Hoarding Examples (英語例文等集積所)

いわゆる「学校英語」が、「生きた英語」の中に現れている実例を、淡々とクリップするよ

【再掲】butの作る論理構造, andによる接続 (国際女性デー)

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このエントリは、2021年3月にアップしたものの再掲である。

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今回の実例は、Twitterから。

今日3月8日は、国際女性デー (International Women's Day) である。日本語圏では「#国際女性デー」のハッシュタグTwitterで上位に来ているそうだが、Twitterを英語で使っている私の見ている画面内では、時差の関係から(英国・アイルランドが朝を迎えるのは日本がオフィスアワーを終えるころだし、米国の場合は時差が14時間から17時間もあるので、日付が決まっている記念日系のハッシュタグなどはだいたい1日遅れて盛り上がる)まだほとんど話題にもなっていない。

だが、この記念日の「中の人」的な存在である国連関連のアカウントは、前日から #InternationalWomensDay のハッシュタグでキャンペーン的なものを開始している。

 

と、本題に入る前に、毎年のことだが、「国際女性デー」と述べるだけで「女だけ特別扱いされていいですね」みたいな反応が出るのが楽しいインターネッツなのだが(日本語圏でも英語圏でもそこは同じである。ただ日本語圏のほうがもろもろ深刻かもしれないが)、「国際男性デー」というのもちゃんとあって、当ブログではそれについて既に書いてもいる。関心がある方はチェックされたい。

hoarding-examples.hatenablog.jp

昨年(2020年)の「国際女性デー」のエントリは下記: 

hoarding-examples.hatenablog.jp

というわけで本題。先日、毎日新聞で独占インタビューがおこなわれ、お人柄が伝わってくるような回答を示しておられたアントニオ・グテレス(グテーレス)国連事務総長のツイート: 

文法的に特に難しいところはない上に、意見をはっきり示すという点ではお手本になるような文面だから、このまま暗記して、基本文として自分の中にストックしておいてもよいだろう。

書き出しの文と第2文は、《A, but B》の構造で、論理展開としてはAよりもBがメインとなる。この《A, but B》がどうにもわかりづらい場合は、「おせちもいいけど、カレーもね」がカレーのCMのキャッチコピーであることを考えるとよいだろう。この発言主が言いたい(主張したい)ことは「おせちはよい」ではなく「カレーはよい」で、発言主が売りたいものは「おせち」ではなく「カレー」だ。

ジェンダーの平等は権力の問題である。しかし、平等な権力は、男性によって支配されている世界では、ひとりでには生じない」というグテレス事務総長のこの言葉において、発言主が主張したいのは後半の方である。ここで「ジェンダーの平等は権力の問題である」だけに食いついて「ですよね、だからジェンダーにかかわらず、能力のある者が権力を持つということでよいのではないですか。今、男性がトップについているのは、その人たちが能力があったからでしょう」などと持論を展開してしまうのは、非常に痛々しい議論法である。「おせちもいいけど、カレーもね」と言われて「ですよね、おせち最高ですよね」と返しているようなものなのだから。

第2文の方に文法・語法的に注目しておくと役立つものがある。

But equal power will not happen by itself in a male-dominated world.

この《by oneself》は、成句表現(熟語)として習うことが多いが、その場合もbyの代わりに前置詞がforだったりinだったりしたときの意味の違いがなんちゃらかんちゃらと一気にいろいろ言われてわけがわからなくなってしまう人が少なくない。そういう場合、日本語の《意味》で把握しようとせず、英語で考えてみるとすっきりすることがある。つまり英英辞典を使うのだ。検索するだけでよい辞書があれこれ閲覧できるのだから、ぜひそうしてもらいたい。下記は米語のMerrium-Webster辞書の検索結果。とてもわかりやすい定義がなされている。

www.merriam-webster.com

 

さて、第3文: 

We must act decisively to support women in leadership and do far more to appoint women to high-level positions.

下線で示した "and do" の "and" は何と "do" をつないでいるだろうか。

このような、《等位接続詞》の作る構造を、適当に読み流してしまうと、正確な読解ができないから、「何となく読めればいいじゃん」で流さずによく考えてみよう。

"and" の直後の "do" が動詞の原形なので、この "and" はその前にある動詞の原形と "do" を結んでいる。その候補となる動詞の原形がここでは2つある。"We must act decisively to support ..." の "act" と "support" だ。

少々考え込んでしまうところだが、結論からいえば、この文は、《We must A to do ~ and B to do ...》(「~するためにAし、…するためにBしなければならない」)という型で、下線部の "and do" は "We must act ... and do ..." という構造になっていると考えられる。文の意味を取れば、「私たちは、指導者の立場にある女性たちを決然と支持するために行動しなければならないし、女性を高い地位につけるためにもっと多くのことをしなければならない」となる。

 

と、ここまで書いたものをタイマーをセットしてアップしたころに、私が見ている英語圏も起き出したようだ。 

 

 

 

※3450字

 

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https://twitter.com/antonioguterres/status/1368525585824182275

 

 

英文解体新書: 構造と論理を読み解く英文解釈

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