議員のなんと4割がジョンソンを支持せず、残り6割でもかなり多くの議員たちが、ジョンソンにNOを言ったら失職するというしがらみがあっての支持だった)だの、Carriegate(ジョンソンが外務大臣をしていたころ、愛人だった現在の妻、キャリーに、お給料がとてもよい仕事を職権でごにょごにょしようとしていた、という報道を、官邸からの電話一本で差し止めたというめちゃくちゃな話)だのについて説明を迫られることになるのは明白で、それから逃げて急遽ルワンダに行ったのだろうと指摘されていた。
ルワンダで、ジョンソン本人はカガメと並んでご満悦で、難民申請者のルワンダ移送に反対する人々がまるでアフリカを差別しているかのように、実体のない印象づくりに邁進していた。
これまでのジョンソンなら、そういうことをすればどかんどかんとウケて、保守党にはばかすか票が入っていたはずだ。
しかし、実際には、2議席とも圧倒的な負けっぷりだった。上の@AdamBienkovさんがキャプチャ画像でツイートしている通りである。
この敗北を受けて、保守党は上を下への大騒ぎ。要職者がすばやく辞任したり、以前党首をしていた(そしてどうしても労働党に勝てず、極右のスローガンみたいな移民排斥論を前面に持ち出したけどやっぱり勝てなかった)ベテラン政治家が「選挙にバカに強いというジョンソンの神通力はもう消えた。すみやかにご退場願いたい」ということをBBC Radio4の番組で口にしたりと、一気にムードが「明日は明日の風が吹く」っていう感じになってきた。
というあたりで、片手だけのタイピングが疲れるので、今日は文法解説も何もないけどこんなところで。
あ、1ついい熟語があった。
Yes it is 👊👌
— Anita 💙 #ToryScumOut #JohnsonOut #FBPE (@anita767thom) 2022年6月24日
Well done people of Wakefield and Tiverton & Honiton. You’ve restored my faith 🥰
You won’t be missed Big Dog#ByeByeBoris #byelection2022 #byelections pic.twitter.com/nokqK0bmBy
《show + 〈人〉 + the door》は、「〈人〉にドアを示す」ということになるが、要は「お帰りはあちらですよと告げる」ということで、「〈人〉に退場・退陣を促す」の意味で日常で使う熟語。
これは知らないと「ドアを見せて、で、どうするの……?」というところで詰まってしまいかねない。
ちょうどよい(わかりやすい)機会だから、このツイートで覚えておいてもいいだろう。
※2500字